Más contenido relacionado La actualidad más candente La actualidad más candente (20) Similar a リハ栄養の基礎 潤和発表用 (20) リハ栄養の基礎 潤和発表用11. 栄養の基礎 ~同化と異化~
同化
生体内でエネルギーを用いて、糖質・脂質・タンパク質・
核酸などを合成する過程で、細胞の成長やすべての組
織、臓器の維持に必要。
同化がなければ筋肉などあらゆる生体構成成分を合成
できず、生命として成立しない。
12. 栄養の基礎 ~同化と異化~
異化
糖質・脂質・タンパク質などを分解して、エネルギーを得
る過程といえる。
食事からエネルギーを得る過程、生体構成成分を壊して
エネルギーを得る過程も異化である。
13. 栄養の基礎 ~同化と異化~
同化 異化
グルコース → グリコーゲン グリコーゲン → グルコース →解糖 → ク
エン酸回路
アミノ酸 → タンパク質 タンパク質 → アミノ酸 → クエン酸回路
脂肪酸 → 中性脂肪 中性脂肪 → 脂肪酸 → クエン酸回路
20. 筋肉の萎縮と肥大 ~萎縮~
筋萎縮の原因は色々ある。
原因 状態
廃用性 疾患などのために活動性や運動量の低下した状態が続くこ
とで生じる、二次的障害である。
原疾患性 神経筋疾患、運動器疾患、内分泌疾患など原疾患による筋
萎縮である。
飢餓性 不適切な栄養管理などでエネルギー消費量と比較してエネ
ルギー摂取量が不足している。
サルコペニア 加齢等により生じる筋肉量の減少であり、老年症候群のひ
とつといえる。機能低下を伴う。
悪液質性 慢性疾患やガンなどの、慢性消耗性疾患をベースとして直
接的、二次的に生じる筋萎縮である。
25. 筋肉の萎縮と肥大 ~サルコペニア~
骨格筋減少症
加齢により同化より異化が亢進している状態。
混合した因子(テロメア消失によるDNA自体の寿命、酸
化、フリーラジカル・活性酸素による細胞破壊、アポトー
シスだけでなく、ユビキチンプロテアソーム系、オートファ
ジー、ミオスタチン-Smad3系等)が混在している状態。
Nutritional recommendations for the management of sarcopenia.J Am Med Dir Assoc. 2010 ;11:391-6.
59. 客観的評価 BMI
判定
低体重 :18.5未満
普通体重 :18.5以上25.0未満 (22が理想とされる)
肥満(1度) :25.0以上30.0未満
肥満(2度) :30.0以上35.0未満
肥満(3度) :35.0以上40.0未満
肥満(4度) :40.0以上
79. 機能評価 形態測定
上腕周囲長
上腕三頭筋皮下脂肪厚
下腿下腿周囲長
計算して出せるもの
上腕筋面積 など
http://www.long-life.net/np142.htm
91. 栄養投与量の決定 脂質投与量
エネルギー効率が良い(9kcal)。
総エネルギーの15~40%、1g/kg/dayが推奨されるが、
一定の基準もない。
脂質はエネルギー基質になるだけでなく、細胞膜の構成
成分やステロイドホルモン前駆体、脂溶性ビタミン担体
や脂質メディエーターの生成に必要となるため大切。
必須脂肪酸は生体内で合成されないため、食物からの
摂取が必要。
98. 注意点 リフィーディング症候群
リスク因子
予測値の70~80%の熱量投与から開始。
電解質やミネラル等、適宜モニターしながら徐々にアップ。
★慢性的な栄養障害
★3~6ヶ月内の体重減少率が重度
★極度の痩せ型(BMI)
★血清リン・カリウム・マグネシウム低値
103. 疾患別 慢性腎不全(CKD)
酸化ストレスや慢性炎症による異化亢進状態。
体内への過度な貯留を防ぐため、NPC/N比にもとづい
たたんぱく質の制限、水分や塩分、カリウム制限が行わ
れる。
低栄養によるたんぱく量の減少を防ぐため、27~
29kcal/dayの十分なエネルギー量を確保する。
JSPEN 静脈経腸栄養ハンドブックよりhttp://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kid/calc_egfr.html
105. 疾患別 糖尿病(DM)
血糖および体重コントロールが必要。
標準体重1kgあたり25~30kcalを目標
(活動度に応じて)。
グリセミックインデックスの低い食品を推奨。
食物繊維には胃や小腸での吸収遅延があるため、食後
の糖やコレステロールの低下作用がある。
高浸透圧性高血糖や低血糖に留意。
JSPEN 静脈経腸栄養ハンドブックより
106. 疾患別 精神疾患
拒食症…意図的な体重減少。
過食症…持続的な摂食への没頭と食物への渇望。
うつ …意欲・興味・精神活動の低下。
向精神薬の影響
・抗うつ薬 ・・・吐き気・便秘・下痢
・抗精神病薬・・・便秘・錐体外路症状・嚥下障害・口渇
・抗パーキンソン病薬・・・便秘・口渇
・抗認知症薬・・・吐き気・下痢
108. 症例検討 基本情報
患者名:栄養 太郎さん
診断名:脳出血、仙骨部褥瘡
