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真のチーム医療の構築を目指して
チーム医療と信念対立
Hirohisa Shimizu
-Concept Book-
Concept Bookについて
本冊子は、真のチーム医療構築を目指して立ち上げた「チーム医療と信念対立」プロジ
ェクトについての開発背景・開発経過を記しています。
また、当プロジェクトのプレゼンやワークショップのハンドアウトでもあり、各々のワ
ークショップでは解説しきれなかった内容を補完する目的もあります。
当Concept Bookは、このプロジェクトの経過によって随時、増補されていきます。
そのバージョンアップの情報、およびワークショップの情報などは、Face BookやSlide
Shareでお知らせ致しますので、Followしてみて下さい。
Hirohisa Shimizu
AHA ACLS G2005 Team Dynamics
チーム医療の定義
チーム医療とは、患者を中心に各種
の医療専門職が、共通の理念を基盤
に、それぞれの専門性を活かし、共
有した目標に向かって協働して医療を
実践することである。(「チーム医
療と看護」川島みどり著)
上記の「それぞれの専門性を活か
し」というのがポイント!
実情
しかし、現状のチーム医療の大半
は、医師がチームリーダーとなり(例
外もありますが)他の職種はリーダー
の考え(医学寄りの信念)の基にサ
ポートするというのが実際。
あくまで医師中心のチーム。
チーム医療というと聞こえがよい
が、コメディカルは医師のサポート役
(手足)であり、多職種であること
の強みが活かされていない。
(*コメディカルという言葉自体が医
師中心であることを示している。)
しかし、それぞれの専門性を活かすの
は、医学的アプローチ(思考)だけ
では不十分。
看護学的アプローチ(思考)などの
各職種毎のアプローチが共通理念の
基に同時的に働いているのが理想。
* 例えば、医師は臨床推論的に鑑別
診断を重視する。看護師は生理
的・フィジカルアセスメント(超
急性期でなければ、現場の調整
(コミュニケーション・倫理な
ど)も含まれる)から重症を見抜
くアプローチ。
* 共通理念は患者安全、共通目標は
「患者の重症に早く気付き、安定
させる」。
すなわち、そこには信念対立が存
在するわけです。それを無理矢理、医
師側の信念側に持ってきているのが
現状。(信念対立を否定しようとす
る)
開発背景
現状
「チーム医療」と言われて久しいが、「チーム医療とは?」と
いう解釈が不明確なままに、言葉だけが独り歩きしている感
がある。
アメリカ心臓協会(AHA)では、心肺蘇生コースにおいて「チー
ムダイナミックス」という概念を提唱し、浸透(?)したよ
うに見える。しかし、「チームダイナミックス」はトレーニ
ングコースの「急変シナリオ」の中でのチームリーダー中心
の役割分担に過ぎない。
これは、本当のチーム医療なのか?
Episode 0
目指すべきは、、、
多職種がミッションのもとに、そ
れぞれの特性を活かしつつ、相乗的
に協働するチーム医療。
それぞれのパートを活かしつつ共
通コードの上で臨機応変に対応して
いく。
そう、まるでJazz sessionの
ような、、、
Gapを埋めるには?
我々は、まず多職種間の信念の違
いを明らかにすることを第1歩と考え
た。
同質性を前提としたチ
ームワークから異質性を前
提としたチームビルディン
グへ!
まずは、互いの職種間の信念対立
を解明するためのワークショップの
企画がStartした。
1)コース目標
★それぞれの職種によるアプローチ
(信念)の違いを理解する。
★互いの信念を尊重したうえでの多職
種間のディスカッションができる。
2)コース手法
①各職種毎のグループに分かれてもら
う。(医師・看護師・薬剤師・な
ど、医師を上級医組と研修医組に分
ければ指導医研修にも応用可能)
②各テーブル毎に「気付きコース」で
使用しているビデオ*(信念対立が明
らかになるように、なるべく重症過
ぎない症例の方が望ましい。)
*病院に到着した患者の様子を模擬
患者(役者)を使って撮影した映像
で、映像から様々な症状・徴候を評
価することを目的として制作。
③各テーブル毎にDVDを視て、どう
いう思考でこの患者にどうアセスメ
ントし、行動するかをまとめる(ア
プローチ法は定型化せず、自由に)
(マインドマップなど使うと、定型
的なアプローチにならず、思考の部分
まで見える化できそう)
④各テーブル毎に発表してもいいし、
ある程度の時間で「ワードカフェ」
のようメンバーを入れ替えるのも良
し。
⑤各職種の信念対立を明らかにす
る。(ここで、各職種が混ざったグル
ープ分けに再編し、ディスカッション
してもらってもよい)
やってみた!
