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COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES
売り切りとF2Pの話
あるいはめんどくさい
課金とゲームデザイン
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自己紹介
• ゲーム業界26年目のジジイ。
• ゲームのプロデビューはPC
エンジン
• 現在の所属はenish。主に
ゲームデザインを見る仕事。
• 趣味はチュートリアルの修正
+iphoneのUSA ランキング
のゲームを毎日遊ぶこと。
• 今の執着は暗黙知を形式知
にすること。
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AGENDA
• F2Pの台所
• イマドキなスマホF2Pの予算の構造
• “売り切り”と”F2P”の間
• 売り切りゲームとF2Pの違い。そして、なぜ、売り切りゲー
ムを作る人はF2Pで苦戦するのか?
• 海外と国内の違い
• 海外のARPPUとか雑談イロイロ。パート2で絡んでいるの
で、喋れたらしゃべるオマケ。
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F2Pの台所
• F2Pがどうしてリスキーで大変
で、そしてお金の事を必死で考え
ないといけないのか。
ゲームを作る人はあまり考えたが
らないことが多いのですが(正
直、その通り)考えないと不幸に
なる時代なのでしょうがないな
あって感じの話
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開発費の基本
• 人月計算の基礎式=1人100万円/月
• 基礎計算がもっと高い会社もある。
(僕が聞いたので一番高いのは115万円)
• 平均8人のチームが10か月かけてF2Pゲームを作ると…
8人×100万×10か月=8000万
(これはもはや小さい方に入ると思う)
以降、これは男性向けのスマートフォンF2Pゲームで、かつやや
コア向けであるという前提で、この例で話を進めたい。
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開発費の回収はどうするの?
• 通常の会社では3か月/6か月。
• 韓国ではどんな大作でも3ヶ月だと教えてもらった。
• 欧米は1年もある
• 例では1年としたい。
• 1年はとってもとっても優しい設定です(‘A`)
8000万円/12か月=約660万/月
必要売り上げ=660万円/月
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他の経費は?
• サーバーコスト
• 売り上げの10%程度を見込んだほうがいい。
これは660万をベースにして60万円!
• 運営費
• 奇跡で4人で運営! 運営施策もなし…マズいけど…
400万円
必要売り上げ=660+400+60=1120万円/月
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他には?
• 広告費
• 予想売上の20%以下が適正…と言われているらしいです。
月の売り上げの20%を予算として計上。
660万円として、130万円。一度しか広告しないとして130
万円。1年に換算して毎月10万円。
なお、広告を打たないと1ヶ月で150DLとかです
必要売り上げ=1120+10=1130万円/月
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大きいのがもう一つ…
• プラットフォームのショバ代…30%!
• 約1600万の売上を1年続けて初めて回収
• このサイズのゲームですら、1年約2億円の売上を叩き出
さないと、哀れクローズなのが現在スマートフォンF2P
必要売り上げ=1130/0.7=約1600万円/月
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F2Pは日銭商売
• DAU
• インストール数と継続率から決まる
• 課金率
• ゲームの質に依存
• ARPPU
• 人がどれぐらい夢中になってお金を払いたくなるか
売上=DAU×課金率×ARPPU
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インストールしてくれる人の数は?
• 130万円でどれぐらいの人が流入してくるのか?
• ターゲットユーザーと、どれぐらいユーザーをとるかで変
わるが100円/1人なら優秀だと思う。
130万/100=1.3万
初日 DAU=1.3万人
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継続率は?
• 1ヶ月継続率の目標20%
• 女性向けで35-45%なんて、
すごい数字もある。
• 継続率は最初にズドーンと
落ちて、以降はズルズルと
少しずつ減っていくという
特徴がある。
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いつから定着したユーザー?
• ガラケーソーシャル
• 2週間以上遊んでくれたユーザーは定着と見なす。
• スマホでもここは変わらない(と思う)。
• サンプルのゲームでの仮定
• 1か月継続した人は1年継続してくれると仮定
• 1.3万人の20%が1年継続してくれる
…すなわち2600人が継続してくれる。
このあたりはジャンルで大きく違います。また個人的にはFQ=ログイン頻度を重視するのですが、あ
まりメジャーな尺度ではないので、ここでは単純にアリガチな継続率としておきます。
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課金率
• 1日=3.0%で「スゲー」
• 初期はDAUの1.5-2倍が週、その1.5-2倍が月になる
• つまり2.25~4倍ぐらいが月の課金率
• 課金率は変動する
• イベント・ゲームのサービス開始直後・何かに紹介されて
人が増えたなどの理由で変動する。
• サービスが長く続くに従い、日=週=月に近づいていく
ここでは6.6-12.0の真ん中をとって9%としておく
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仮想ゲームの最初の回収計算
• 2600(MAU)*0.09=234人
• 1660万/234=約7万円!のARPPU
• マニア向けのRPGでARPPUの目安が8000-10000円
全く1つも実現不可能
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そうだ! DAUを増やそう!
•思い切って広告予算を10倍の1300万
• こんなことをやるとCPIは150円ぐらいなる。
• 1300/150=約87000人
• 回収に必要な売り上げが約1760万にup!
• 87000*0.2*0.09=1560
• 1760/1566=約11200円(必要ARPPU)
まだどう見ても無理がある
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継続率をがんばる
• ゲームを改善して継続率を25%まで上げる
• 87000*0.25*0.09=1957
• 1760/1957=8990円
月間継続率25%、初日DAU90000でようやく
開発費の回収が見える
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超カンタンシミュレータ
• 標準値:ARPPU=5000, 課金率=8%,CPI=150
• 開発費=直接開発費+広告費
• 必要課金ユーザー数=(開発費/回収期間+運用費)/ARPPU
• 必要DAU=必要課金ユーザー数/課金率
• 広告費=必要DAU/CPI
この式をベースに、継続率25%でサンプルゲームを回収しようと
すると、約11万人のユーザーが必要。さらに難易度は上がる
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どうしてこんなことに!?
• F2Pは本質的には沢山の人が遊んでいるなか、お金
を払ってくれる人が少しいるモデル
• そもそもユーザー数がないと成り立たない
• マニア向けのタイトルの勝ちパターン
• 10000人×10000円(ARPPU)=1億(月)
• マニアなので10%の課金率と仮定して、10万(MAU)のユーザー
がいる。事前予約10万人というと、それが宣伝になる部類
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この章のまとめ
1. 今のF2Pはフツーに作ると10万人ぐらいユーザー
を集めないと全く勝負にならない。
2. よーく考えても平気で負ける。
3. つまり、ものすごくリスクの高い商売になってし
まっている。全然楽じゃないっす。
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売り切りとF2Pの間
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売り切り出身の人あるある
• 結構いいゲームができている。
「結構出来いいですね。で、どうして儲けるんですか?」
「ガチャでも置けば、儲かると…」
「○○にはお金払ってくれると思うんですよね」
奇跡が起こらないかぎり儲かりません
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奇跡の起こる確率は?