障害名:右片麻痺
年齢:75歳
性別:男性
身長:164cm
現体重:47kg (搬送時体重:52kg)
発症後一ヶ月経過し、状態も安定してきたため回復期リハビ
リ病棟へ転科となる。嚥下障害があり、経鼻胃管により流動
食400kcal×3回/日投与していた。仙骨部には10cmの黒
色壊死あり、デブリ実施。排膿あり、ガーゼ交換は2回/日で
ある。意識障害も改善してきており、VF評価後、ミキサー固
形食での経口摂取開始されている。
109. 症例検討 血液生化学データ
検査項目 測定値 検査項目 測定値
白血球 13200mm3 赤血球 405×104/mm3
総ビリルビン 1.4mg/dL ヘマトクリット 35.4%
直接ビリルビン 0.8mg/dL ヘモグロビン 12.4g/dL
ALP 455IU/L 総たんぱく 6.2g/dL
GOT(AST) 57IU/L アルブミン 3.4g/dL
GPT(ALT) 80IU/L LDH 87IU/L
γ-GTP 306IU/L HDLコレステロール 25mg/dL
クレアチニン 1.1mg/dL Na 129mEq/L
血糖 112mg/dL Cl 96mEq/L
CRP 1.5 Fe 47μg/dL
Zn 62μg/dL
111. 症例検討 客観的評価
BMI =17.5(痩せ形)
標準体重比
標準体重は、身長(m)2 × 22 = 59.17kg
現体重÷標準体重×100=79.4(%)
…中等度の栄養障害疑い。
体重の変化率
(搬送時体重-現体重)÷搬送時体重×100=9.6(%)
…中等度以上の栄養障害疑い。
117. 症例検討
TEE + 運時時エネルギー消費量 + (蓄積量)
or
運動・蓄積分を考慮した活動係数の設定を行ったTEE
足りているか?
127. One for All, All for One!
https://fisher.osu.edu/blogs/gradlife/2012/03/28/be-a-team-member/
Notas del editor まずこの写真を見て、どう思いますか?これは1992年のアフリカ(ソマリア・スーダン)内戦時の写真です。武装集団により家畜や田畑を燃やされた、飢餓に苦しむ農村の人の写真です。ひどく痩せており、ああ、このままじゃあ死んでしまうなと感じますよね。病態や機序は違えど、同じような状態が、体の中で起こっているのが患者さんです。調査によると急性期や回復期、老健施設に入院入所中の5割以上の方に低栄養を認めたとの報告もあるようです。このような患者さんを目の前にして、筋力訓練をする人や、動作訓練を積極的に行おうとは、直感的に思わないと思います。そして、どのようにリハビリを進めていけばよいのか、一度は迷い考えた事があるだろうと思います。 一日3本のポカリだけで、数日、数か月間生活してみたことはありますか?想像してみてください。維持液と言われる3号液は、生理食塩水を薄めたものにブドウ糖や電解質等を加えたものですが、大体ポカリみたいなものです。ポカリ一日3本で生活している状態で、「さて、頑張って立って歩きましょう!リハビリしましょう!」と言われたら、どう感じるでしょうか。 ではどうすれば良いのか。体が弱ってるから、寝かせとくのかというと、違いますよね。僕らはそれでもリハビリを行っていかなければなりません。ではどのように進めていくのか…ですが。機能的訓練やADL動作訓練の負荷量でいえば、血圧や脈、酸素飽和濃度といったバイタルサインのチェックをしながら、呼吸・循環部門のマニュアル的な負荷量に沿いながら、経験もあわせて進めていっていると思います。また、そこからの細かい調整は経験的なものであったり、感覚的なもので進めている部分もあるのではないかと思います。ただし、それでもどの程度どれくらいの負荷でやってけばいいのか迷う場面も多く、リハビリに関しても足りないのか、やり過ぎなのかのラインの見極めがうまくいかず、そしてそれらは経験的な要素で実施している部分もあると思います。今回はそのラインを少しでも性格に見極めるために、そしてより良く患者さんたちを導いていくためのひとつとして、栄養面からフォーカスを当て、関わるスタッフひとりひとりが少しでも基本状態の異常にきづく視点を持ち、チームで状態を適切に評価し、適切な基礎状態の治療を行いながら、適切なリハビリテーションを進行していく方法を考えていきたいと思います。 細かいところまでになると、どうしても僕らセラピストには隣の畑状態ですから、最低限把握しておけば良い部分をおおざっぱに簡単にまとめてみたつもりです。 増えればどんどん肉が付きますし、減れば最後は骨と皮です。 じゃあ異化が進むとどうなるかというと、死です。 これは皆が学生時代に習う有名なTCA回路(クエン酸・クレブス回路)ですが、炭水化物がブドウ糖に分解され、グルコースに分解されさらにピルビン酸になり、AT値で御存知の好気的解糖下ではミトコンドリア内に入ってクエン酸回路、そして電子伝達系を経て、38molのATPが作られますが、嫌気的解糖下では乳酸ピルビン酸が乳酸となり、2molのATPしか作られないという有名なものです。