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レビー小体型認知症の症状の一部(出る症状・程度は人それぞれ)
薬に過敏。激しい副作用が出やすい半面、少量でも効果が出やすい
寝言が大きい。悪夢を見て叫ぶ。夢の通り激しく動く(初期)
自律神経障害 (血圧・脈・汗・体温・排泄などの異常)
立ちくらみ・失神・頭痛・耳鳴り・体の痛み・だるさ・冷え等
不眠・疲労感・気力低下・不安・焦燥・うつ・イライラ等
意識障害・スイッチを切ったように反応が悪くなる・昼寝 多い
幻覚(幻視・幻聴・幻臭・痛み等の体感幻覚)は出ない人もいる
パーキンソン病とほぼ同じ姿勢・小股すり足・転倒・体のこわばり。出ない人も
本人 になってみて
         
初めて分かったこと
2015年1月 27日  レビーフォーラム2015
患者(病人)
当事者
本 人
レビー小体型認知症「本人になって初めて分かったこと」at 認知症ラボ主催レビーフォーラム2015。(『私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活』巻末に原稿全文が)
本人になってみて
初めて分かったこと
2015年1月 27日  レビーフォーラム2015
医師も含めて多くの人が抱いている認知症のイメージ
• 脳細胞が、死滅し続ける。進行性で回復はなく、    
右肩下がりに能力が低下し続けていく。
• 知性も人格も失う。理解不能の言動で周囲を困らせる
• 「自分が自分でなくなる」一番なりたくない恐怖の病気  
•実態は全く違うと本人になって初めて知る
私 の 経 過
体調不良の波が数年。幻視。悪夢を見て叫ぶ。原因不明の痛み
不眠、頭痛、 怠感で受診。うつ病と誤診 。 (2004年)
治療開始で劇的悪化。6年間は薬の副作用で認知機能低下。
薬を止めて回復。その後再び体調が不安定に。レビーを疑い始める
幻視を自覚し精密検査。画像に出ず、診断も治療もなし (2012年)
8ヶ月後体調悪化で症状から診断。治療開始で体調改善  (2013年)
体調不良、意識障害、幻覚 など様々な症状に 悩まされる。
症状は改善できることが分かり、徐々に改善していく(2014年)
幻視など多くの症状が消え、認知機能(計算、注意力等)も改善
今の私の症状と(今はない)幻覚
自律神経障害が最も辛い。他の症状は殆どなくなった。
突然起こる意識障害。体調不良と注意力低下を伴う。  
脳貧血や風邪で発熱した時の状態に似ている。
体内に飼い虎がいるイメージ。虎は扱い次第で凶暴にも 
猫のようにもなる。仲良く付き合う方法を思考錯誤。  
幻覚は意識も思考力もある状態で起こる脳の誤作動。  
幻覚(幻視、幻聴、幻臭など)は本物と全く同じ。推理して区別する。
幻覚への正常な反応を異常者扱いされる不幸。
MT野ニューロン
• 私のMT野ニューロンのスイッチは 
時々、誤作動を起こす。 
• 私の知能とも 精神とも 人格とも     
何の関係もなく、それは起こる。                  
私の症状を悪化させた/させるもの
薬の副作用 � (誤診から処方された抗精神病薬)
ストレス��� � ��(認知症と診断される意味、幻覚など)
低気圧・気候 (雨・台風・季節の変わり目)
体の状態��� � �(疲れ、冷え、睡眠不足など)
他の病気�
私の症状を改善したもの
笑うこと。楽しい・うれしい・わくわくするもの
脳や体の血流をよくするもの(運動 特にリズミカルなもの    
ツボ刺激   体を温める アロマ 専門医が処方する漢方薬など)
心身をほぐし気持ちがよいと感じるもの      
(ストレッチ ヨガ マッサージ 指圧 気功など)
芸術:音楽・美術・ダンス等 感動するもの全て
ストレスを軽減するもの 10年程前にしたこと(認知行動療法  
自律訓練法 呼吸法 瞑想 イメージ療法 自然散策など)
介護する方に伝えたいこと
病気・薬の知識が、強力な助っ人になる
問題発生時「認知症」で片づけず、理由を考えよう
何科に行ってもリスクの高い薬リストを手渡そう
一緒に笑えば笑うほど お互いが楽になっていく
本人の凄い所、できること、感謝できることを探そう
本人が「人の役に立つよろこび」を感じているか
記録からの発見や工夫・試行錯誤を気楽に楽しもう
カメラ(視点)を反転させ相手側から。遠くから
同じ病気の方へ伝えたいこと
レビー小体型は世間が考える「認知症」とは全然違う
話すことでどんどん楽になる。ネットで交流もできる
薬に気を付けよう
笑うこと。色々な症状改善方法を気楽に楽しく試そう
誰にも分からない未来に怯えながら生きるのは止めよう
何度かできなくても気楽にまた試したらできる場合多い
遠い将来不便が増えても自分は常に自分だから大丈夫!
病気を得たら 3つのり (3S) で暮らそう!
Slow  ゆったり 心・時間にたっぷりのゆとりを持とう
Simple すっきり 身の回りや暮らし方を変えてみよう
Smile にっこり 笑顔は最高の薬 & 魔法          
小椋桂さん「余生はSimple, Slow & Steady。単純でいい、ゆっくりでいい、でもしっかり生きる」       
(日本経済新聞夕刊2014年11月15日掲載)の1つを入れ替えて。   
おすすめしたい作品・サイト
『認知症の「真実」』東田勉著 講談社現代新書 (インタビュー記事が掲載)
ブログ「レビー小体型認知症の母 突然始まった遠距離介護」しば(体験談)
「NPO 健康と病いの語り ディペックス・ジャパン」(夏までにサイトで公開)
アピの名前で私が作った本人のための掲示板「レビー小体型認知症と笑顔で生きる」
「3つの会」の掲示板(アピのハンドルネームで参加。アピはともしびの意)      
「旅のことば 認知症とともによりよく生きるためのヒント」          
慶応大学井庭崇研究室と認知症フレンドリージャパン・イニシアチブが共同作成(現在はまだ非売品)
「ためしてガッテン」『気づいて!新型認知症 見分け方&対策大公開』    
「レビー小体型認知症介護家族おしゃべり会」(「しば記者デスク」他)

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