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診断推論ってなんだろう? ,[object Object],[object Object],[object Object]
「胸痛」を訴える人がやってきた !     どうやって診断を考えますか?       必要な検査は?       検査結果の読み方は?  あなたならどうする?     どのような方針で診断をすすめますか?
診断に至るまでの思考プロセス ⇒臨床推論 先生たちが診断のときに何を考えているか  気になったことはありませんか?? どうすれば、 医学生が 「優れた臨床医」になれるのでしょうか? ⇒ 臨床推論を意識して、症候学を学んでみよう
診断に至るプロセス ・ステップ1 【 情報を集める】 患者さんの抱える問題点の全体像を掴む ためにいろいろな質問をする ・ステップ2 【 仮説 をたてる】 ① 患者さんの様子・特徴から ② フレームワークをつかって =>4〜5個の 鑑別診断のリスト をつくる
・ステップ3 【 優先順位 を考える】 =>リストの仲で、どれが一番可能性が高いか考える =>可能性は低くても「 見逃してはいけない病気 」   についても考えておく! ・ステップ4【仮説があっているかどうか 検証する 】 =>自分の考えた鑑別診断リストにあっているかどうか、    患者さんに質問をしながら考える。 =>身体診察を行う =>必要な 検査項目 を考える ・ステップ5 【診断仮説の 見直し 】 =>患者さんの話/診察の結果/検査結果から   自分の仮説の見直しを行う
では、実際に 一つ一つのステップについて 細かく見ていきましょう★★! ☆ まとめ☆ ・おおまかな流れは    【問題点の把握⇒仮説⇒診断】    ・出発点が間違っていると   ・・・正しい診断にたどり着けない!   【最初はすごく大事!】
STEP 1.情報収集 ① 【患者さんの問題の全体像】をつかむ    ←患者さんに 自由に話してもらう ★ 多くの場合、 主訴 が問題点となることが多い      ② そこから 焦点を絞った 情報収集を   ⇒学生はやみくもに質問しがち  ⇒ 疾患を思い浮かべながら 大西弘高    JIM 臨床推論研究の最前線  3 回目 
STEP 2 .  鑑別診断をあげよう ,[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object]
フレームワークとは? ,[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object]
医学的用語への置き換え ・患者さんの言葉は、教科書や授業で習う 【医学的用語】ではない! ・カルテには医学的用語を記載する 患者さんの言葉を「医学的用語」に変換することが必要 <例> ・ズキズキする ー>  拍動生 ・ずっと痛む  =>  持続性 の痛み ・痛くなったり、なおったりする ー> 間欠的 な痛み ・左右での症状の違いがなく同様に痛い-> 両側性 ・何時何分に症状が始まった-> 突発性 大西弘高    JIM 臨床推論研究の最前線  3 回目 
上級者向け  semantic qualifier(SQ) 患者さんに関する情報を ① 抽象化して ② 医学的用語に置き換えたもの <例>   急性か?慢性か?   片側性か両側性か?  安静時か労作時か? これらを組み合わせて 「 急性 発症の 間欠的 な 上腹部痛 」と表現する 大西弘高    JIM 臨床推論研究の最前線  3 回目 
semantic qualifier(SQ) を使えると。。。。 ・医学的に聞こえる【大事!】 ・記憶に残りやすい、疾患の想起を促す ・データベースでのキーワード検索に有用 <例> 胸痛+亜急性進行性+深吸気での悪化ー>胸膜炎     突発性+胸痛+呼吸困難+気管偏位 =>緊張性気胸     ->より正しい診断に結びつく ・よりよい症例プレゼンテーション   覚えやすいー>プレゼンでの学習効果↑ 大西弘高    JIM 臨床推論研究の最前線  3 回目 
STEP 3 .  優先順位をつける ,[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object]
現場で役立つ鑑別診断リスト ,[object Object], 頻度 重大性 ・ 睡眠不足 ・過労 ・身体表現性障害 ・高 Ca 血症 ・うっ血性心不全 ・副腎不全 ・感染性心内膜炎 / 結核 ・うつ病 ・不安障害 ・糖尿病 ・甲状腺疾患 ・ COPD
STEP 4. 仮説の確からしさを検証する   患者さんが【その疾患を持つ確からしさ】を検証する ・患者さんを直接みての印象/問診から ・身体診察から ・検査の結果から ・ 論文やガイドライン を参照する (-> evidence based medicine :EBM ) ・それらのデータから 確率を考える