• 2014年のApp数=約75万
• バイラルで盛り上がった(マ
イナーな)ソフトは両手で余
裕で足りる。
• ヒット率は7万分の1程度。
水戸黄門のパチスロの一番難
易度が高い当たりより難しい。
実はゲームはAppの40%ほどなので3万分の1ほどになる
発表時には全アプリで書いていた(;´Д`)
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なぜこんなことが起こるのか?
• 売り切りの世界で必要なゲーム体験とF2Pで必要な
ゲーム体験にズレがある
• それを考えずに作ると売り切りゲームにガチャ
がついている(F2Pとしては厳しい)ゲーム
を作ってしまう。
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ゲーム(の)体験
• 感覚的体験(視聴覚優位)
• <アートが綺麗>、<操作性
がいい>、<アクションが面
白い>、<映画のような感動
するシナリオ>
• ロジック体験
• <成長が楽しい>、<戦略が
楽しい>、<足りないアレが
手に入った>
感覚的
体験
ロジッ
ク体験
ゲーム
の体験
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売り切りゲームの体験
• 基本的に<感覚的体験>の構築を重視する。
• 数十時間<感覚的体験>を支える<ロジック体験>
• だから売り切りの人たちと仕事をすると、ストーリーがつ
くと「ドラマ」になり、手触りを重視する。
RESOGUN uncharted LIMBO
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売り切りの体験にないもの
• 長時間(極論すると無限)に渡って運営可能
• ゲーム全体がエンドがあるのを前提で作る。ドラマ→最初
から最後までプレイすることが前提だし、バランスもそう。
• 売り物を織り込むこと
• 感覚的に納得の行く体験=「それで満足する体験」
=そもそも何かを追加する必要が薄い。
→うっかりバラしてDLCにすると、DLC商売などと批判。
→RPGで店で売っている武器がリアルマネーとか。
欧米では店で売ってる「いい武器」がリアルマネーって課金が一応通用する
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「いわゆるソーシャル」の歴史
• 「いわゆるソーシャル」が完成したのはガラケー
• 一度のプレイタイムが短い(出自は暇つぶし)・画面が小
さい・解像度低い・容量少ない・パフォーマンスない・音
を使えない・UIが10キーといった特性。
• 感覚的体験は極端に小さくならざるを得ない。
• ロジックでもリアルタイムな体験はまた難しい
• 静的なロジックの体験に頼らざるを得ない
「いわゆるソーシャル」というのは、日本でいう「F2Pで、フレンド誘導導線があって」み
たいなのは、本来のソーシャルゲームの定義からはかけ離れているから。
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いわゆるソーシャル
の歴史
• マフィアウォーズ
• 日本向けにうまく修正した
のがロワイヤル。
• TCGの要素を加えたのがド
ラゴンコレクション。
• 「いわゆるソーシャルゲー
ム」の構造が完成。
2009
2009
2010
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「いわゆるソーシャル」の特徴
• 成長そのものが体験
• →成長するリソースを手に入れる
→リソースが成長する
→成長したリソースは強いので楽に勝てる
→わあ楽しい!
• 「おれTueeしたいだけ」と言われることがあるが
「そここそが中心体験」
• ドラマとか全部後付。フレーバーテキスト同然。
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どうして成り立ったの?
• 成長(RPG)メカニクスは34年前にゲームの世界に登
場してから人気メカニクスから外れたことがない。
• キャラ作成+成長体験が面白いことがまた証明された
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なぜ儲かったの?
• 成長体験と商売は恐ろしく相性が良かった
• キモチイイ体験=強さの表現
→成長自体がほぼ目的化
• 無限に成長可能=無限に成長リソースが必要
• 理論的には無限にユーザーはプレイする。
→常に成長リソースに飢える
この成長リソースに課金した。だから儲かった
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近代ガチャは成長を加速する
• ソーシャル以前のゲーム
• 成長リソースを手に入れるためには、ゲームプレイが必要(金・経験値)
• 課金があっても成長は一定の時間がかかるものだった。
• 第一の発明
• ガチャから引いたモノ=ゲームの必要リソース=Tuee(TCG)
• 第二の発明
• 「手に入れたリソースそのもの(カード)」を合成して経験値にできる。
これがないとガチャから出たリソースが簡単にゴミになる。
成長時間を課金すれば0に出来、しかも手に入るモノと成長が一体化
するシステム、すなわち「今のガチャ」ができた
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ところで海外でガチャ使えます
• だいたいゲームロフトNZでディレクターやった3作、
Wonder Zoo・LPS・MLPにガチャ入れてる。
• 当時ゲームロフトは日本の圧倒的なARPPUの源泉はガチャ
だと考え、全ゲームにガチャをつける計画をやっていた
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ソレ以外にもたくさん
Castle Crush
Hearth Stone
Fallout:Shelter
日本と立て付けが違
うだけで、ガチャは
普通に機能する
海外の人たちは、いわゆるガチャ
の演出がピンと来ないらしく、自
分がゲームロフトで作っている時
も、リアルなものに寄せようとす
る傾向があった。
日本的立て付けは避けるべき
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イベントという武器
• 圧倒的な売り上げを出すための主力武器
• 成長体験を短い時間で感じさせることが目的。
• 月に何回か実施する
• 月初はキャリア課金が一番伸びるので、大きなイベント
月中にふたつ目のイベント
…みたいな形
• ソーシャルな人は
「イベントのない期間は売上が下がる期間」
とまで言う。
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イベントの基本構造
• やり方はいっぱいあるけれど、大雑把な構造は以下
① ガチャにイベントで有利な物を入れてガチャを準備
② プレイヤーはイベントが始まるまでにガチャリソースを強化。
③ イベントは、スタミナ消費しながら、成長リソースを手に入る
④ 成長リソースでガチャリソースを強化。
⑤ 強化されたガチャリソースで「俺Tuee」!
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イベントの重要なポイント
•「俺<成長して>Tuee」を毎回やる
• 毎回、レベル1からレベルを上げて遊んでもらう要素
• ユーザーの資産で違いはあるようにすることで、プレイ
ヤーの資産の蓄積が全く無駄にならないのがポイント
• プレイヤー資産大きい=比較的課金が少なくて済む
=同じ課金なら、資産大きい方が有利
=だから普段からプレイして強化
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実際の売り上げの動き
月初
イベントの追い込みが
うまく盛り上がった
ガチャ施策つきの
短いイベント
月末近くなので緩
いイベント
商品種別 通常時 新ガチャ イベント中
ガチャ 50% 70% 40%
いわゆる時短 30% 20% 40%
それ以外 20% 10% 20%
月初イベント準備
典型的な売上構成比
いくつかのゲームをサンプルに作った「こんな
風に売り上げは動きます」という仮想の例です。
この例ではイベントを月に3回打っていますが、
ジャンルやターゲットユーザーによって適正な
回数は変動します。一番少ない例は月に1回、
多い例では6回というのもあります。
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日本型のF2Pはなぜ売り上げた?
