1. 「トヨタの型」と
リーン製品開発
稲垣公夫

2. テーマ
２０１３年
リーン開発とは何か？
２０１４年
トヨタの型とは何か？
トヨタの型を
リーン開発の導入にどう使えるか？

3. 本に見るリーンの系譜
２００３
２０１１
２０１3
２０１２
２００７
２００７
２００９
１９９６
２０04
２００７

4. 構想設計を革新する
リーン製品開発

5. 本質的問題はこれだ
意思決定を遅らせろ
解決するまで意思決定するな
問題解決をはやくしろ
問題解決を早くしろ
問題解決を速くしろ

6. 問題解決を早くする
構想設計
詳細設計
生産準備

7. 構想設計で解決する問題とは
Success Assured
（問題解決完）
目的
事業
目的
顧客
価値
仮説検証サイクルで
問題解決
知識
ギャップ
技術
能力
技術能力

8. 構想設計で効率的に問題解決する方法
ポイントベース開発
構想設計
詳細設計
問題発見
問題解決
セットベース開発
構想設計
問題解決
詳細設計
問題解決
完了

9. ポイントベース開発の原因は
不確実性への非耐性
進化の中で身につけた本能
知識ギャップ分析
要求達成方法を知っているか
証拠はあるか
何を知らないか明確化
知ることが最優先業務
構想設計のタスク管理
アイデア
解決策

10. 構想設計で最も重要な知識
•
因果関係図
•
トレードオフ曲線

11. ゴルフドライバー
飛距離
回転数
ロフト
仰角
ヘッド重量
飛距離
クラブ
速度
球速
慣性モーメント
直進性
エネルギー
移転
直進性
ヘッド重量
打球
方向
ヘッド軌跡
ヘッド重量

12. 問題解決を速くする方法（１）
知識を小ロットで作る
素早い仮説検証サイクル
うちの製品は特殊だ
全部試作しないと…
Look
Act
LAMDA
Cycle
Discuss
Ask ?
Model
知識を速く・安く獲得する

13. ライト兄弟の創意工夫
金がないから知恵が出る

14. セットベースの知識獲得
•
•
•
安く、速く知識を獲得
広い設計空間を探索
点より線、線より面の知識
試験コスト
トレードオフ
曲線
初期コスト
設計パラメータ範囲

15. 問題解決を速くする方法（２）
問題解決をしない
過去の解決策を使う
知識の再利用
あらゆる知識をＡ３形式で共有

16. リーン開発導入の障害
開発部門は疲弊している
そんなことやってる暇はない
開発が遅れてもいいのか？
未知への恐怖
変化に対する抵抗

17. トヨタの型

18. 経営哲学の違い
•
大半の企業
顧客向けに良い製品を作る
強いものが生き残るのではない
変化するものが生き残るのだ
•
トヨタ
顧客向けに良い製品を作る方法を改善・進化させ続け
ることで長期的に企業として生き残る

19. 環境変化に適応し続けるには？
少数の人が
時々
思いつきで
大きな変化を
起こす
＜
多数の人が
常時
系統的に
小さな変化を
起こす

20. 皆が、常に変化し続けるには
新たなニューロン回路
意識改革
↓
組織文化変革
↓
行動様式変革
↓
皆が常に変化
型導入
↓
行動様式変革
↓
皆が常に変化
↓
意識改革
↓
組織文化変革
型練習
反復行動

21. トヨタの型
改善の型
コーチングの型

22. ターゲット
状態
現状
改善の型

23. 二つの思考モード
実行モード
• 計画段階
• 実行段階
問題解決モード
• 途中の道は不明

24. ビジョン
改善の型
チャレンジ
ターゲット状
態
ターゲット状
態
ターゲット状
態
障害
現状

25. ビジョン(方向性）
長期間変わらない会社の存在目的
戦略の方向性を示す

26. チャレンジ
半年〜１年後のありたい姿
『勝てる』目標
道筋はあらかじめ見えない
不可能に思えるが、
絶対不可能ではない

27. ターゲット状態の意図
できない理由
↓
どうしたらできるか
現在の知識の限界
チャレンジ
常識
思い込み
次の
ターゲット状態
ターゲット状態
未知への不安
型
現状

28. ターゲット状態への進み方
ターゲット
状態
見える範囲
次のステップ
現状
途中で予期せぬ障害
に遭遇し、それが次の
ステップの行動に影
響する

29. 平準化パターンの背後の意図
需要：Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ
８,１６，４，６，３
スケジューラー
現状→最適計画
平準化パターン
時間
今日の生産計画を達成する
平準化パターンは
ターゲット状態
問題顕在化
長期的生き残りのために
改善すべき所を知る