そして何らかの原因でエネルギーが必要になると、肝臓に貯蓄していたグルコースを使いますが、それも1日程度しか持ちません。じゃあどうするかというと、脂質やたんぱく質を分解してそこから糖を作り出して、エネルギーを得ようという働きが生じます。例えば病気や怪我、手術の際にも糖を作り出そうという働きが活発になります。侵襲時は脂肪もたんぱく質も分解されるのですが、どちらかというとたんぱく質を消費しやすく、飢餓時は脂肪を消費しやすい特徴もあります。ちなみにビタミンB1はピルビン酸をミトコンドリア内に運んでアセチルCoAに変換する役割を持っているので、ビタミンB1不足になると乳酸回路しか働かず、脚気やウェルニッケ脳症になります。 単純に運動量が足りないからとか、寝かせてたからという原因だけではなく、病的な筋萎縮もあるということです。 真核生物に見られる機構で、細胞内での異常なタンパク質の蓄積を防いだり、タンパク質の過剰合成時、栄養環境が悪化したときに、タンパク質の自食を行いリサイクルを行う。エネルギー枯渇時、肝臓の糖が枯渇し、脂肪代謝へと変わっていく。そして、筋肉や内臓のタンパク質も分解されていく。
加齢により生じる筋肉量の減少では、20~30歳頃にピークを迎え、30代から徐々に筋肉量が減少する。50代以降では筋肉の減少が速くなり、80歳ではピーク時の約半分まで減少するといわれている。決定的な診断基準はなく、正確な判断は難しいとされる。65歳以上でサルコペニアの可能性あり、80歳以上でサルコペニア疑いとして考える医師もいる。
ちなみにごく最近、サルコペニアにはユビキチンプロテアソーム系は関連しないという報告が有名雑誌に出たばかりのようですが。 原因疾患には、感染症(結核、AIDSなど)、がん、関節リウマチ、慢性心不全、慢性腎不全、慢性閉塞性肺疾患などがある。
分解系とは、ユビキチンプロテアソーム系です。 また、抗うつ剤や抗がん剤の副作用による悪心嘔吐感や、非ステロイド薬による消化管粘膜障害などから来る食欲不振など、薬剤性の影響も入ってくると思われます。 機械的刺激や筋傷害により、基底膜の間にある筋衛星細胞(サテライト細胞)が活性化する。サテライト細胞の活性化が起こると予定筋芽細胞が筋芽細胞へと成長し、筋芽細胞の集合と結合が起こり、筋管細胞ができ、筋繊維が形成されていく。伸張性運動のほうが大きなメカニカルストレスによりサテライト細胞を活性化し、短縮性運動よりも筋肥大や筋力増強に効果的との報告もある。
成長因子は組織局所で分泌、作用する。
これらは成長する細胞自身から分泌され、自身や周囲の細胞に作用するため、傍分泌または自己分泌機構(オートクライン)とよばれている。
これまではインシュリン、成長ホルモン、テストテロンといったホルモン物質が肥大をもたらすと考えられていたが、最近の研究により、それらがなくとも筋肥大が起こることが明らかになっている。
成長因子とホルモンの増加は一致しないので、肥大のメカニズムは別のものであると考えられている。
これはわかりやすい図があったので転用させてもらっています。炎症が起こった際の一連の反応で、反応の上流から下流まで描かれたカスケード反応です。関係ない話ですが、このカスケード反応のどこに作用するかで、NSAIDsとステロイドは異なりますよね。また、副作用で胃潰瘍等や血液サラサラ等あるように、それぞれの酵素は胃酸分泌や凝固作用等の別の作用も担っているので、一部の作用を阻害すれば、言葉の通り他の作用まで阻害され、副作用が出現します。 傷害期…短いが、エネルギー消費が低下する。異化期…筋肉のタンパク質や脂肪の異化で、治癒反応への内因性エネルギーが供給される。適切な栄養療法で一部異化の抑制が可能。同化期…適切な栄養投与と運動療法にて筋タンパク質が増加する。筋力や体力の改善が目標。若林先生によると、CRPが5以上の時を異化期、3以下の時を同化期と判断すると言われていました。 エネルギー源と新たな糖新生のために糖質代謝が進むが、肝臓に蓄えられたグリコーゲンは24時間内で枯渇する。そこで、肝臓での乳酸とアミノ酸から糖の新生が促進される。たんぱくの崩壊が進む。高血糖状態となる。異化ホルモン(グルカゴン・アドレナリンやコルチコイド)、インスリン抵抗性、サイトカイン、エイコサノイド、活性酸素などを含む炎症性液性メディエーターによって、筋や脂肪、皮膚組織の異化によって治癒反応へのエネルギー気質を供給し、またアミノ酸は急性相たんぱくを介して治癒を促進させる。脂質代謝も亢進し、アドレナリンにより脂肪分解が促進され、脂肪(脂肪酸とグリセロールのエステル化したもの)が糖新生に必要なグリセロールや脂肪酸(どちらかというと糖新生のエネルギー源として)の濃度が上昇、呼吸商(その物質の燃やす酸素と、出てくる二酸化炭素の比)も低下する。ちなみに、侵襲下では必須アミノ酸の中のBCAA(分岐鎖アミノ酸が骨格筋でさかんに利用され、損傷した組織たんぱくの合成の基質として利用される。肝障害時にはBCAA産生が低下しAAAが増加するため、フィッシャー比が低下する。 飢餓時には血糖を下げる必要なくなりますのでインスリン分泌低下と、逆に糖を合成しないといけないのでグルカゴンやアドレナリンなどのカテコラミンの分泌増加が起こります。