【確からしさの確率】 とは?    検査や身体診察などの新たな情報をくわえ    「仮説の確からしさ」を検討していく   ->その疾患である可能性が十分高い     確定診断 (治療にすすむ)   ->その疾患である可能性が十分低い     除外診断       どちらでもない場合は新たな情報を収集   Symptom to Diagnosis   第 1 章 確からしさ 除外診断 確定診断 低い 高い   検査・治療   しない    検査する   治療する
STEP 5 . 診断仮説の見なおし ,[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object],[object Object]
もっと勉強したい人へ!! 【お勧め参考文献】 ・大西弘高  臨床推論研究の最前線        JIM(Journal of Integrative Medicine)3 回目  2005.6   VoL15   No6 ・  Symptom to Diagnosis     Scott Stern    【上の訳本】 考える技術―臨床的思考を分析する      スコット・スターン  ( 著 ),  竹本 毅  ( 翻訳 )  ・ The Patient History     Lawrence Tierney 、  Mark Henderson ( 著 ),  【上の訳本】 聞く技術―答えは患者の中にある   上・下巻     ローレンス ティアニー  ( 編集 ),

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  • 10. 医学的用語への置き換え ・患者さんの言葉は、教科書や授業で習う 【医学的用語】ではない! ・カルテには医学的用語を記載する 患者さんの言葉を「医学的用語」に変換することが必要 <例> ・ズキズキする ー>  拍動生 ・ずっと痛む  =>  持続性 の痛み ・痛くなったり、なおったりする ー> 間欠的 な痛み ・左右での症状の違いがなく同様に痛い-> 両側性 ・何時何分に症状が始まった-> 突発性 大西弘高   JIM 臨床推論研究の最前線  3 回目 
  • 11. 上級者向け  semantic qualifier(SQ) 患者さんに関する情報を ① 抽象化して ② 医学的用語に置き換えたもの <例>   急性か?慢性か?   片側性か両側性か?  安静時か労作時か? これらを組み合わせて 「 急性 発症の 間欠的 な 上腹部痛 」と表現する 大西弘高   JIM 臨床推論研究の最前線  3 回目 
  • 12. semantic qualifier(SQ) を使えると。。。。 ・医学的に聞こえる【大事!】 ・記憶に残りやすい、疾患の想起を促す ・データベースでのキーワード検索に有用 <例> 胸痛+亜急性進行性+深吸気での悪化ー>胸膜炎     突発性+胸痛+呼吸困難+気管偏位 =>緊張性気胸     ->より正しい診断に結びつく ・よりよい症例プレゼンテーション   覚えやすいー>プレゼンでの学習効果↑ 大西弘高   JIM 臨床推論研究の最前線  3 回目 
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  • 15. STEP 4. 仮説の確からしさを検証する   患者さんが【その疾患を持つ確からしさ】を検証する ・患者さんを直接みての印象/問診から ・身体診察から ・検査の結果から ・ 論文やガイドライン を参照する (-> evidence based medicine :EBM ) ・それらのデータから 確率を考える
  • 16. 【確からしさの確率】 とは?    検査や身体診察などの新たな情報をくわえ    「仮説の確からしさ」を検討していく   ->その疾患である可能性が十分高い     確定診断 (治療にすすむ)   ->その疾患である可能性が十分低い     除外診断       どちらでもない場合は新たな情報を収集   Symptom to Diagnosis 第 1 章 確からしさ 除外診断 確定診断 低い 高い   検査・治療   しない    検査する   治療する
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  • 18. もっと勉強したい人へ!! 【お勧め参考文献】 ・大西弘高  臨床推論研究の最前線        JIM(Journal of Integrative Medicine)3 回目  2005.6   VoL15   No6 ・ Symptom to Diagnosis   Scott Stern   【上の訳本】 考える技術―臨床的思考を分析する      スコット・スターン ( 著 ), 竹本 毅 ( 翻訳 ) ・ The Patient History   Lawrence Tierney 、 Mark Henderson ( 著 ), 【上の訳本】 聞く技術―答えは患者の中にある  上・下巻     ローレンス ティアニー ( 編集 ),