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About editor
- 4. One : mix tape
- 5. 00:06:13 Monday Morning Tape
- 8. 00:35:52
- 11. 01:38:51
- 17. 00:06:13 Monday Morning Tape (again)
- 21. 00:19:46 mix tape (variation)
- 31. Two : top five
- 35. 00:28:14 Top 5 Side 1, Track 1s
- 36. 01:17:40 Top 5 Dream Jobs
- 43. 01:19:53 5 top things i miss about her
- 50. Three : Records for Sale (Deleted Scene)
- 51. Three : Records for Sale (Deleted Scene)
- 52. 00:48:17
- 56. 00:48:46
- 63. 00:49:54
- 66. 01:21:18
- 67. 01:21:18 Vince and Justin
- 68. 00:19:46 Records for Sale (variation)
- 82. Four : High Fidelity
- 83. 01:46:20
Notas del editor
- 自己紹介はしなくていい
- アバウトアボーイ、ガツン！（SLAM） 英、エッセイスト・ノベリスト 1995年（邦訳1999年） 新潮版は膨大な注釈が最高！
- 原作はイギリス、映画はアメリカ 物語の内容について、ここで軽く説明する。 ↓ なぜ、この映画について話すのか？ 編集者について語ることのダサさ。おまえ何様だよ。捨てた資料・スライド（プレゼンテーション）について 自転車の乗り方と一緒で回るコマの原理や、ジャイロという原理を知っていても、自転車には乗れない。でも、乗れた瞬間、自転車を理解することができる。 みなさんには座学になりすぎないように、編集について知ってもらおうと思った。 ↓ 父「おい、お母さん」母「あんたのオカンちゃうし」 そして、僕はあまり「編集者」という肩書を使わない。編集は偉そうだし、実務・制作を疎かにする人が多いから。 僕は作家にとっての編集者であり、「編集とはなにか」は作家と僕の間の作品に対して語られること。一般論ではない。
- テープを作ることについて。 先ずは、映像を見てもらう。
- ロブ、バリー、ディック ロブのカメラ目線で、次のスライドに移っていい。 映像は2分強
- 「月曜の朝のテープをあんたのために特別に」 講義も月曜日の昼下がりであること テープを作るという文化について受講生に話すこと １０分、２０分、３０分、４０分、４６分、５４分、６０分、７４分、８０分、９０分、１２０分 ↓ さて、この映像には、三人の編集者が出てくる。彼らの共通点は、「イケてる」か「ダサい」かを自分の美意識に沿って信じていること。 「編集者とは、たとえ、世界中のすべての人が作家とその作品を「つまらない」と言っても、自分だけはその価値を理解している人」を指す。自分がいいと思うものを知っていること。 彼らはクズだけれど、音楽を愛して、自分の編集方針を疑わない。そこだけは、すばらしい。 ↓ そして、「ねえ、知ってる？」という気持ちが原始のメディアである。 自分の知っている「おもしろい」「うつくしい」ということを「世界に知ってもらいたい」という気持ちも編集者の資質である。
- もう少し、「テープを作る」ということについてスライドを見てみよう。 まずはロブは女の子を口説くためにテープを作るシーン。
- テープを作るというものは、もっとも身近な編集 （スクラッチの入ったテープ、アルバムで聞くという行為） （たとえば、写真集でも、歌集でも、エッセイでも、雑誌でも、どのような流れが必要なのかを考えることができるから。）
- テープ作りについて
- ミックステープのスライドの、もう一つのバリエーション。 流れを聞いてほしいバリー。
- 一曲目でテープを止められたバリーは、次の曲をかけてくれと言う。 彼の中での編集方針があり、流れがあったから。
- 編集というものは、棚の配置、部屋の模様替え、文章、デザイン、世界のすべての情報に美意識に基づいた秩序を作る技術。 DJ。書店員。販売員。建築家。
- 落ち込んで、現実逃避に膨大な量のレコードの棚を作り変えていたロブ。 そこにクラブに行こうよと誘いにくるディック。
- 買った順番を覚えている。
- 記憶力は知性の重要な一要素。 自分の体験や、これまでにインプットされた情報を、目録して、きちんと引き出せる状態にすれば、セレンディピティが起きる。 ロジカルの階段の先のセンスのジャンプ。 棚を「自分の歴史順」に並べようという発想が、とても編集的な思考であること ↓ ここで「One : mix tape」は終わり。この項のテーマは「編む」の基礎。「集めて」「編む」の「編む」という行為。次の項目では、「集める」ということについて話す。 （そして）僕からの自主課題については、最後に話す。
- 「トップファイブ」という単語がこの物語の中で、よく出てくる。将棋指しの目隠し将棋のような、専門的な思考実験として。たとえば……、