脳や赤血球のエネルギー源でもあるグリコースは、グリコーゲン分解でまかなわれますが、その肝臓の貯蓄された糖は枯渇し、脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解した糖の合成が進みます。長時間になってくるとインスリン分泌はさらに低下し、筋の分解や脂肪分解(グリセロール)、嫌気的解糖により得られた乳酸を利用した糖新生によってグルコースは供給されます。よって、たんぱく分解によるアミノ酸中の窒素も尿中に多く排泄されて見られるようになります。代謝率は抑制され、また脂肪酸のβ酸化亢進とグルコース酸化抑制により、肝臓でのケトン体産生が亢進し、ケトン体により脳などの神経系や筋のエネルギーとして利用されます。ケトン体利用により筋の分解作用も2/3に抑制され、たんぱく喪失も抑制されます。代謝率は低下し、体重減少によりエネルギー必要量も低下し、活動量も低下するため、総エネルギー必要量は通常よりも減少します。行く末は、最初にお話しした通りの結末を進みます。脂肪酸化は呼吸商下がりますが、実は運動選手や長距離選手の代謝も、脂肪代謝有意になってるらしいです。呼気ガス計で吸う酸素と吐き出す二酸化炭素の量を測って計測できるようです。(REE測定にも利用) ただし、急性相たんぱくは低下するようです。 まあ浸透圧の話ですね。逆に濃ければ反対の動きになって、血管内の水分が増えて駆出のために血圧が上がったり、尿が増えたり下痢になったりという話です。静脈に濃ゆい液を入れると静脈縁になったりもしますよね。ちなみに物質の移動は中膜のない毛細血管レベルで行われます(どうでもいいですね)。 写真は、岡山県の清音(きよね)クリニックの長谷先生という方が、白雪姫プロジェクトという団体内で語られていたホームページの画像です。いいなと思って転用してます。 2日間絶食状態が続くと、腸に生体侵襲が起こってくる。さらに絶食3日後には腸に虚血や出血が起こり得る。また腸の壁である血管内皮細胞に障害が起きてくる。 可能な限り、なるべく早期の経腸栄養や経口摂取開始が望まれます。 廃用症候群とは、疾患のために活動性や運動量の低下した安静状態が続く事で、全身の臓器に生じる二次的障害の総称です。診療報酬上は、外科手術や肺炎等の治療時の安静があり、治療開始時にFIM115点以下、BI85点以下の状態を廃用症候群としています。また、重症状態の治療後、たとえば多臓器不全や急性増悪、鎮静剤投与などの治療後に、ICU無力症(Insentive集中的 care unit acquireケアユニットにより獲得される後天性の、無力症)というものがあり、実際には安静臥床のみで廃用症候群が生じることは少ないとされ、安静臥床に加えて低栄養やサルコペニアを合併することが多いとされます。よって、高齢者の廃用症候群に対して栄養を考慮せずに機能訓練だけをガンガン行うことは、かえって低栄養やサルコペニアを増悪させる可能性もあります。横浜市立大学の若林先生の調査報告によると、入院中に廃用症候群と診断された者の9割に低栄養状態を認め、そうでない者に対してBMIの低下、総たんぱく、アルブミン、ヘモグロビンが有意に低く、廃用症候群の程度が重い者ほど総たんぱくやアルブミンの低下が見られたという報告があります。
そして廃用症候群の4割にエネルギーバランスの崩れた飢餓状態を認め、8割に侵襲があり、3割に悪液質を認めるとの事です。 サルコペニアとは、狭い意味では加齢の影響のみで生じる原発性サルコぺニア、広い意味ではすべての原因によって生じる二次性の筋肉量減少、筋力低下、身体機能低下を意味しています。 加齢のみが原因の場合を原発性サルコペニア(=狭義のサルコペニア)といいます。広い意味での筋肉消耗(ミオぺニア)とも捉えられるでしょう。高齢者においては,筋蛋白質同化刺激による筋蛋白質の合成促進反応と分解抑制反応が減弱しているために,サルコペニアが起こると考えられています。活動,③栄養,④疾患が原因の場合,二次性サルコペニアといいます。入院患者では,複数の原因による二次性サルコペニアが多く認められます。二次性サルコペニアのうち,活動に関連したサルコペニアは,安静,臥床,無重力などによって生じます。廃用症候群,廃用性筋萎縮はここに含まれます。また,禁食すると,嚥下筋のサルコペニアが認められるとの報告もされています。ちなみに、頸部骨折などの外科手術後などの侵襲後に舌や嚥下筋のサルコペニアがみられたという報告もありました。 患者の身体において,サルコペニアはどのように進行するのでしょうか。3つの悪循環が,サルコペニアを進行させると考えられています。・筋肉量が減少し,体動が減少,制限されるため摂食能力の低下,低栄養の進行,蛋白合成の障害を来し,サルコペニアはさらに進行します。そして次に、サルコペニアにより運動能力が減少すれば、転倒や転落の機会が増加します。そしてその結果骨折を来すと,体動が減少,制限されサルコペニアがいっそう進行します。さらに,アミノ酸プールの減少により,病気や外傷などで蛋白必要量が増加した場合の対応能が低下します。