• 超高速で回る成長サイクル
• 経験値は実質ガチャから供給
⇒課金でいくらでも「あっというまに手に入る」
• スタミナ制限
⇒課金すればやっぱ無視して、加速。
• 無限に成長できる+大量の成長させるもの
沢山消費できるシステムを作って、商品をたく
さん並べて、沢山売った、だから儲かった
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日本型F2Pの本質
• 売り切りゲームとは全く別の商
売としてのサイクルで出来上
がっている。
• このサイクルが速く回せるよう
に出来ているかが、重要。
商品
購入
商品
消費
体験ゲームが商品か、ゲームは商売か
で、全く別物。同じ「ゲーム」だ
と思っていると大間違いでF2Pは
商売の構造だと理解すべき
売り切りの人の
考えるゲーム
ソーシャルの人には一部。
しかも出身がガラケーなの
で極端に小さく考える
たいていガチャ
合成・使用etc
成長する
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ソーシャルと売り切りの定義のズレ
• ソ「ゲームのコアの成長が…」
• 僕「ハ? ゲームのコアって『ここでタイミングよく
タップして、ウォー! 決まった!』でしょ?」
• ソ「それはあくまでゲームのオマケじゃないですか?」
• 僕「成長メカニクスは大事だけど、ビルの基礎で…」
• ソ「なにいってんすか、岩崎さんの言ってる所なんて
『宣伝のために必要なだけ』ですよ!」
• 僕「なにワケわかんないこと言ってるわけ?」
あるゲームの企画で本当にこういう会話をした
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ガチャを入れればなんとか
• そもそも「成長したい」、「欲しい」と思うリソー
ス(商品)があるからガチャをひく。
• ガチャが成り立つためには、出てくるリソースが確実にプ
レイヤーを強くする保証がなければ強く機能しない。
このルールには例外があり、ファンがしっかりついているIPモノで
は、ガチャから出るリソースはたいていコレクション価値があるので、
成長要素は100%ではなくなる。海外のIPでガチャが入っているも
のや、アバターゲームのガチャも同じく。
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ガチャ施策が出来るのか?
• ガチャで売上を出す=大量消費
• ガチャの中身=商品を大量に消費できるメカニクスが必要
ハズレアイテムをどう処理するか?
• ガチャ施策は予算を食う
ガチャ一本でカードなら最低30枚程度、アバターでも20以
上入っているのが当たり前。仮に1個のリソースが3万円で
全部できるとしても100万単位で予算がいる。
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無限に成長できるデザインか?
• ガチャから出す=無限成長=インフレ
• 許容して運営できるゲームデザインになっているか?
→たいていできていない
• 感覚的体験を壊しやすい→スマホではかなり致命傷
• よくやるミス
• 倍率問題。2x2x2=8倍
→超強力に強化されてゲームバランス大崩壊→終了
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ガチャ後付がうまくいかない理由
• 無限にリソース(商品)を消費出来ない
• 用意すべきリソースが高コストすぎて追加が難しい、バリ
エーションが足りない、すべてのリソースが使える設計に
なっていない、そもそもリソースを消費する価値がない。
• リソース(商品)自体の種類がたいてい不足
• ガチャに入れるとゴミになる商品が多すぎて、ユーザーの
ガチャを引く意欲を壊す。
ガチャを機能させるためには、ガチャを使えるゲームデザインが必要
=商品を売るためには、商品が売れるゲームデザインが必要
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○○は買ってくれると思うんですよ
• 必要でなければ買わない
• 必須にすると今度は課金しな
いと進められないゲーム。
• 2008-09あたりのZyngaが
やってた「友達招待するか、
金を払うかの2択だ」の変形
になりやすい。
http://www.gamezebo.com/
そもそもここの売り上げは小さい
またユーザーが楽しいか疑問
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実体験
• あるゲームの売り上げをなんとかする必要がある
• 売り物を探すところから話が始まる
→一番なりそうなモノはコスト高すぎ+数不足(明らか)
→低コスト化狙いで色変えなどで商品増加
→それを目玉にイベントでユーザーを引っ張る
→大量追加できないので売上を維持できない
→一緒に出るハズレの消費アイテムを処理できない
→インフレにも対応できない(対応難易度が高い)
→ユーザーからの不満を改善できない
最初から商売を考えた商品設計ができていないとムリがあると実感
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スマホF2Pで大事なコト
• 売り上げ構成=商品構成を最初から考える
• ガチャのメリットとデメリットを考える。
• ガチャをサブにする課金モデルもあり得る。
• 欧米型のモデルも考える→ただし売り上げは出ない
• 中国韓国型モデルの課金も検討→ガチャ依存が比較的低い
• 長期運営対策
• 感覚的体験はアキる→中韓のゲームは大いに参考になる。
• インフレ対策→インフレはユーザーの財産を毀損する。
そしてコアの感覚的ゲーム体験がコンソール並に楽しくなければならない
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スマホF2Pは感覚体験も大事
• いわゆるソーシャルの人のスマホでの苦労
• プラットフォーマーでなくなった(GREE/DeNA)の問題
→広告宣伝に大きな問題を抱えている問題
• スマホは表現能力はゲームマシン並で、商売はF2P中心の代
物だからロジック体験だけで大ヒットはほぼ不可能。
• 手触りを作るのが苦手なので、売り切りの人を欲しがるが
「水と油」なのはオワカリと思う。
感覚的ゲーム体験と商売の両輪が必要なのがスマホF2P
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どんな風にゲーム作って生きていく?
