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補聴器に関する法規等
- 1. 補聴器 関連法規 “薬事法、特定商取引等” 倉敷中央病院 耳鼻咽喉科/臨床研究支援センター 藤原 崇志 2018/11/12 学習メモ 間違いあればご指摘いただけると嬉しいです。 Twitter: @TFujiwarbi
- 2. 製造販売許可
- 3. 補聴器と集音器 写真：ジェネラリストのための耳鼻咽喉科より 補聴器 集音器 形状 箱型、耳かけ型、耳孔型などがある。 補聴器の箱型に類似した ものが多いが、 最近では補聴器と形状が ほとんど同じものも。 医療上の区分 法律や規準をクリアし認証を取得したもの 管理医療機器として認可 医療機器ではない ラジオ、ミュージックプ レイヤー等と同じ分類で オーディオ機器の扱い 使用者個人への 聴力調整 使用者の耳の状態に合わせ、 音の大きさや特性を調整する 多くの場合、音の特性は 調整できない その他 同じ性能であっても医療 機器として認可がなけれ ば「補聴器」ではない
- 4. 医薬品医療機器法の分類 分類 定義 例 許可 届出 管理者の 設置 高度管理 医療機器 副作用又は機能の障害が 生じた場合において 人の生命及び健康に 重大な影響を与えるおそれがある ペースメーカー 可搬形人工呼吸器 人工骨インプラント 許可 必要 管理 医療機器 副作用又は機能の障害が 生じた場合において 人の生命及び健康に 影響を与えるおそれがある 自動電子血圧計 耳かけ型補聴器 家庭用電気マッサージ 連続的電解水生成器 届出 必要 不要 一般 医療機器 副作用又は機能の障害が 生じた場合において 人の生命及び健康に 影響を与えるおそれがほとんどない 救急絆創膏 メス、ピンセット 検眼レンズ等 不要 不要 特定保守 管理 医療機器 クラス分類や医薬品医療機器法上の 分類に関係なく、保守点検に専門的 な知識や技能を必要とするもの 脳波計、呼吸モニタ 麻酔システム 人工膀胱 許可 必要 医薬品医療機器等法 http://www12.plala.or.jp/taacohya/ 日本補聴器販売店協会 http://www.jhida.org/ha-training/pdf/chapter2.pdf
- 6. 製造販売業の許可 • 医療機器および体外診断用医薬品の製造販売業および製造業 （薬機法 第5章 第1節） • 製造販売はそれぞれ厚生労働大臣の許可を受けたものに限る 医療機器または 体外診断用医薬品の種類 許可の種類 高度管理医療機器 第1種医療機器製造販売許可 管理医療機器 第2種医療機器製造販売許可 一般医療機器 第3種医療機器製造販売許可 体外診断用医療機器 体外診断用医薬品製造販売許可
- 7. 特定管理医療機器*の販売業者等の遵守事項 医療機器の分類 許可/ 届出の 区分 管理者の 設置義務 従事 年数 基礎 講習 継続 研修 取り扱い可能な 医療機器の範囲 医科向け 管理医療機器 届出 義務 3年 必要 努力 義務 管理医療機器 補聴器 1年 補聴器、 家庭用管理医療機器 家庭用電気治療器 1年 家庭用電気治療器 家庭用管理医療機器 プログラム特定 管理医療機器 － プログラム特定管理 医療機器 家庭用管理医療機器 *専ら家庭において使用される管理医療機器であって 厚生労働大臣の指定するもの以外の管理医療機器 管理者の 基礎講習要件
- 8. 医療機器認証番号の交付 https://www.slideshare.net/StandByHearing/ss-24141381 製造販売業者から、医療機器として許可申請が行われる。 審査通過後、医療機器認証番号が交付される。 申請書類 • 製品仕様書 • 製造工程及び品質管理工程 • リスクマネージメント報告書 • 各種試験結果レポート etc…
- 10. 医薬品・医療機器の広告 • 医薬品等の広告 ⁻ 広告は医事又は薬事に関する記事を掲載する医薬関係者向け の新聞又は雑誌による場合その他主として医薬関係者を対象 として行う場合のほか、行ってはならない。 • 誇大広告等 ⁻ 効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的である とを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流 布してはならない。 ⁻ 効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したも のと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流 布することは、前項に該当するものとする。 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (昭和35年法律第145号) 抜粋
- 11. 補聴器の広告 • 一般人を対象として広告できるもの（2016年11月現在） ⁻ ①体温計 ②血圧計 ③コンタクトレンズ ⁻ ④補聴器 ⑤自動体外式除細動器（AED） • 一般人を対象としてこれらの医療機器の広告を行う場合、 あらかじめ当該の工業会で「医薬品等適正広告基準」に基づく 個別品目の広告表示に関する業界自主基準（広告ガイドライン） を作成し、これを適用することが求められる。 日本補聴器販売店協会 http://www.jhida.org/ha-training/pdf/chapter2.pdf