そのため病的状態からの回復が遅延しサルコペニアはますます進行するのです。廃用症候群は,入院リハビリテーションの主要な対象障害の一つです。廃用症候群というと単なる安静や臥床による廃用性筋萎縮と考えられがちですが,実際には多くの高齢者が原発性サルコペニアを合併している可能性があります。また,栄養面では,廃用症候群の91%の患者で低栄養を認めたという報告があります。さらに,廃用症候群の原因疾患とし大半の患者に「侵襲」が,一部の患者に「悪液質」が認められます。つまり,廃用症候群の患者には,サルコペニアの4つの原因すべてを認めることが少なくありません。同様に,誤嚥性肺炎の患者でも4つの原因をすべて認めることがあります。これらの原因が重複して悪循環を引き起こした結果,四肢体幹の筋肉や嚥下筋のサルコペニアが著明となります。この悪循環を断ち切ることが,サルコペニアの治療では重要なのです。 本は日本離床研究会の鉄板的な本で早期離床マニュアルという本ですが、これは私も参考にさせて頂いたこと多数ありです。状態を見ながらですが、なるべく早期の離床や栄養ケアを行っていくことが大切です。活動に関連したサルコペニアでは,不要な安静や禁食を避け,少しでも早く離床や経口摂取を行うことが大切です。入院患者では「とりあえず安静,禁食」と指示されることがありますが,医学的にみて本当に安静や禁食が必要かどうか検証することが必要です。不要な安静や禁食の結果,寝たきりや嚥下障害(誤嚥性)になることは避けなければいけません。栄養に関連したサルコペニアの治療に必要なのは,適切な栄養管理です。筋肉量が少ないからといって栄養を考慮せず筋力トレーニングを行っても,この場合,筋肉量は減少する可能性が高いです。 私はPTなので、セラピスト目線に偏った内容になってしまう点はご容赦ください。 ちなみにMNA-SF(Mini Nutritional Assessment-Short Form)は、簡易な項目なのですが、項目内に「自力で歩けますか?」「過去3カ月で精神的ストレスや急性疾患を経験しましたか?というものがあったり、さらに「神経・精神的問題の有無」という項目があるため、脳卒中後のリハ患者は、それだけで低栄養の恐れありに該当してしまう可能性があることに注意しなければなりません。 これが基本です。年齢・身長は最初に測れば済むので、体重は経時的に必ずつけていく必要がある。 体重1kgあたり25~30kcalとする簡易式もある。 朝食時が熱産生が大きく、夜間が一番少ないので、夜間は太りやすい。タンパク質が熱産生大きく、脂質が一番小さいので、脂質は太りやすい。 周径については、簡易な指標として、毎月取れるレベルと思われる。体脂肪量の目安となる皮下脂肪厚は、キャリパーがあれば簡単にとれるはず。上腕周囲長の数値と三頭筋皮下脂肪厚から、推測上腕筋面積も計算できる。上腕筋面積の方が、脂肪厚よりは重要である。上腕周囲長では、5歳以下では誤差が出やすく妥当性が低いという報告があることや、下腿周径では浮腫の影響を受けやすいなどある。 現実的には、院内レベルであれば簡易な握力や歩行速度、TUGテストなどを指標として利用しても良いと思われる。握力も簡易に測れる指標で、全身筋力の指標として利用される部分もあり、相関も報告されていた記憶があります。また、握力と咽頭筋力には相関があったようで、握力が低い人は梨状窩への食物の残留が多くみられたという報告もあります。 日本の健常成人の不可避的たんぱく喪失量は、体重1kgあたり0.34g/dayとされています。平均よりは安全域を確保して0.44g/day、また食物中のたんぱく質利用率は最大でも70%であることより、0.44の130%の値の0.57g/dayを基準としています。図は、各栄養素1gあたりの熱量の図ですね。たんぱく質は1gあたり4kcalの熱量があります。 タンパク質が多すぎると、主に腎臓での窒素排泄能力を超えてしまい、血中に溜まってしまって高BUN血症や高アンモニア血症を引き起こす可能性がある。逆にたんぱく質やそのエネルギーが少なすぎると、喪失したたんぱく質の補充自体が行えなかったり、利用に必要なエネルギーが不足し、それまかなうためにタンパク質を分解したりし、筋肉や内の臓機能や構造の低下を招きます。腎不全患者では300~500が目標となる。 実際には他の添加物の数値も入ってくるとは思います。大塚製薬が発表しているNPC/N比では64となっています。 長鎖脂肪酸の中の、二重結合が2個以上ある多価不飽和脂肪酸のうち、二重結合の位置がメチル基から数えて6番目にあるω6系多価不飽和脂肪酸と3番目にあるω3系脂肪酸は、リン脂質として細胞膜などの構成成分となり、脂質メディエーターの生成に関与する必須脂肪酸であり、生体内では合成されないため、欠乏症を防ぐために投与は基本であるらしいです。ω6系のリノール酸やアラキドン酸は大豆油、ω3系のエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸は魚油などに含まれているようです。 脱水量が1リットルに満たない場合や、浸透圧が290より高くなっている場合などは脱水を疑い、水分投与量を体重1kgあたり35mlに設定するなどします。 