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Er residency training 2020 3

初期研修医向け救急対応講義No.3 カルテの書き方。

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  1. 1. 救急対応 2020-3 「カルテの書き方」 秋田大学大学院医学系研究科救急集中治療医学講座 奥山 学
  2. 2. 診療録  医師法24条「医師は診療したときは遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなけ ればならない」  診療の記録  診療報酬請求の根拠  研究の資料  医事紛争上の資料  公的書類の根拠 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 2
  3. 3. カルテ記載の原則 やるべき五原則 1. 客観的で臨床に関連した事項であること。 2. 正確であること。 3. 読める字で書いてあること。 4. タイムリーに記載されていること。 5. 完成されたものであること。 やってはいけない三原則 1. 改ざんや改ざんと見なされることはしない。 2. 他の医療従事者の非難はしない 3. 患者さんや家族について、偏見に満ちた表現や感情的表現を用いない 2001年3月国立大学医学部付属病院長会議「医療事故防止策の策定に関する作業部会」 診療記録サブワーキング「優れた診療記録の作成」 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 3
  4. 4. カルテ記載の原則 医療事故に関する記録(原則として上記①②が基本になる) 1. 医療事故に関する事実を必ず記載すること。 2. 患者さんや家族への説明や、やり取りを必ず記載すること。 3. 正確で誤解の無い表現を用い、根拠の無い断定的な表現はしないこと。 4. タイムリーに記載すること。 5. 患者さんの診療に直接関係の無い病院業務に関わることは記載しないこと。 6. 反省文、他者の批判などは書かないこと。 7. 表現や感情的表現を用いない 2001年3月国立大学医学部付属病院長会議「医療事故防止策の策定に関する作業部会」 診療記録サブワーキング「優れた診療記録の作成」 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 4
  5. 5. Problem Oriented System  根拠に基づく医療(EBM)を実施するため  他の医療スタッフとの情報共有のため  患者への十分な説明と同意(IC)のため  自身の医学的・法的正当性を証明するため 診療における一連の情報・思考・行動・結果を 科学的,論理的,かつわかりやすく記載 ProblemOriented Medical Record http://www.matsuyama.jrc.or.jp/rinsyo/news/wp- content/uploads/2015/04/60747e5ec4a68f6f67b16017a9dd2f7b.pdf © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 5
  6. 6. POSの構成要素 ①基礎データ ②問題リスト ③初期計画 ④経過記録 ⑤要約記録 以上、5つの構成要素があり、この構成要素に則って記録がなさ れ、これらは常に監査・修正されます。 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 6
  7. 7. 基礎データと問題リスト ①基礎データ  患者の生活像,病歴(主訴・入院目的,現病歴, 既住歴,家族歴,輸血歴,服薬歴,アレルギー 歴を含む)  診察所見  検査データ ②問題リスト(Problem list) #1 誤嚥性肺炎 2019年5月15日 #2 高血糖 2019年5月15日→2型糖尿病2019年5月19日 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 7
  8. 8. 経過記録 主観的データ(Subjective Data)  患者が直接提供する主観的情報、患者の訴えや自覚症状。意図的なインタビューによって得ら れた情報も含まれる(SAMPLE OPQRST)。 客観的データ(Objective Data)  医師や看護師などがとり出す客観的情報であり、観察、測定値、検査結果など。判断、解釈は 含めず事実を書く。一般状態、診察所見、バイタルサイン、検査結果など アセスメント・評価(Assessment)  SとOを解釈・分析・統合し、判断、評価を述べること。 あるいは意見、印象などを記述すること。 どの様な病気か、どの様な状態か、予後はどうか等。 プラン・計画(Plan)  SOAを受けて問題解決のための計画を記述。 診断計画、治療計画、説明・教育計画。 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 8