• 売り切りゲームは「ゲームを商品」として売る
• F2Pは商売のサイクルを回すゲーム
• 何を売るかを考えなければ成り立たない。
• 感覚的ゲーム体験とは別のものが必要で、売り切り型ゲー
ムをデザインしている人たちには苦痛なところがある
• またソーシャルの人のソレに対する理解が今のところ薄い
• ただし売り切り系の人の商売サイクルに対する理解も薄い
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大作・IP路線
• 大予算で大作を作っていく方法
• 沢山人が必要
• シリーズものとIPもので、人が入ってきやすくするのが一
番の安全策。
• コンソールが苦しんだのと同じ道
• 製作期間長期化→コスト上昇→回収難易度上昇→続編&IP
ものの山
AAAタイトルと同じで、スマホでもこの路線は絶対に残る
お金とIPを持っている会社が取れる道
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小さなゲームを作る
• ゲームを小さくする
• コンソールではダウンロード
が一般化するまで20年か
かったので難しかったが、ス
マートフォンではあり得る。
• 海外ではある程度実績のあ
るやり口
• 広告中心モデル&売り切り型
ゲームでよく使われる
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海外まで市場を広げて狙う
• 大量消費型でないゲームが成り立つ
• アジアでもアクションMOなど、従来型の感覚的体験を主軸
にしたゲームに課金構造をかぶせた設計が出来る。
• 売り切りゲームに近い構造で、ショップでアイテムをリア
ルマネーで販売することで、成り立たせることが出来る
• ただし海外(欧米)は国内とUI・通信・アートなどの好み
の違いがあるので、最初からそこを考えて作ることが重要
海外(欧米で)で売る
=あまり運営にコストをかけず、大量消費ではなく、細く長く売るモデル
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まとめ
• スマホF2Pを作るのはリスキーになっている
• そもそもゲームはリスキーだって話はナシ
• ちょっと作って数千万かかる世界になっている。
• F2Pでゲームを作るのは売り切りとは違う
• 面白い、だけでは残念ながらお金にならない。
• 最初から商品構成を考え、売れる商品が入っている面白い
ゲーム、を作らなければならない
• 同じ商売はツライので違う商売を考えるべき
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オマケ
海外の市場
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海外の定義
• 海外
• 欧(オーストラリア・ニュージーランド含む)
• 米
• 中国
• 東南アジア
• 韓国
日本と近い文化感があり、アレンジで
ヒットさせることが可能
日本とかなり違うので、作る時最初から考えることが必要。
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欧米の主力ゲーム
• 欧米の主力ゲーはCoCみたいな街作ってバトルと、
ヘイデイみたいな街作るゲーム
• パズルゲーム(Angry Bird, Candy Crush etc)
• TCG勢力拡大中。HearthStoneなど
• Runゲームなどのアクションもそれなりに出る
• カーレースとかかなりちゃんと売れる。
• PCで無敵を誇るMOBAとかはまだうまく入れてない
日本よりはメカニクス的にはバリエーションが広い
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欧米のARPPUと課金率
• 課金率
• City Builder&CoC系の課金率=4-5%(月)
• パズル=1-2%(月)
• アクション=0.5-1%(月)
• ARPPU
• ジャンルにかかわらず1~2ドル程度(月)
(元祖CoCで2ドルちょいだったはず)
• これはモノによって猛烈に違い、知っているアプリで12ド
ルぐらいまで行くのもある。
この手のデータは日本・韓国が入ると、欧米の実際からはか
け離れた数字が出てくることが多々あるのに注意
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パケットジャブジャブは嫌われる
• パケットコストが高い
→だから家でwifiでゲーム
→大きな画面がいい
→タブレットでゲーム
→Tablet First が成立
NZの例。
約5000円のプラン
2.5GBのデータ通信
日本のほぼ倍ぐらい
つまり日本型大量供給大量消費型ゲームは通
信バリバリなので難易度が高い。とは言って
もサマナーズウォーぐらいまでなら許される
ようになってきた
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UIの好みの違い
• メイン画面
• コンテンツ・クローム比を極限まで
上げたのが好き
• 画面の四隅に小さなアイコンを置く
のが主流
• アイコンにテキストを書かない。
• そもそも横文字でテキストが長くな
り、収まらない(中韓はOK)
• 情報詰め込みを嫌う
• スポーツ・SLGなど一部を除くと、
極力数値を見せない
• ゲームの演出も出来るだけグラ
フィックやバーで見せる
ヘイデイ
SimCity Buildit
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プレイヤーの立ち位置を明白に
• 「プレイヤー」の立ち位置を重視する
• 欧米の言語の特性と言ってもいいが、チューター/Quest
Giverがプレイヤーに向かって話かけるとき、例えば「市
長」とか、立ち位置を明白にしないと好かれにくくなる
• ゲーム内に主人公=プレイヤーが置かれ、その主人公をプ
レイヤーが操作する形式もよく取られる。
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売り切りとF2pの話

  • 1. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 売り切りとF2Pの話 あるいはめんどくさい 課金とゲームデザイン
  • 2. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 自己紹介 • ゲーム業界26年目のジジイ。 • ゲームのプロデビューはPC エンジン • 現在の所属はenish。主に ゲームデザインを見る仕事。 • 趣味はチュートリアルの修正 +iphoneのUSA ランキング のゲームを毎日遊ぶこと。 • 今の執着は暗黙知を形式知 にすること。
  • 3. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES AGENDA • F2Pの台所 • イマドキなスマホF2Pの予算の構造 • “売り切り”と”F2P”の間 • 売り切りゲームとF2Pの違い。そして、なぜ、売り切りゲー ムを作る人はF2Pで苦戦するのか? • 海外と国内の違い • 海外のARPPUとか雑談イロイロ。パート2で絡んでいるの で、喋れたらしゃべるオマケ。
  • 4. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIESCOPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES F2Pの台所 • F2Pがどうしてリスキーで大変 で、そしてお金の事を必死で考え ないといけないのか。 ゲームを作る人はあまり考えたが らないことが多いのですが(正 直、その通り)考えないと不幸に なる時代なのでしょうがないな あって感じの話
  • 5. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 開発費の基本 • 人月計算の基礎式=1人100万円/月 • 基礎計算がもっと高い会社もある。 (僕が聞いたので一番高いのは115万円) • 平均8人のチームが10か月かけてF2Pゲームを作ると… 8人×100万×10か月=8000万 (これはもはや小さい方に入ると思う) 以降、これは男性向けのスマートフォンF2Pゲームで、かつやや コア向けであるという前提で、この例で話を進めたい。
  • 6. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 開発費の回収はどうするの? • 通常の会社では3か月/6か月。 • 韓国ではどんな大作でも3ヶ月だと教えてもらった。 • 欧米は1年もある • 例では1年としたい。 • 1年はとってもとっても優しい設定です(‘A`) 8000万円/12か月=約660万/月 必要売り上げ=660万円/月