ほとんどの栄養素は空腸で吸収されるが、12指腸~空腸上部では鉄やカルシウム、回腸ではビタミンB12や胆汁酸、大腸では水分や電解質の大部分が吸収される特徴がある。よって、それぞれの部位が障害されたり、PEG-Jなど、投与部位によって吸収障害が起こり、様々な欠乏症状が出現する事にも注意する。胆汁酸の欠乏で胆汁酸プールが低下し、脂肪の吸収障害が起こることもある。吸収されない脂肪や脂肪酸がカルシウムと結合し、シュウ酸がシュウ酸化カルシウムになれずにそのまま大腸から吸収され、尿路結石の原因となることもある。また、他部位で修飾されることにより吸収される栄養素もあるので、注意する。たとえば、胃が切除されると胃の内因子と塩酸の存在下で回腸で吸収されるビタミンB12や、空腸上部で吸収される葉酸の吸収障害が起こり、合併症であるダンピング症候群や貧血等の合併症をきたす。また、膵臓切除により膵リパーゼが低下することで脂肪の吸収障害が起こるなどあります。 栄養療法の重篤な注意点のひとつに、リフィーディング症候群というものがあります。
飢餓状態では、グルコースが減少し、インスリン分泌も低下した状態で、脂肪組織がエネルギー(ケトン体)として使用される。
急激な栄養補給により、急激なグルコースの細胞内取り込みと共に、リン・カリウム・マグネシウムなどの電解質・ミネラルも取り込まれる。
電解質・ミネラル低下による各種症状、血中のリンが欠乏によるATP合成阻害で臓器障害が引き起こされ、最悪は心停止を含む致死的合併症を引き起こす。
β遮断系薬やジギタリス製剤による倦怠感・食欲低下、利尿剤による低Na,K血症による疲労・食欲低下、抗コリン剤による口渇による摂食機能低下など。②塩分制限による味の損ないによる食欲低下、水分制限による口渇による摂食機能低下③炎症性サイトカインの急増による病態や、治療のための安静から来る嚥下関連筋の萎縮、仮性球麻痺様の症状④運動耐久性の低下に伴い易疲労性となり、食事動作自体が困難になる。⑤心不全により末梢循環不全となる。肝血流不全や肝うっ血による肝障害により、たんぱく異化亢進が起きやすい。消化管では蠕動運動低下や消化管浮腫による吸収障害を起こしたりする。⑥左室拡大により二次的に僧帽弁閉鎖不全を起こし、僧帽弁逆流をきたすことがある。逆流により左心房の拡大を招き、近接する食堂が圧迫を受け、症k同期の通過障害をきたすことも指摘されている。
栄養・運動プランとしては、慢性心不全における適切な栄養管理については、まだ具体的に示されていはいないようです。3日で2kg以上の体重増加は心不全の急性増悪を疑いますが、るい痩を起こしやすい分、適切な体格を維持するという視点は大切になります。急性増悪期と安定期でわけて考えられる部分もあり、急性増悪期では25~30kcal/kg/日もしくはリフィーディング症候群の可能性があればそれ以下より経静脈や経鼻胃管で開始され、オーバーフィーディングによる糖毒性による多臓器不全の予防や、消化管浮腫による下痢や嘔吐に注意しながら進められるようです。安定期ではるい痩予防に塩分や水分調整を行いながら、やや割高なエネルギーを負荷する考えもあるようです。運動については寺島らの報告にあるCRP3以下になれば開始するなど、急性増悪期を脱した時期からベッドサイドでリハを開始し、BNP(400以上は低負荷)等の血行動態を見ながらVorg11~13で調整しながら、シャキアや舌訓練など関接的嚥下訓練や、下肢筋力訓練などを実施する。 平成6年の調査によると、COPD患者の約7割で体重減少がみられ、さらに約40%に中等度の体重減少率を認めたと報告されている。BMIや気流制限、呼吸困難、運動能を数値化したBODEインデックスというものがCOPDの予後予測に使われており、除脂肪体重が予後予測の判断因子となるなどしており、大切な指標である。COPDは換気効率が低下し呼吸数が増える事により、呼吸筋の仕事量や酸素消費量が増加することで、エネルギー必要量は健常人よりも亢進していると報告されており、予測REEの1.4倍、通常呼吸に必要なエネルギー消費は36~72kcalであるのに対して、430~720kcal/日必要であるとの報告もあります(サルコペニアの摂食嚥下障害より)。栄養障害は骨格筋や呼吸筋量の減少や、免疫能の低下に繋がり、コラーゲンなどの細胞外基質や肺胞表面を覆うサーファクタント(生体界面活性剤)の産生低下による肺の構築部破壊にも関連します。