- 14. 補聴器の適正広告・表示ガイドライン ガイドラインで定めている主な事項 • 認証を受けた補聴器の効能効果等の範囲を逸脱しないこと • 補聴器の効能効果または安全性を保証する表現はしないこと • 補聴器の比較広告はひぼうのおそれが強いので、 表現する場合は自社製品同士の比較に限定すること • 補聴器に関する医療者等の推薦等（指定、公認、推薦、指導等）は 用いないこと 日本補聴器販売店協会 http://www.jhida.org/ha-training/pdf/chapter2.pdf
- 15. 不適切な補聴器の広告表示例 日本補聴器販売店協会 http://www.jhida.org/pdf/kensyo/koukoku_jirei.pdf 日本補聴器販売店協会による適正広告・表示の取り組み • JARO（日本広告審査機構）等の指導のもと ガイドラインを作成 • 別冊による不適切な広告・表示事例集 を公開、周知 注１）販売店による広告に関する注意です。 注２）日本補聴器販売協会 販売倫理委員会が 問題があるものとして例示したもので、直ちに薬事法や その他の方に抵触すると断定するものではないです。
- 17. 医療者の関わる適正な補聴器の広告 • 補聴器の適正広告・表示ガイドラインはメーカーによるガイドラ インだが、医療者自身も補聴器の効能効果を適切に説明する必要 がある。 • 主な関連法規 ⁻ 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する指針 （医療広告ガイドライン） ⁻ 医薬品医療機器等法 第10章 医薬品等の広告 （薬機法） https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
- 20. 医療者の関わる適正な補聴器の広告 • 補聴器に関しては近年、認知症関連での情報が増えている。 • 難聴のない人に比べ、難聴のある人は認知症になりやすいことが 複数の研究で報告されている。 • そこで補聴器を装用することで認知症予防に有用なのではといく つかの臨床研究が行われつつあるが（2018年11月時点でまだ効果 ははっきりしていないのが現状と思う）、 補聴器の認知症予防効果の明言はけっこうグレー（特に広告とし て掲示する場合は問題） • あくまでも認められた効能は下記のとおり（一例） 【使用目的、効能又は効果】 身体に装着して、難聴者が音を増幅して聞くことを可能とする完全耳内式耳あな型補聴器
- 21. 消費者関連法規
- 22. 消費者関連法規 補聴器の販売には複数の消費者関連法規が関係し、消費者の権利の 尊重や自立支援及び事業者の義務や公正な競争に関する規定が定め られている。 【主な消費者関連法規】 1. 民法 2. 消費者基本法 3. 消費者完全法 4. 消費者契約法 5. 特定商取引に関する法律 6. 割賦販売法 7. 不当景品類および不当表示防止法と公正競争規約 8. 個人情報保護法
- 30. クーリング・オフ 愛媛県 http://www.pref.ehime.jp/ecc/quiz/chart.ht クーリング・オフができる取引・期間 • すべての取引でクーリングオフができるわけではない。 • 自分から店にいったり、広告を見て電話やインターネットで 申し込んだ場合には、通常クーリング・オフはできない。 • クーリングオフができるのは次の場合に限られる ₋ 法律に規定がある場合 ₋ 業者が自主的に規定している場合 *クーリング・オフの適用除外 店舗での販売 通信販売（但し返品特約の記載がない場合は、8日以内で あれば送料消費者負担で返品できます。）
- 32. http://www.pref.ehime.jp/ecc/learn/coolingoff.html#gaiyou 取引内容 クーリング・オフできる期間 根拠条文 訪問販売 8日間 特定商取引法9条 電話勧誘販売 8日間 特定商取引法24条 連鎖販売取引 20日間 特定商取引法40条 特定継続的役務提供 8日間 特定商取引法48条 業務提供誘引販売取引 20日間 特定商取引法58条 訪問購入 8日間 特定商取引法58条の14 クーリング・オフできる期間
- 33. クーリング・オフに関する問い合わせ先 愛媛県 • 県民環境部消費生活センター 電話番号：（相談専用）089-925-3700 （事務室）089-926-2603 問い合わせフォーム https://www.pref.ehime.jp/cgi-bin/simple_faq/form.cgi 松山市 • 松山市消費生活センター 電話番号： 089-948-6382 クーリング・オフのハガキ記載例 https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kurashi/shohisha/kakusyu/ coolingoff.html