  • 7. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 他の経費は? • サーバーコスト • 売り上げの10%程度を見込んだほうがいい。 これは660万をベースにして60万円! • 運営費 • 奇跡で4人で運営! 運営施策もなし…マズいけど… 400万円 必要売り上げ=660+400+60=1120万円/月
  • 8. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 他には? • 広告費 • 予想売上の20%以下が適正…と言われているらしいです。 月の売り上げの20%を予算として計上。 660万円として、130万円。一度しか広告しないとして130 万円。1年に換算して毎月10万円。 なお、広告を打たないと1ヶ月で150DLとかです 必要売り上げ=1120+10=1130万円/月
  • 9. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 大きいのがもう一つ… • プラットフォームのショバ代…30%! • 約1600万の売上を1年続けて初めて回収 • このサイズのゲームですら、1年約2億円の売上を叩き出 さないと、哀れクローズなのが現在スマートフォンF2P 必要売り上げ=1130/0.7=約1600万円/月
  • 10. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES F2Pは日銭商売 • DAU • インストール数と継続率から決まる • 課金率 • ゲームの質に依存 • ARPPU • 人がどれぐらい夢中になってお金を払いたくなるか 売上=DAU×課金率×ARPPU
  • 11. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES インストールしてくれる人の数は? • 130万円でどれぐらいの人が流入してくるのか? • ターゲットユーザーと、どれぐらいユーザーをとるかで変 わるが100円/1人なら優秀だと思う。 130万/100=1.3万 初日 DAU=1.3万人
  • 12. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 継続率は? • 1ヶ月継続率の目標20% • 女性向けで35-45%なんて、 すごい数字もある。 • 継続率は最初にズドーンと 落ちて、以降はズルズルと 少しずつ減っていくという 特徴がある。
  • 13. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES いつから定着したユーザー? • ガラケーソーシャル • 2週間以上遊んでくれたユーザーは定着と見なす。 • スマホでもここは変わらない(と思う)。 • サンプルのゲームでの仮定 • 1か月継続した人は1年継続してくれると仮定 • 1.3万人の20%が1年継続してくれる …すなわち2600人が継続してくれる。 このあたりはジャンルで大きく違います。また個人的にはFQ=ログイン頻度を重視するのですが、あ まりメジャーな尺度ではないので、ここでは単純にアリガチな継続率としておきます。
  • 14. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 課金率 • 1日=3.0%で「スゲー」 • 初期はDAUの1.5-2倍が週、その1.5-2倍が月になる • つまり2.25~4倍ぐらいが月の課金率 • 課金率は変動する • イベント・ゲームのサービス開始直後・何かに紹介されて 人が増えたなどの理由で変動する。 • サービスが長く続くに従い、日=週=月に近づいていく ここでは6.6-12.0の真ん中をとって9%としておく
  • 15. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 仮想ゲームの最初の回収計算 • 2600(MAU)*0.09=234人 • 1660万/234=約7万円!のARPPU • マニア向けのRPGでARPPUの目安が8000-10000円 全く1つも実現不可能
  • 16. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES そうだ! DAUを増やそう! •思い切って広告予算を10倍の1300万 • こんなことをやるとCPIは150円ぐらいなる。 • 1300/150=約87000人 • 回収に必要な売り上げが約1760万にup! • 87000*0.2*0.09=1560 • 1760/1566=約11200円(必要ARPPU) まだどう見ても無理がある
  • 17. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 継続率をがんばる • ゲームを改善して継続率を25%まで上げる • 87000*0.25*0.09=1957 • 1760/1957=8990円 月間継続率25%、初日DAU90000でようやく 開発費の回収が見える
  • 18. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 超カンタンシミュレータ • 標準値:ARPPU=5000, 課金率=8%,CPI=150 • 開発費=直接開発費+広告費 • 必要課金ユーザー数=(開発費/回収期間+運用費)/ARPPU • 必要DAU=必要課金ユーザー数/課金率 • 広告費=必要DAU/CPI この式をベースに、継続率25%でサンプルゲームを回収しようと すると、約11万人のユーザーが必要。さらに難易度は上がる
  • 19. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES どうしてこんなことに!? • F2Pは本質的には沢山の人が遊んでいるなか、お金 を払ってくれる人が少しいるモデル • そもそもユーザー数がないと成り立たない • マニア向けのタイトルの勝ちパターン • 10000人×10000円(ARPPU)=1億(月) • マニアなので10%の課金率と仮定して、10万(MAU)のユーザー がいる。事前予約10万人というと、それが宣伝になる部類
  • 20. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES この章のまとめ 1. 今のF2Pはフツーに作ると10万人ぐらいユーザー を集めないと全く勝負にならない。 2. よーく考えても平気で負ける。 3. つまり、ものすごくリスクの高い商売になってし まっている。全然楽じゃないっす。
  • 21. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIESCOPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 売り切りとF2Pの間
  • 22. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 売り切り出身の人あるある • 結構いいゲームができている。 「結構出来いいですね。で、どうして儲けるんですか?」 「ガチャでも置けば、儲かると…」 「○○にはお金払ってくれると思うんですよね」 奇跡が起こらないかぎり儲かりません
  • 23. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 奇跡の起こる確率は? • 2014年のApp数=約75万 • バイラルで盛り上がった(マ イナーな)ソフトは両手で余 裕で足りる。 • ヒット率は7万分の1程度。 水戸黄門のパチスロの一番難 易度が高い当たりより難しい。 実はゲームはAppの40%ほどなので3万分の1ほどになる 発表時には全アプリで書いていた(;´Д`)
  • 24. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES なぜこんなことが起こるのか? • 売り切りの世界で必要なゲーム体験とF2Pで必要な ゲーム体験にズレがある • それを考えずに作ると売り切りゲームにガチャ がついている(F2Pとしては厳しい)ゲーム を作ってしまう。
  • 25. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES ゲーム(の)体験 • 感覚的体験(視聴覚優位) • <アートが綺麗>、<操作性 がいい>、<アクションが面 白い>、<映画のような感動 するシナリオ> • ロジック体験 • <成長が楽しい>、<戦略が 楽しい>、<足りないアレが 手に入った> 感覚的 体験 ロジッ ク体験 ゲーム の体験