- 例として、A面の一曲目のトップファイブについて話す彼らの映像を見てもらう。（時間が押していたら、飛ばしていい） これらは、「集めて」「編む」の「集める」に値する行為。 日常的に、いい素材を集めるトレーニングをすること。それは、写真集であったり、雑誌であったりする。もっと言うと、目に映るすべて。 デートコースを組み立てる力でもある。美しいソファを作るためには、木を知るのと同じくらい、女の裸を知っている必要がある。
- 膨大なインプットからトップファイブを選ぶロブは、生活の中でも、その編集術を使っている。 映像を見てみましょう。
- そして、思考整理にもこのメソッドを使う。 （映像スタート）
- 「夢の職業」は書きながら考えたトップファイブ。「ローラのいいところ」は話ながら考えたトップファイブ。ナンバー１から順に言っているアドリブ感もいい。 ↓ 編集という行為は、とにかく情報を集めるところから始まり、それについて考え続けることで成り立つ。 どのような情報でもいい。それらは必ずつながる。 編集する対象が文章なら、それをとにかく読みまくること。何度も何度も読み返して、「作家が本当に書きたいことに、作家よりも先に気づくこと」。答えはいつも原稿の中にある。 編集という行為は「商業性と作家性のバランスを取る行為」である。 主観的に商業性を高め、客観的に作家性を高めること。文章の強度を上げ続けること。 この項目はこれでおしまい。「集めること」と「編むこと」については、これでおしまい。 次は、編集者の心構えについて。テーマは愛。
- この映画に出てくる男はみんなクズで、女の子が見るのはお勧めしない。あと、パートナーと一緒に見るのもお勧めしない。 しかし、彼らはみんな、「音楽を心から愛してる」。本当にそれだけは尊敬に値する。 この項目のテーマは「愛するということ」。言葉にするとチープだけれども、「愛と美意識」この二つが編集者に必要なもののすべて。
- ポイントは二つ。 まずは、このシーンの説明をすると、「旦那の浮気に腹を立てた奥さんが、彼の留守中にひと財産ある、レコードコレクションを売り払おうとする」というもの。 しかし、バリーの良心がそれを許さない。同じコレクターとして、適正価格でないと買いたくないからだ。 もう一つのポイントは、このシーンは劇場では刈り込まれたという点。どれだけいいシーンでも、必要があれば、刈り込む。これがエディターシップ。
- ロブ、バリー、ディックの三人が、忙しい店内で接客をしているシーン。 「ねえ、知ってる？」という原理原則について。まずは、バリーから。
- 次にディックの「知に対する愛情」
- 最後にロブ。
- このシーンの詳細は映像で。 彼は音楽の力を信じている。
- シーンの最後に出てくるのは、バリーに言わせると「ネオナチの悪ガキ」である、万引き常習犯の二人。 レコードショップにしてみたら、最悪の二人だけれど……、
- ロブが急いでお店に入ると、店内にグッドな音楽がかかっていたというシーン。これも詳細は映像で 愛とは作品に対する愛。 作家と作品を別に考えて、同時に愛すること。
- ネタばれになるので、ロブの「トップファイブレコーズ」というセリフの前で次のスライドに移ってもいいと思う。 万引き犯の悪ガキでも、作品がよければ、それをきちんと評価する。とにかく、作家と作品というものを同一視しないことも、とても大事な要素。 ゴッホと友達になれなくても、作品はすばらしい。
- さて、「愛するということ」について、さっき見てもらったシーンのバリエーション。
- このセリフ、最高。 浮気の旦那の音楽ファンとしてのシンパシーと同様。音楽を愛するということへの同意。
- そして、ロブが落ち込んでいるということも大事だけれど、レコードが傷むことも大事。 作家と作品を同一視しないことはとても大事。 たとえ作家が恋人や友だちでも、作品については必要なことを言う。 これで、この項目はおしまい。次が最後のスライド。テーマは、「誰のために編集をするのか？」
- 最後の項。テーマは、誰のために編集をするのか？ そういえば、この、縦ラインは各項のチャプターナンバーのような役割のデザインなのですが（気づきましたか？）4本くらい集まると、たまたまレコードの溝のように見えてきたので、うれしかったです。
- さて、これが最後のスライドです。
- 編集者がいちばん言ってはいけない言葉は、「これなら俺にも書ける」である。 自分の作品を作りたければ、自分で最初から書けばいい。編集者は作品の為に、その技術を使うこと。 ↓ 余談ですが、この映画のタイトル「ハイ・フィディリティ」の意味は、「（原音を再生する際の）高忠実度」、ハイファイ (hi‐fi)ともいいます。 これも、改めて考えるととても編集者的な言葉に思えてくる。原音の高忠実度、とは、「作家が本当に書きたいこと」と同じ意味のように思えるから。 ↓ さて、僕はこのスライドを、「編集」だけで作りました。もとの映画は、もちろん、「編集」についての映画ではありません。ただ、順番を並べ替えただけです。そこに解釈の余地がうまれる。みなさんに「編集とは何か」を語るよりも、実際に僕が「編集したもの」を見てもらいたかったからです。言葉ではいくらでも偉そうなことが言えますが、実際に「編集」という技術を見せるのは、もう少し意地が必要ですから。 ↓ 最後に自主課題を出します。 古本屋のワゴンで、コミック・エッセイ・短編・写真集・詩歌集・実用書、どのようなジャンルでもいいので、本を買ってきてください。 そして、それらを一話毎に破り（！）、ホッチキスでも、糊でもいいので背を綴じて製本してください。 音楽を「ミックステープ」にするように、書籍を「ミックスブック」にしてください。 そして、それは誰かのために作ってください。自分でもいいですが、誰かのために。 テープ作りには編集の基礎が詰まっています。ぜひ、チャレンジしてみてください。