大きなエネルギーが必要となるが、REEの1.3倍以上は二酸化炭素蓄積の可能性があるという報告もあるため(ASPEN)、やや脂肪にシフトした栄養補給にするなど工夫する。1日4~6回の分食を進め、炭酸飲料などの消化管でガスを発生する食事は避ける。BCAAの多い食事をして、筋たんぱく量の維持に努める。食事の用意も労作による呼吸困難感が出現しやすいので、食事前に休息をとったり、半調理食品などで調理は簡単に済ませるなどの工夫も必要となる。栄養治療だけで運動能やQOLが改善するという報告はないが、運動を行い栄養がおろそかになると、運動の効果は減少するという報告はあるので、栄養と運動の適度な組み合わせが大切だと思います。 腎臓といえば尿の生成と排泄を通じて体液の量と組成の恒常性を保つことが大きな働きになりますが、これが障害されています。透析患者は潜在的心不全状態で貧血もある。心血管病の発症や、腎機能の低下を予防することが必要である。腎不全は酸化ストレスや慢性炎症に起因する異化亢進状態で、さらに透析療法自体が炎症を惹起する。炎症と栄養障害は関連しており、低栄養や炎症複合症状をきたす。不適切なエネルギー・たんぱく質摂取、尿毒症性物質蓄積によるニューロ・ミオパチーと食欲低下、代謝性アシドーシスによるアルブミン合成障害、たんぱく異化亢進などさまざまな因子が複雑に関連している。
急性腎不全と慢性腎不全でで分けて考える必要がある。一般的にはBUNやクレアチニン値、糸球体ろか量を表すクレアチニンクリアランス値によって評価される。急性腎不全の場合は進行が急速であり、BUNやクレアチニンの上昇は遅れてみられることが多いため、十分な輸液にも関わらず尿量が一日1000ml以下の際は急性腎不全として持続腎補助療法を含めた治療を展開する必要がある。
腎不全においてはたんぱく・アミノ酸代謝異常が存在し異化亢進状態である。また酸塩基平衡や水・電解質代謝異常、糖代謝異常などの異常がみあれ、体液恒常性の維持が困難である。
慢性腎不全においては、たんぱく尿やの減少や糸球体過剰ろかの抑制、腎の硬化を促進するサイトカインの発現抑制などの腎機能低下抑制効果や、同時に、腎毒性物質の産生や高P・K血症、代謝性アシドーシスの抑制を目的にたんぱく制限(0.6~0.8g/kg/day)が行われ、低たんぱく食が推奨されている。NPC/N比は大きめの300~500で調整される。また、進行度に応じて、排泄障害により体内への水分貯留を防ぐための水分制限を、脱水や腎血流量の減少に注意しながら実施、一日6g以下の塩分制限、カリウムの制限も行われる。ただし、低栄養による体たんぱく量の減少を防ぐため、27~39kcal/kg/day程度の十分なエネルギー量を確保する。これが透析患者になると、たんぱくの喪失が激しいため、や1~1.2g/kg/dayとやや多めのたんぱく質の摂取が推奨される。
急性腎不全ではHB式で算出したBEEに10%程度エネルギーを上乗せして投与するが、生体侵襲に伴うインスリン抵抗性増大があり、高血糖をきたしやすいので、エネルギーは必要だが血糖値をコントロール(150~180mg/dLが推奨)しながら進める。また、たんぱく異化亢進により筋たんぱくから利用されやすいBCAAがエネルギー産生のために動員されるため、NPC/N比にもとづきながらアミノ酸(BCAA)の投与が行われる。ただし、NPC/N比についても2009年にASPENでは通常通りとされるなど、急性期におけるたんぱく質の投与量については現時点でははっきりとした結論が出ていないとの事。投与水分量の制限や代謝産物の蓄積により、意図したエネルギー量の投与が困難となることがある。持続的ろか透析をはじめとした血液浄化法の併用で過剰な水分や代謝産物の除去を行うことで制限を受けにくく栄養管理ができる。経静脈栄養よりはなるべく早期に経腸ルートを使用し、腸管じゅう毛上皮の萎縮予防や腸内細菌叢を維持してバクテリアトランスロケーションを予防するという認識も高まっている。 運動により最大酸素摂取量の増加や左室収縮機能の増加、心臓副交感神経の活性化と交感神経過緊張の改善、炎症の改善やたんぱく異化抑制による低栄養改善、貧血の改善、不安・うつの改善等が得られるため、併用が大切とされる。追加で、透析中に運動をすることで透析効果が増加するという報告も出てきている。 昔はしじみ食って寝とけの時代だったのですが、現在は栄養管理と運動が大切と言われています。ただし、急性の肝疾患で、腹水や黄疸、肝性脳症がある際は運動よりは安静が選択される。 主に小児期に膵β細胞が破壊される1型糖尿病と、生活習慣病・メタボのように過食と運動不足によって起こる2型糖尿病があります。肥満や運動不足により内臓脂肪が蓄積されると、脂肪細胞から炎症性サイトカインやFFA(遊離脂肪酸)、レジスチンというインスリン抵抗性を増す働きがあるというホルモンが分泌され、インスリン抵抗性が増してインスリンが効きにくくなります。そうすると高血糖になり、血糖を下げるために多量のインスリンが分泌されて高インスリン血症となり、インスリンには余分なブドウ糖を脂肪として蓄積する働きがあるので、過食が続けば更なる肥満増悪とインスリン抵抗性増大という悪循環に至ります。高血糖状態が続くと、ご存知のとおり動脈硬化や網膜症、腎症などの合併症を引き起こし、脳卒中や心疾患、腎疾患などのリスクが高まります。この悪循環を断ち切るためには、血糖コントロールと原料を行うことが重要となり、食事療法と運動療法が行われます。グリセミックインデックスとは、ジェンキンスらによって提唱された概念で、ブドウ糖摂取後の血糖上昇をGインデックス100としたときの食物摂取後の血糖上昇を評価した指標。脂質はカロリーが高いので、糖質55~60%に対し脂質は20~25%で抑えた食事を勧めます。