  9. 9. 主観的データ(Subjective Data) 【主訴・受診理由】患者側の視点で今回の主題を明確にする。どうして救急外来を受診したのか?基 本的に「医学用語」に置き換える。医師側の視点で今回の診察の目的を明記する。 【現病歴】診断上最も価値の高い「時間経過」を明確にする。医師が知った順番ではなく患者に起き た順番に並び替え,かつイベントの前や間が抜けないように。キーとなる症状「痛みのOPQRST」 などを詳述。 【既往歴】既に確定している疾患の情報を網羅する。基本的には時系列で記載するが,数が多い場合 は臓器病状や治療内容,かかりつけ医なども併記。発症時期と治癒時期,後遺症の有無などを併記。 【アレルギー歴】【妊娠・出産歴】 【手術歴】過去に受けたすべての手術・処置を記載。 【内服薬】用量・用法も明記。他科や他院の処方薬,市販薬・漢方薬,サプリメント 【家族歴】重要人物(介護上のキーパーソンや濃厚接触者) 【生活歴】嗜好品:飲酒・喫煙など。生活習慣、食事・運動,排泄状況。仕事,居住地・家屋など。 週刊医学会新聞 「型」が身につくカルテの書き方https://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02985_05を改変 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 9
  10. 10. 客観的データ(Objective Data) 身体所見 【第1印象】パッと見の重篤感・ABCの評価 【バイタルサイン】 意識(JCS/GCS)→循環(BP/HR)→呼吸(RR/SpO2)→体温(BT) の順番に記載すると病態をイメージしやすい。 【全身診察】 頭頸部→胸部→背部→腹部→腰部→会陰部→四肢→神経系→筋骨格系→血管系,皮膚系 必要なもの(陽性所見、陰性所見ともに)過不足なく記載 【検体検査】尿,血算・生化学・凝固・血ガス,感染症検体等 【生理検査】心電図等 【画像検査】単純Xp、CT等 その時点で分かっているものを記載 週刊医学会新聞 「型」が身につくカルテの書き方https://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02985_05を改変 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 10
  11. 11. アセスメント・評価(Assessment)  最初に結論である「鑑別診断名」とその「根拠」を書きます。日本語特有の「理由をだらだら並べ て,最後に結論を書く」形式だと何を考えているのかが読み取りにくい。  診断未確定な状況では「鑑別診断」を最低3つ考え,さらに「重み付け」も行います。正確には definite(確定),probable(可能性高い),possible(可能性あり・50%前後),less likely (可能性低い),unlikely(否定的),ruled out(除外済み)に分ける  複雑な事例でなければ大雑把にS/O(Suspect ofの略,可能性高い),R/O(Rule outの略,可能 性低いが危険)の2段階程度で記載することも多いです。  診断名が思いつかない場合でも,どの臓器系(S/O循環器系,R/O呼吸器系など)や病態(S/O感 染症,R/O薬剤性など)を疑うのか記載すれば,診断を絞り込んでいくことは可能となります。 週刊医学会新聞 「型」が身につくカルテの書き方https://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02985_05を改変 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 11
  12. 12. プラン・計画(Plan)  治療プラン 具体的な商品名や用量・用法も明確に記載。 診断プラン 診断のための検査以外に,経過観察プラン 説明プラン Informed consentなど  「5W1H」のうち「いつ,誰が,どこで,どうやって,何をする(「なぜ」はAで記載済み)」の かを明確に。  しばらく後で実施するプランでも,その日のカルテに記載し「いつ」を併記します。そのプランの 根拠はその日のカルテのS・O・Aにしかない  複数の問題がある場合は、問題(プロブレム)ごとにアセスメントとプランを記載する 週刊医学会新聞 「型」が身につくカルテの書き方https://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02985_05を改変 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 12