  • 26. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 売り切りゲームの体験 • 基本的に<感覚的体験>の構築を重視する。 • 数十時間<感覚的体験>を支える<ロジック体験> • だから売り切りの人たちと仕事をすると、ストーリーがつ くと「ドラマ」になり、手触りを重視する。 RESOGUN uncharted LIMBO
  • 27. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 売り切りの体験にないもの • 長時間(極論すると無限)に渡って運営可能 • ゲーム全体がエンドがあるのを前提で作る。ドラマ→最初 から最後までプレイすることが前提だし、バランスもそう。 • 売り物を織り込むこと • 感覚的に納得の行く体験=「それで満足する体験」 =そもそも何かを追加する必要が薄い。 →うっかりバラしてDLCにすると、DLC商売などと批判。 →RPGで店で売っている武器がリアルマネーとか。 欧米では店で売ってる「いい武器」がリアルマネーって課金が一応通用する
  • 28. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 「いわゆるソーシャル」の歴史 • 「いわゆるソーシャル」が完成したのはガラケー • 一度のプレイタイムが短い(出自は暇つぶし)・画面が小 さい・解像度低い・容量少ない・パフォーマンスない・音 を使えない・UIが10キーといった特性。 • 感覚的体験は極端に小さくならざるを得ない。 • ロジックでもリアルタイムな体験はまた難しい • 静的なロジックの体験に頼らざるを得ない 「いわゆるソーシャル」というのは、日本でいう「F2Pで、フレンド誘導導線があって」み たいなのは、本来のソーシャルゲームの定義からはかけ離れているから。
  • 29. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES いわゆるソーシャル の歴史 • マフィアウォーズ • 日本向けにうまく修正した のがロワイヤル。 • TCGの要素を加えたのがド ラゴンコレクション。 • 「いわゆるソーシャルゲー ム」の構造が完成。 2009 2009 2010
  • 30. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 「いわゆるソーシャル」の特徴 • 成長そのものが体験 • →成長するリソースを手に入れる →リソースが成長する →成長したリソースは強いので楽に勝てる →わあ楽しい! • 「おれTueeしたいだけ」と言われることがあるが 「そここそが中心体験」 • ドラマとか全部後付。フレーバーテキスト同然。
  • 31. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES どうして成り立ったの? • 成長(RPG)メカニクスは34年前にゲームの世界に登 場してから人気メカニクスから外れたことがない。 • キャラ作成+成長体験が面白いことがまた証明された
  • 32. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES なぜ儲かったの? • 成長体験と商売は恐ろしく相性が良かった • キモチイイ体験=強さの表現 →成長自体がほぼ目的化 • 無限に成長可能=無限に成長リソースが必要 • 理論的には無限にユーザーはプレイする。 →常に成長リソースに飢える この成長リソースに課金した。だから儲かった
  • 33. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 近代ガチャは成長を加速する • ソーシャル以前のゲーム • 成長リソースを手に入れるためには、ゲームプレイが必要(金・経験値) • 課金があっても成長は一定の時間がかかるものだった。 • 第一の発明 • ガチャから引いたモノ=ゲームの必要リソース=Tuee(TCG) • 第二の発明 • 「手に入れたリソースそのもの(カード)」を合成して経験値にできる。 これがないとガチャから出たリソースが簡単にゴミになる。 成長時間を課金すれば0に出来、しかも手に入るモノと成長が一体化 するシステム、すなわち「今のガチャ」ができた
  • 34. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES ところで海外でガチャ使えます • だいたいゲームロフトNZでディレクターやった3作、 Wonder Zoo・LPS・MLPにガチャ入れてる。 • 当時ゲームロフトは日本の圧倒的なARPPUの源泉はガチャ だと考え、全ゲームにガチャをつける計画をやっていた
  • 35. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES ソレ以外にもたくさん Castle Crush Hearth Stone Fallout:Shelter 日本と立て付けが違 うだけで、ガチャは 普通に機能する 海外の人たちは、いわゆるガチャ の演出がピンと来ないらしく、自 分がゲームロフトで作っている時 も、リアルなものに寄せようとす る傾向があった。 日本的立て付けは避けるべき
  • 36. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES イベントという武器 • 圧倒的な売り上げを出すための主力武器 • 成長体験を短い時間で感じさせることが目的。 • 月に何回か実施する • 月初はキャリア課金が一番伸びるので、大きなイベント 月中にふたつ目のイベント …みたいな形 • ソーシャルな人は 「イベントのない期間は売上が下がる期間」 とまで言う。
  • 37. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES イベントの基本構造 • やり方はいっぱいあるけれど、大雑把な構造は以下 ① ガチャにイベントで有利な物を入れてガチャを準備 ② プレイヤーはイベントが始まるまでにガチャリソースを強化。 ③ イベントは、スタミナ消費しながら、成長リソースを手に入る ④ 成長リソースでガチャリソースを強化。 ⑤ 強化されたガチャリソースで「俺Tuee」!
  • 38. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES イベントの重要なポイント •「俺<成長して>Tuee」を毎回やる • 毎回、レベル1からレベルを上げて遊んでもらう要素 • ユーザーの資産で違いはあるようにすることで、プレイ ヤーの資産の蓄積が全く無駄にならないのがポイント • プレイヤー資産大きい=比較的課金が少なくて済む =同じ課金なら、資産大きい方が有利 =だから普段からプレイして強化
  • 39. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 実際の売り上げの動き 月初 イベントの追い込みが うまく盛り上がった ガチャ施策つきの 短いイベント 月末近くなので緩 いイベント 商品種別 通常時 新ガチャ イベント中 ガチャ 50% 70% 40% いわゆる時短 30% 20% 40% それ以外 20% 10% 20% 月初イベント準備 典型的な売上構成比 いくつかのゲームをサンプルに作った「こんな 風に売り上げは動きます」という仮想の例です。 この例ではイベントを月に3回打っていますが、 ジャンルやターゲットユーザーによって適正な 回数は変動します。一番少ない例は月に1回、 多い例では6回というのもあります。
  • 40. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 日本型のF2Pはなぜ売り上げた? • 超高速で回る成長サイクル • 経験値は実質ガチャから供給 ⇒課金でいくらでも「あっというまに手に入る」 • スタミナ制限 ⇒課金すればやっぱ無視して、加速。 • 無限に成長できる+大量の成長させるもの 沢山消費できるシステムを作って、商品をたく さん並べて、沢山売った、だから儲かった
  • 41. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 日本型F2Pの本質 • 売り切りゲームとは全く別の商 売としてのサイクルで出来上 がっている。 • このサイクルが速く回せるよう に出来ているかが、重要。 商品 購入 商品 消費 体験ゲームが商品か、ゲームは商売か で、全く別物。同じ「ゲーム」だ と思っていると大間違いでF2Pは 商売の構造だと理解すべき 売り切りの人の 考えるゲーム ソーシャルの人には一部。 しかも出身がガラケーなの で極端に小さく考える たいていガチャ 合成・使用etc 成長する
