大田区PIO PARKで開催されたPrivacy by Design Conference 2024のセッション「これからのデジタル社会で必要なリテラシー」のファシリテーションを担当しました。このうち、話題提供分の資料です。

1. これからのデジタル社会で必要なリテラシー
Keiko Tanaka | kcg.edu
- Privacy by Design Conference 2024 -
Discussing Literacies for Digital Society

2. AboutMe メディアリテラシーからデジタルリテラシーへ
2000’s 姉妹都市交流でNYに滞在
9.11 テロへの報道への疑問
上智大学文学部新聞学科
NPOのインターネット放送局や
コミュニティラジオに携わる。
2010’s DCで公共放送に携わる人たちが集まるカンファレンス
Public Media Campに参加、「ネット社会を生きる１０か条」著者に会う
⇒メディア関連のIT化を目の当たりに。
京都情報大学院大学 応用情報技術研究科 ウェブビジネス技術専攻
Global Voices のエディターとして
ネット上の言論空間における権利や規制について記事を英字ニュースを執筆。
2020 科研「国際化を考慮した社会的ネットワーキング指向の次世代eラーニング基盤の展開」
データ主権についてローレンス・レッシグに、誤情報対策についてオードリー・タンに取材
イリノイ大学 大学院にてラーニングデザインを学ぶ。

3. なぜデジタルリテラシーが求められているのか？
豊かなデジタル社会の形成
Goal:
暮らし
しごと
買い物
日常生活のあらゆる側面でデジタルが浸透
政治

4. そのうち、身に着くから放っておいても大丈夫？
豊かなデジタル社会の形成
Goal:
市民：
社会人：
消費者：
デジタルリテラシーが欠けたまま
主権者：

5. では「デジタル・情報関係の素養」
● ＩＣＴリテラシー（総務省）→市民
● デジタルシティズンシップ（総務省）→市民
● ＤＸスキル標準（経産省）→社会人
● 情報活用能力（文科省）→初中等
● ＡＩリテラシー標準カリキュラム（文科省）→大学
● 情報モラル（文科省）→初中等
● 高校情報Ⅰ（文科省）→高校
● ＩＴ パスポート（経産省／IPA）→国家試験
・・・さらに民間の資格、研修、大学等の講義などがわんさか！
領域？対象者？レベルは？
同じなの？違うの？何なの？

6. ぼく・わたしの思う「デジタルリテラシーっぽい何か」
のままでは、困る
デジタルリテラシーが本質的に何を指すのか不明
● タイミングや話者によって言及している能力が異なる
● そのうえ、情報技術の発展により求められる能力が常に変化
学習の定義が困難 教育の提供が困難

7. デジタルリテラシーを身に着けてほしい。
でも、できていない。
学習デザインの観点から、まず明らかにすべきこと
1. どこをめざすのか?
Where are we going?
2. どうやってたどり着くのか?
How will we get there?
3. 着いたことどうやって判定する?
How will we know when we have arrived?
ゴール 戦略 評価
参考）Smith, P. L., & Ragan, T. J. (2005). Instructional Design. J. Wiley & Sons, Inc.

8. デジタルリテラシーを身に着けてほしい。
学習デザインの理論から言える、設計時に考慮すべきこと
1. 単一ゴールへの同化ではない
the concept of “multi-literacies”
2. 授業に閉じた学びではない
non-formal/in-formal aspects of new learning
3. 偉い先生から学生が一方的に学ぶのではない
new dynamics and diversity of learners relationships
4. ペーパーテストの点数評価は能力を指し示さない
standard tests do not indicate digital competence demonstrations
参考）
Cope, B., & Kalantzis, M. (2015). A pedagogy of Multiliteracies: Learning by design. Palgrave Macmillan.
Kalantzis, M., & Cope, B. (2012). New learning : elements of a science of education. Cambridge University Press.

9. 身に着けたスキルを貯めていく
①共通の参照先
スキルの辞書
③学習成果を可視化
ポータブルに
②発展的な学習の道筋
欧州の場合、官から、①はDigiComp/e-CF、③はeuropass, ELM/EDCI
アメリカの場合、民から、①はRSD、CASE等とDESM等のAIツール。③はCLR/LERの導入が進む

10. ご質問・お問合せ
k_tanaka@kcg.ac.jp
ThankYou