  13. 13. 救急外来の特徴 外来:(1)じっくり情報収集(病歴聴取→身体診察→臨床検査)→(2)しっかり考える(指導医と相談・カ ルテ記載)→(3)動く(指示出し・処置) 救急:(1)まず動き安全確保(緊急度の評価と安定化処置)→(2)きちんと考える(原因の診断と治療) 救急対応のカルテ 救急対応では2,3回に分けてカルテを書く 思考過程が整理され抜けがなくなる。他の医療者にも病態が伝わりやすい 初期評価(SOA)→安定化(P) 安定化処置後の評価(SOA)→鑑別診断のための追加検査(P) 最終評価(SOA)→最終方針決定(P) © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 13
  14. 14. そのカルテ分かりやすいですか?  ABCDE SAMPLE OPQRSTをそのままその順番に書く  略語多数  全血液検査のコピペ © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 14
  15. 15. 例1 S 発症時刻不明だが朝から強い胸痛があり不穏のため救急 要請. 救急隊接触時,JCS3,P120・sinus,BP106/90, SpO2(room)95%とのこと. 脊椎関節炎,2次性線維筋痛症で内科かかりつけ.過去に もカルテ記載では線維筋痛症の痛みで不穏状態になった こともあるようだ.その他,脳出血後(2017年6月). 病院到着時 胸痛とのことで受け入れたが、病院到着時は、苦しい、苦し い、と過呼吸になっている。 既往歴:当院リウマチ科 アレルギー不明、妊娠なし O 血圧左159/98mmHg, 右152/92mmHg, HR=85bpm, BT=36.5℃、呼 吸数32bpm、SpO2=100%(RA)GCS13E3V4M6 気道開通、胸郭運動左右差なし、肺副雑音なし、循環不全の所 見なし 胸部XP、肺うっ血や肺炎像等なし 心エコー、心収縮良好、心嚢液貯留なし、壁運動異常なし、やや 右心系が張っている?IVCは見えず 血液ガス、pH 7.70 PO2 117mmHg, PCO2 15mmHg, Lac 30mg/dl, HCO3-=18.5mmol/L (急性呼吸性アルカローシス、) WBC 8.5 RBC 435 HGB 10.7 HCT 34.4 PLT 622 APTT 21.4 PT T 10.6 FDP 2.50 Dダイマ- 0.83 AST 21 ALT 18 ALP 253 LD 215 G-GT 43 TP 7.5 ALB 3.9 T.BL 0.7 BUN 9.3 CRE 0.68 A 139 K 3.7 CL 101 LIPASE 35 CK-MB <9 CRP 2.89 hs-TropT 0.005 GLUC 164 心電図12誘導、洞調律、ST-T変化なし 造影CT、大動脈解離の所見なし、肺塞栓や深部静脈血栓症の所 見なし A ホリゾン5mg静注で症状改善し、リウマチ科にコンサルトした(P)。 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 15 現病歴聴取不足 採血結果の羅列 アセスメント不十分
  16. 16. 例2 【現病歴】息子さんより。午前4時に仕事に出かけたときは問題なかった。 午後5時30分頃帰ってきたところ、いすに座ってぐったりしていた。部屋 の中は、ストーブがついていなく寒かった。左上肢からを流していた。玄 関のガラス戸が割れていたので、ガラス戸に転倒し、その後倒れたもの と推測された。 睡眠導入剤を過量に内服し、もうろうとすることが良くあるので今回も過 量に内服した可能性がある 【アレルギー】 なし 【内服】 飯島ファミリークリニックからドグマチール、セルシン、ゾルピデ ム酒石酸塩、カルデナリン、ユリノーム、カムシア、レンドルミン、クレス トールを処方中。【既往】 特記事項無し GCS:E4V4M6発語は可能だがslow speechであり、発語量も少ない。努 力呼吸なし。両側橈骨動脈・足背動脈を触れる。CRTは両上肢で2秒以 内。BP80/51, HR87, BT33.1, RR18, SpO2 100% 左側頭部、頬部、左上腕、左小指根部に切創を認める。 瞳孔は3mm/3mm, 対光反射正常、視野正常。上肢は離握手可能、下 肢は膝立て可能 心音・呼吸音に異常なし、頸部に血管雑音を聴取しない。 腹部は平坦・軟で肝脾を触知しない。圧痛は意思疎通困難のため不明。 ただちに温ラクテック急速輸液とサーモケアで加温開始した。切創は洗 浄後圧迫止血し、ガーゼや綿球で圧迫した ABG(room air):pH7.33, PCO2 30, PO2 103, Glu 117, Lac 117, COHb 2.0%, BE -9.1, AG 22, HCO3 15.8。