(たんぱく質は15~20%)。エネルギー摂取が制限されている場合、エネルギーバランスを考慮した運動負荷も考えなければならないと思いますし、合併症があればそこも考慮しなければなりません。 拒食症とは、意図的な体重減少です。太る食物を避ける、自ら誘発する嘔吐、下薬や利尿薬の使用、過度の運動、肥満への恐怖、ボディイメージのゆがみなどがあります。過食症は、持続的な摂食への没頭と食べ物への渇望で、短時間に大量の食物を食べつくします。そして太らないよう、交代して絶食期が出現しやすいとされ、拒食食と過食症はセットになっていることも多いと言われます。また、向精神薬の影響も外せません。抗うつ薬には抗コリン作用があり、副交感神経機能が働きにくくなり消化器症状も元弱します。抗精神病薬にはドパミン遮断作用もあります。また、アリセプトなどの抗認知症薬にはアセチルコリンを分解する酵素を阻害してコリンをたくさん出す作用がある(コリンエステラーゼ阻害)ので、副交感神経症状亢進し、唾液がたくさん出たりします。
摂食障害に特効的な治療は存在しないとの事です。結局治すのは自分なので、動機づけが大切だそうです。認知行動療法などもあるが、それくらいしかないと。強迫的とは、同じ事をずっと考えたり、やり続けることです。ボディイメージが悪く、痩せていても太っていると思っています。 体重増加を目的とした場合、余剰分内での運動負荷が望ましいと考えます。また、足りていない場合は、活動係数の見直しもですが、逆に運動時カロリーを大まかに計算して付け足してもらうのも手です。 先行期・認知期の問題から、口腔準備期、咽頭咽喉期、食道期にかけての問題もたくさんあり、それらすべての問題は色んな職種が関わるべき問題があると思います。他にも投与経路の問題でカロリーや栄養素が摂取できなかったり、食事動作自体が疲労を感じたり、食べ物の好き嫌いや、美味しくない、楽しくないなどもありますよね。食事は生きるためのものであり、そして楽しむためのものであってほしいものです。 私の好きな言葉のひとつです。 栄養面の摂取も行え身体も元気になりますし、口腔・咀嚼機能も使うことで意識もはっきりし、構音機能も促され、会話も生まれますね。唾液が出ることで口腔内が保湿され、口腔準備期も改善し、そして感染等も防げます。コミュニケーションが生まれればより能動的な活動も増えてきますよね。どこからフォーカスを当ててるかの問題化もしれませんが、私は食事は大切だと思っています。 摂取量はちゃんと足りていますか?足りていないとすれば問題ですが、それはどうしてですか?投与ルートの問題ですか?静脈栄養ですか?経腸ですか?胃ろうですか?経鼻ですか?経口ですか?投与ルートに問題はありませんか?安全に食べれてますか? 投与食形態は常食ですか?ソフト食?ペースト食?ミキサー食? 先行期・口腔期~咽頭期前半までの摂食機能はどうですか?咽頭期から食道期までの嚥下機能の問題ですか?問題があればどこに誰がどうやって介入しますか?食事動作はどうですか?食べこぼしはしていないですか?うまく自分ですくってこぼさずに食べれていますか?自助具はあってますか?食事姿勢はどうですか?体力はどうですか? それらができていないのなら、じゃあどうすれば良いんですか?他にもたくさんあると思いますが、見れる視点もやる事も、気付けば実はいっぱいあるはずです。 経口摂取が始まると、患者さんの状態が上がっていく事を経験することも少なくはありません。誠愛リハのリハDrの方は、経口摂取がリハのスタートだと言われていました。食事をする事で尿意や便意が生まれ、尿意や便意が生まれると着替えや移乗といった動作が生まれると。栄養摂取量を確保するためにはどうすれば良いのか、そして今後より元気になっていくためにはどうすれば良いのか、栄養面から見たリハビリというだけでも、他職種皆で一緒にやってかないといけない事はたくさんある事に気づきます。 どしどし主治医や病棟Nsへ相談し、NSTへ挙げてください。 三銃士の言葉でone for all,all for oneという言葉がありますが、リハ栄養という切り口から見たリハビリテーションだけでも、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、セラピスト、歯科衛生士、ケアワーカーなど、それぞれが専門的に関わらないといけない部分が多々存在します。そして、それぞれが自分の専門領域だけしか見ません、そして個々に動きますという視点ではなかなかリハ栄養を取っても進まず、それは結果的に患者さんへ不利益が来てしまうなと常々感じます。リハビリテーションが資格の文言に明記された資格なんてリハ医師くらいのものであって、じゃあリハビリテーションは誰がするのとなっちゃうわけですが、実は「リハビリテーション」とは皆でやらないといけない事なのだと思います。各職種が互いの事へ興味を持ち、理解しようとし、そして一緒に他職種協働で関わる視点が、このリハ栄養という視点ひとつにしても大事だなと感じています。そしてそれらは患者さまのために。 今年の3月、宮崎リハ研究会の特別講演で若林先生が来られた際、日本リハ栄養学会会員と囲んだ写真です。