  • 42. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES ソーシャルと売り切りの定義のズレ • ソ「ゲームのコアの成長が…」 • 僕「ハ? ゲームのコアって『ここでタイミングよく タップして、ウォー! 決まった!』でしょ?」 • ソ「それはあくまでゲームのオマケじゃないですか?」 • 僕「成長メカニクスは大事だけど、ビルの基礎で…」 • ソ「なにいってんすか、岩崎さんの言ってる所なんて 『宣伝のために必要なだけ』ですよ!」 • 僕「なにワケわかんないこと言ってるわけ?」 あるゲームの企画で本当にこういう会話をした
  • 43. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES ガチャを入れればなんとか • そもそも「成長したい」、「欲しい」と思うリソー ス(商品)があるからガチャをひく。 • ガチャが成り立つためには、出てくるリソースが確実にプ レイヤーを強くする保証がなければ強く機能しない。 このルールには例外があり、ファンがしっかりついているIPモノで は、ガチャから出るリソースはたいていコレクション価値があるので、 成長要素は100%ではなくなる。海外のIPでガチャが入っているも のや、アバターゲームのガチャも同じく。
  • 44. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES ガチャ施策が出来るのか? • ガチャで売上を出す=大量消費 • ガチャの中身=商品を大量に消費できるメカニクスが必要 ハズレアイテムをどう処理するか? • ガチャ施策は予算を食う ガチャ一本でカードなら最低30枚程度、アバターでも20以 上入っているのが当たり前。仮に1個のリソースが3万円で 全部できるとしても100万単位で予算がいる。
  • 45. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 無限に成長できるデザインか? • ガチャから出す=無限成長=インフレ • 許容して運営できるゲームデザインになっているか? →たいていできていない • 感覚的体験を壊しやすい→スマホではかなり致命傷 • よくやるミス • 倍率問題。2x2x2=8倍 →超強力に強化されてゲームバランス大崩壊→終了
  • 46. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES ガチャ後付がうまくいかない理由 • 無限にリソース(商品)を消費出来ない • 用意すべきリソースが高コストすぎて追加が難しい、バリ エーションが足りない、すべてのリソースが使える設計に なっていない、そもそもリソースを消費する価値がない。 • リソース(商品)自体の種類がたいてい不足 • ガチャに入れるとゴミになる商品が多すぎて、ユーザーの ガチャを引く意欲を壊す。 ガチャを機能させるためには、ガチャを使えるゲームデザインが必要 =商品を売るためには、商品が売れるゲームデザインが必要
  • 47. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES ○○は買ってくれると思うんですよ • 必要でなければ買わない • 必須にすると今度は課金しな いと進められないゲーム。 • 2008-09あたりのZyngaが やってた「友達招待するか、 金を払うかの2択だ」の変形 になりやすい。 http://www.gamezebo.com/ そもそもここの売り上げは小さい またユーザーが楽しいか疑問
  • 48. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 実体験 • あるゲームの売り上げをなんとかする必要がある • 売り物を探すところから話が始まる →一番なりそうなモノはコスト高すぎ+数不足(明らか) →低コスト化狙いで色変えなどで商品増加 →それを目玉にイベントでユーザーを引っ張る →大量追加できないので売上を維持できない →一緒に出るハズレの消費アイテムを処理できない →インフレにも対応できない(対応難易度が高い) →ユーザーからの不満を改善できない 最初から商売を考えた商品設計ができていないとムリがあると実感
  • 49. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES スマホF2Pで大事なコト • 売り上げ構成=商品構成を最初から考える • ガチャのメリットとデメリットを考える。 • ガチャをサブにする課金モデルもあり得る。 • 欧米型のモデルも考える→ただし売り上げは出ない • 中国韓国型モデルの課金も検討→ガチャ依存が比較的低い • 長期運営対策 • 感覚的体験はアキる→中韓のゲームは大いに参考になる。 • インフレ対策→インフレはユーザーの財産を毀損する。 そしてコアの感覚的ゲーム体験がコンソール並に楽しくなければならない
  • 50. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES スマホF2Pは感覚体験も大事 • いわゆるソーシャルの人のスマホでの苦労 • プラットフォーマーでなくなった(GREE/DeNA)の問題 →広告宣伝に大きな問題を抱えている問題 • スマホは表現能力はゲームマシン並で、商売はF2P中心の代 物だからロジック体験だけで大ヒットはほぼ不可能。 • 手触りを作るのが苦手なので、売り切りの人を欲しがるが 「水と油」なのはオワカリと思う。 感覚的ゲーム体験と商売の両輪が必要なのがスマホF2P
  • 51. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES どんな風にゲーム作って生きていく? • 売り切りゲームは「ゲームを商品」として売る • F2Pは商売のサイクルを回すゲーム • 何を売るかを考えなければ成り立たない。 • 感覚的ゲーム体験とは別のものが必要で、売り切り型ゲー ムをデザインしている人たちには苦痛なところがある • またソーシャルの人のソレに対する理解が今のところ薄い • ただし売り切り系の人の商売サイクルに対する理解も薄い
  • 52. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 大作・IP路線 • 大予算で大作を作っていく方法 • 沢山人が必要 • シリーズものとIPもので、人が入ってきやすくするのが一 番の安全策。 • コンソールが苦しんだのと同じ道 • 製作期間長期化→コスト上昇→回収難易度上昇→続編&IP ものの山 AAAタイトルと同じで、スマホでもこの路線は絶対に残る お金とIPを持っている会社が取れる道
  • 53. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 小さなゲームを作る • ゲームを小さくする • コンソールではダウンロード が一般化するまで20年か かったので難しかったが、ス マートフォンではあり得る。 • 海外ではある程度実績のあ るやり口 • 広告中心モデル&売り切り型 ゲームでよく使われる
  • 54. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 海外まで市場を広げて狙う • 大量消費型でないゲームが成り立つ • アジアでもアクションMOなど、従来型の感覚的体験を主軸 にしたゲームに課金構造をかぶせた設計が出来る。 • 売り切りゲームに近い構造で、ショップでアイテムをリア ルマネーで販売することで、成り立たせることが出来る • ただし海外(欧米)は国内とUI・通信・アートなどの好み の違いがあるので、最初からそこを考えて作ることが重要 海外(欧米で)で売る =あまり運営にコストをかけず、大量消費ではなく、細く長く売るモデル
  • 55. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES まとめ • スマホF2Pを作るのはリスキーになっている • そもそもゲームはリスキーだって話はナシ • ちょっと作って数千万かかる世界になっている。 • F2Pでゲームを作るのは売り切りとは違う • 面白い、だけでは残念ながらお金にならない。 • 最初から商品構成を考え、売れる商品が入っている面白い ゲーム、を作らなければならない • 同じ商売はツライので違う商売を考えるべき
  • 56. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIESCOPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES オマケ 海外の市場
  • 57. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 海外の定義 • 海外 • 欧(オーストラリア・ニュージーランド含む) • 米 • 中国 • 東南アジア • 韓国 日本と近い文化感があり、アレンジで ヒットさせることが可能 日本とかなり違うので、作る時最初から考えることが必要。