30. ＰＤＣＡの仮説検証サイクル
ターゲット
状態
脱常識的アイデアを実験
A P
C D
1. Ｐ：仮説設定（予測）
A P
C D
2. Ｄ：仮説を試行（行動）
3. Ｃ：結果と仮説を比較（証拠）
4. Ａ：検証されたら採用、反証されたら
１に戻る（評価）
A P
C D
現状
A P
C D
A P
C D
A P
C D

31. 実験を奨励する文化
失敗もせず問題を解決した人と、十回失敗した人の
時間が同じなら、十回失敗した人をとる。
日本人は、失敗というこ
とを、恐れすぎているよ
うである。
やってみもせんで、
何が分かる

32. コーチングの型
改善の型の教え方

33. コーチングの型とは
方向を
理解する
現状を
把握する
次のターゲット
状態を設定
次のターゲット状態
に向けて進む
弟子
毎日のコーチングサ
イクル
指導／コーチング
メンター 弟子
メンター

34. メンターと弟子
解決策を教えるな
現状の深い理解を促す
良い解決策より型に従うこと
メンター
ç√
弟子
ç√
現状
ターゲット
状態

35. ５つの質問
1. ターゲット状態は何か
2. 現在の実際の状況はどうか
3. ターゲット状態達成を妨げている
障害は何か。そのどれに取り組んで
いるのか。
4. 次のステップ（次のＰＤＣＡサイク
ルの開始）は何か。その結果はどう
なると思うか。
5. そのステップから学んだことをい
つ見に行けるか。
目標再確認
前回の実験の振り返り
焦点の確認
次の
ＰＤＣＡ実験
次の実験と
コーチングの時期確認
A P
C D

36. 「トヨタの型」の
開発革新への適用

37. 製品開発革新への二つのアプローチ
•
•
実行モード
計画フェーズ
実行フェーズ
問題解決モード
• 改善の型を使う

38. ビジョン
改善の型の開発への適用
中間目標
チャレンジ
ターゲット状
態
ターゲット状
態
ターゲット状
態
障害
現状

39. 開発革新の進め方
製品利益率倍増
•
新製品売上げ比率倍増
３年後のありたい姿
開発生産性４倍
•
ターゲット状態
•
安価な実験・仮説検証
•
障害解決
•
開発リードタイム１／３
標準化
大きな手戻りゼロ
知識再利用率３倍
社員満足度３点向上
退職率１／５
残業時間ゼロ

40. 開発革新の進め方
•
ありたい姿
•
半年後のターゲット
状態設定
•
A3を使って問題解決している
•
•
知識をA3に記録している
知識ギャップ分析を必ず行っている
•
安価な実験・仮説検証
•
安価な知識の獲得方法を常に意識して
いる
•
障害解決
•
トレードオフ曲線を使って設計解を絞り
込んでいる
•
標準化

41. 開発革新の進め方
トレードオフ曲線を
作ってみる
•
ありたい姿
•
ターゲット状態
•
モデルプロジェクトで試行
安価な実験・仮説検証
テストベッドを作る
各部門で技術A3作成
•
障害解決
•
標準化
あらゆる知識をＡ３形式で共有

42. 開発革新の進め方
組織の壁
制度
方針
教育不足
•
ターゲット
状態
トップの理解
ありたい姿
信頼不足
•
障害
ターゲット状態
見える範囲
•
安価な実験・仮説検証
•
障害は発見次第解決
•
標準化
次のステップ
現状

43. 開発革新の進め方
開発段階
•
知識ライブラリー
ありたい姿
A3
顧客関心事
A3
•
A3
ターゲット状態
情報
提案
No
•
•
A3
開発承認
Ye
s
安価な実験・仮説検証
A3
障害解決
顧客関心事
意思決定
A3
情報
A3
試験結果
A3
•
N
o
検証されたプロセスを標準化
IE
Ye
s
意思決定
A3
状況
A3 プロジェクト
インテグレーション
A3
A3
A3
A3
A3
チェックシート
情報
試験結果
意思決定
状況

44. 事例：フィリップス
現状把握
知識検索が困難
ナレッジ・マネジメント
プロセスが定着せず
主要な障害を発見し
対策を取る
ターゲット状態に向けてＰＤ
ＣＡを繰り返す

45. 追加情報源
•
開発戦略は「意思決定を遅らせろ！」（稲垣公夫）
•
トヨタ製品開発システム （Ｊライカ−、Ｊモーガン）
•
トヨタ式A3プロセスで仕事改革 （Ｊシュック）
•
Toyota Kata （M Rother）日本語訳日経ＢＰより今春出版予定
•
Toyota Kataのウェブサイト：
http://www-personal.umich.edu/~mrother/Homepage.html

46. 終わり