血圧低下に伴い、循環不全を来している。 胸部Xp:肺野・骨・軟部陰影に明らかな異常なし。CTR56.6%、腹部Xp:結腸 中心のガス像あり。 左上腕・左小指XP:骨折を認めない、明らかな異物を認めない。 CTで明らかな頭蓋内病変、腹腔内出血、骨折を認めない。両肺背側に浸 潤影を認める WBC 19.8 H HGB 9.6 L MCV 100.7 H MCHC 32.5 PLT 173 APTT 19.3 L PT % 113.0 FDP 6.65 Dダイマ- 6.04 H AST 77 H ALT 40 ALP 175 LD 422 H G-GT 94 H T.BL 0.8 BUN 10.4 CRE 1.23 H CK 801 H CK-MB 45 H ホセイCA 9.2 IP 1.7 L NA 146 H K 2.5 L ℡済 CL 104 CRP 0.09 GLUC 111 H NH3 51 A 低体温、低血圧、意識障害 貧血、高乳酸血症、代謝性アシドーシス、高Na血症、低K血症、低P血症、 高CK, CK-MB血症 P 意識障害、左上肢切創、低体温症に対する治療が必要であり、ICUに入院 となる。rewarmingにつれて体動・発語が多くなってきている。 rewarmingを行いながら、アシドーシスや電解質異常の補正もしていく。 また切創については整形外科に。overdoseのエピソードについては精神科 に明日コンサルトとする。 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 16 搬入直後の方針がOに記載されている Pに保温後の評価が書かれている 2回に分けて書くべき
  17. 17. 例3 【主訴】転倒、顔面打撲 【現病歴】本日5時前頃、家族がドンという音を聞き、様子を見 に行ったところ階段下で鼻から出血して倒れていた。尿失禁も あった。家族によると数秒反応が鈍く、その後は正常に会話可 能であった。今回もトイレに向かう最中、階段の2段目ほどで座 ろうとしたところ滑って殿部から転倒したとのこと。意識消失は なかったと。 【既往歴】食道癌、口腔癌、糖尿病【アレルギー】なし【内服】当 院消化器内科より処 O E4V5M6 GCS15 BP120/78,HR121,BT36.1,RR21,SpO2 97(リ ザーバー8L) 呼吸音清。左右差無し。末梢冷感強い。CRT2秒未満。 鼻出血あり。口腔内血液貯溜少量。明らかな頭部外傷無し。頭 部圧痛無し。 頸部圧痛なし。自力で動かせる。痛みなし。胸郭、骨盤の圧痛 なし。背部に明らかな外傷無し。 四肢は自力で動かせる。明らかな麻痺なし。動き感覚正常。 心電図:sinus,明らかな異常なし。胸部写真:肺野クリア、心拡 大なし、縦隔拡大なし 血ガス:pH7.36,pCO2 30,pO 2179,Na131,K3.2,Ca1.04, Glu428, Lac94, HCO3 16.9, BE-7.4 A #1失神 P 神経調節性失神ではないようなので、心電図、胸部写真では 異常を認めないが心原性、起立性低血圧を考え検索していく。吐 血の可能性あり、急速輸液を行いながら厳重経過観察 A #2 ショック Pショックの原因不明、心エコー、造影CTが必要。急速輸液を行 いながら厳重に経過観察 【25分後】 S 嘔気を訴える。 O BP120/78, HR105 RR21, SpO2 100%(リザーバー6L) 末梢の冷感改善。 採血結果 WBC 10.7 H RBC 389 L HGB 11.1 L HCT 33.9 L PLT 281 BUN 8.6 CRE 0.84 GLUC 419 H 貧血無し エコー:心収縮力良好、心嚢液貯留なし、胸水なし、腹水無し 直腸指診:黄色便付着 A #1失神 心電図モニター不整脈無し、エコー所見からも心原性失神を積 極的に示唆するものなし。起立性低血圧の原因となるような貧血 無し、起立性低血圧を誘発する薬剤の内服なし A # 2ショック Pショックの原因は不明のだが、急速輸液により循環状態改善し た。 P Cr正常が確認できたため造影CT施行、大動脈解離、消化管出 血を検索する。輸液速度を緩め厳重に経過観察 © 2020 M.Okuyama Akita University Graduate School of Medicine 17
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    Aug. 7, 2021
  • YukaFujita

    Jun. 29, 2021
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    Jun. 8, 2020

初期研修医向け救急対応講義No.3 カルテの書き方。

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