  • 58. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 欧米の主力ゲーム • 欧米の主力ゲーはCoCみたいな街作ってバトルと、 ヘイデイみたいな街作るゲーム • パズルゲーム(Angry Bird, Candy Crush etc) • TCG勢力拡大中。HearthStoneなど • Runゲームなどのアクションもそれなりに出る • カーレースとかかなりちゃんと売れる。 • PCで無敵を誇るMOBAとかはまだうまく入れてない 日本よりはメカニクス的にはバリエーションが広い
  • 59. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES 欧米のARPPUと課金率 • 課金率 • City Builder&CoC系の課金率=4-5%(月) • パズル=1-2%(月) • アクション=0.5-1%(月) • ARPPU • ジャンルにかかわらず1~2ドル程度(月) (元祖CoCで2ドルちょいだったはず) • これはモノによって猛烈に違い、知っているアプリで12ド ルぐらいまで行くのもある。 この手のデータは日本・韓国が入ると、欧米の実際からはか け離れた数字が出てくることが多々あるのに注意
  • 60. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES パケットジャブジャブは嫌われる • パケットコストが高い →だから家でwifiでゲーム →大きな画面がいい →タブレットでゲーム →Tablet First が成立 NZの例。 約5000円のプラン 2.5GBのデータ通信 日本のほぼ倍ぐらい つまり日本型大量供給大量消費型ゲームは通 信バリバリなので難易度が高い。とは言って もサマナーズウォーぐらいまでなら許される ようになってきた
  • 61. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES UIの好みの違い • メイン画面 • コンテンツ・クローム比を極限まで 上げたのが好き • 画面の四隅に小さなアイコンを置く のが主流 • アイコンにテキストを書かない。 • そもそも横文字でテキストが長くな り、収まらない(中韓はOK) • 情報詰め込みを嫌う • スポーツ・SLGなど一部を除くと、 極力数値を見せない • ゲームの演出も出来るだけグラ フィックやバーで見せる ヘイデイ SimCity Buildit
  • 62. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES プレイヤーの立ち位置を明白に • 「プレイヤー」の立ち位置を重視する • 欧米の言語の特性と言ってもいいが、チューター/Quest Giverがプレイヤーに向かって話かけるとき、例えば「市 長」とか、立ち位置を明白にしないと好かれにくくなる • ゲーム内に主人公=プレイヤーが置かれ、その主人公をプ レイヤーが操作する形式もよく取られる。
  • 63. COPYRIGHT 2014 @ UNITY TECHNOLOGIES ご静聴ありがとうございました

Notas del editor

  1. なんすがunityって、ふるくさーいプロからするとイロイロキモくて困ります。
  2. ここにいるみなさんは、コンソールなのかソーシャルなのかはわかりませんが…どちらかというとコンソールの人が多いのだろうなと思って、このスライドを用意しました。
  3. 人月計算はすきじゃないけど、ザッと必要な予算を計算する上ではものすごく役に立ちます。
  4. つまり最低660万円を叩き出さないと会社としては話にならない。
  5. これはあくまで自社内で完結した時で、例えばIPものでIPホルダーに金払わないといけないとかなると、まあ簡単に月最低2000万だの3000万だの稼がないと成り立たないなんて話になります。正直、プラットフォームホルダーの持ってく金が大きすぎると思ってますw
  6. 継続率…ユーザーが「どれぐらい続けてくれるのか?」です。 わからない人がいるかもしれませんので、簡単に言います。 隣の継続率は、いくつかのゲームのデータを持ってきました。海外・国内が混ざっているのですが、グラフは似ています。 ・リリース直後の継続率は高く出るのでアテにならない。
  7. 国内・スマートフォン・男性向け・「ちゃんとF2P用にゲームデザインされている」という前提 この法則はあくまで雑な目安ですが役に立つので簡単な計算をするとき役に立ちます。
  8. 他の数字は奇跡のように同じだとします。通常はプレイする人数が増えると課金率は落ちますが、そこらへんには目をつぶります。 「不可能」ではないけれど、難しい範囲です。
  9. 1か月継続の人でないとお金を払ってくれないとか、ありえない仮定がいくつか入っているので、もう少し楽なのですが、そもそも1年もかけて回収させてもらえないので、実際はもっと難易度高いのです。
  10. この式の開発費には広告費(すなわち人を流入させる施策)が上の式そのものに含まれるので、 スマホでは課金率は8%(月)ぐらいが安全。 ARPPUが5000円以上も考えないほうが安全。
  11. 良く運営の連中は訓練されたユーザーという表現をしますが、パソコンのマニアックな世界では、45%が課金するみたいなモノスゴいことも起こるそうです。
  12. ゲームは40%ほどなので6万分の1ほどになる。 水戸黄門のパチスロの一番難易度が高いのがそれぐらいだそうです。
  13. 売り切りゲームにガチャをつけて、なぜ売れないのか、を説明するわけですね。
  14. 「ゲームは体験である」ってのは、島国大和さんの名言だと思ってますが、体験を分解してみます。 この2つが混ざって出来上がっている。もちろん簡単に分解できるものではないが、基本的な概念として構造をこのように意識すべきと思っている。
  15. ゲームデザインの最初の一歩は、どちらかというと感覚的な体験の方が大きい。
  16. プレイ可能と書いてないことに注意 RPGで店で売っている武器がリアルマネーって課金が一応通用するのが欧米。
  17. 「いわゆるソーシャル」というのは、本来ソーシャルゲームは「SNSを使ってバイラルとかするから、ソーシャルゲーム」の意味で、日本でいう「F2Pで、フレンド誘導導線があって」みたいなのは、本来のソーシャルゲームの定義からはかけ離れているから。
  18. 演出も数字を増やしてレベルを上げて、スゲエ! である。
  19. そもそもマフィアウォーズがそうだったから ウィザードリィ>プリンセスメーカー>マフィアウォーズ>ドラゴンコレクションということ。
  20. 成長体験が面白い、ところにもってきて、ガチャの「何がでるかわからないドキドキ」と、ガチャから出てものがそのまま成長体験に使えるって仕掛け。 破壊的である。
  21. 海外の人たちは、いわゆるガチャの演出がピンと来ないらしく、自分がゲームロフトで作っている時も、リアルなものに寄せようとする傾向があった。 例えばMLPでは風船割りゲームがガチャになっていて、LPSならガムマシン(ガチャマシン)そのものからカプセルが出てくる、みたいな風に。 で、Fallout:ShelterやHearthStoneといった、「ガチャが成功したゲーム」は
  22. この構造はレイド・ギルドなどの多人数形式であっても、基本的には変わらない。
  23. もちろん、実際の運営をする上では、こんな単純なモデルではうまくいかないので、もっと複雑だが、基本的な構造はこういうこと。
  24. 当たり前だが、商品が売れなければ、売り上げは立たないということなので、これは絶対に原則だ。
  25. 商品消費を大量にしてもらうための仕掛けが、ガチャでありイベントあるというだけ。 スーパーマーケットの時限セールと構造的には何も変わらない。 で、このプロセスが5ポチでロジック体験であったために、スゴい速度で回せた、だから売り上げがでたということ。
  26. ソーシャルの人たちは、本当に成長=ゲームと思っている人がいて、こういうとんでもない会話が出てくる時がある。
  27. ガチャそのものの商品力、の話になる。
  28. 特に売却とか分解とかで購入コストに見合わないものになると、無料以外でガチャを回したくないことになる。 (ただし動画広告などで見るCrossy Road型は除く)
  29. 経験値稼ぎをしていると退屈になるとか、 シューティングゲームで弾を食らっても死なない、とか
  30. 本質的にスマホのゲームはネットゲーム 韓国のスマホのタイトルはおおいに参考になる。 感覚的体験・ロジック体験のバランスがスゴい作品が2015初頭ぐらいからゴロゴロ出てくるようになってきた。 日本のいわゆるソーシャルな人たちが苦労しているのが、商売としてのゲームは回せても、感覚部分の体験を作るのがヘタクソだから。
  31. …が、僕はあんまりやりたくない。
  32. ただし小さなゲームは売り上げも小さいので、大きな会社が安定して生き延びるのは難しい