試作コース開催
2012年1月16日∼26日にかけて当
院に救命士の再教育研修の一環とし
て、「プレホスピタルとホスピタルの
信念対立」と銘打ち、救命士と当院看
護師とのグループワークショップを計
4回開催した。
開催報告
「チーム医療とは何か?」という
問いから、ワークショップStart。「個
人個人の能力を協力して行う」など、
予想された回答のなか印象的だったの
は、ある救命士から出た「自分らは、
いつも1つのチームとして動いてい
る。よって、あえて『チーム医療』を
意識したことはない。」との回答。
これは我々の「チーム医療は異質
性を前提とする」という持論と偶然に
も一致するものであった。
続いて、今回のルール説明。特に
縛られることなく、自由に「気づいた
点」「知りたい点」「どう行動す
る?」などを各グループ毎で話し合っ
てもらうよう説明した。
患者(今回は呼吸苦とアナフィラ
キシーショック)DVD*を映写し、そ
れぞれのグループで話し合い、その後
グループ毎に発表してもらった。
(*我々が現在、開発中の「救急外来医学
コース」の導入DVD を使用)
結果
それぞれの職種の発表をホワイト
ボードにまとめると、評価方法におい
て、職種の違いを認めた。
特に、患者評価の部分において両
者の違いが毎回見受けられた。
救急隊の場合、職務上、素早く推
定疾患(重症度だけでない)を導き出
し病院選定、搬送するという職務があ
る。そのため、話せる患者に対して
は、疾患に結びつけるためのいわゆる
「Closed Question」(OPQRSなどの
症状に特化した問診)を用いる傾向に
ある。
一方、看護師側は、疾患を推論す
るというより、重症度について生理
学的に評価する。
つまり、患者に最初に接触するプ
レホスピタルの救命士の方が、後に接
する病院側の看護師よりも臨床推論
的アプローチを用いているという事
が興味深い点であった。
(また、今回「看護師→医師」
「救命士→医師」という報告も行っ
てもらったが、アプローチの違いが
そのまま報告様式にも表れる結果と
なった。)
これは、現在の救急隊の業務のな
かで「病院選定」というものが重要
な位置を占めており、生理学的重症
度だけでなく、疾患によって選定す
る(逆に言えば患者を受けてもらえ
る)必要があるからであり、このア
プローチはむしろ医師のアプローチ
に近い。また、最近の救急活動のコ
ミュニケーションに関する書籍を見
ても、医師側が救急隊に「予想され
る疾患名」を求めている。
追加モジュール
今回、救急隊と病院側の信念対立
の場面として多いと思われる「患者
収容要請の電話」にスポットをあ
て、「理想的な患者収容要請と
は?」について話し合ってみた。
方法として「救急活動コミュニケ
ーションスキル(坂本哲也 他著)」
を用いて、書籍中で、良い例・悪い例
とされる報告について話し合っても
らった。
書籍中で「良い例」とされる報告
例は様々な疾患に結びつくKeyword
が散りばめられているが、救命士の
グループからは「こんなに疾患を断定
していいのか?」「医師によって推測
疾患名を求める場合と、疾患名を出
すと機嫌を損ねる場合がある。」と
の意見が出た。
この書籍中の「良い例」は医師に
よって書かれたものであり、医師側
の信念に近づけようと取れなくもな
い。今後、医師グループ含めたワーク
ショップ開催の必要性を示唆すると
言えよう。
看護師の患者評価
救命士の患者評価
多職種による信念対立ワークショッ
プの開催
今回は、救命士と看護師のみの参
加であったが、今後この試みを多職
種、また同職種であっても、「指導
医VS研修医」「急性期病棟看護師VS
慢性期病棟看護師」など、様々な医
療スタッフ 参加のワークショップを
開催していきたい。
また、今回のワークショップで
は、評価・報告の違いを明らかにす
るものにとどまったが、今後もっ
と、それぞれの職種毎の思考にまで
お互いが気づくようなファシリテー
ションが必要と感じられ、今後の課
題と思われた。
医師中心のチーム医療からの脱却
現在「チーム医療」と呼ばれてい
るものは、医師がリーダーで他の職種
は「チームメンバー」という名の医師
の手足となり、医師の価値観・アプ
ローチに基づいて行動している。
医師と看護師の役割について興味
深い記述がある。*それは、看護師
の活動は「治療的環境を整えるこ
と」すなわち「安楽で心地よい物理
的環境を作り出すことから、説明し
たり、安心させたり、理解したり、
支えたり、受け入れたりするとい
う、より直接的に養育的な活動にま
でわたる。これらの行為は、患者の
緊張度を低め、患者に直接的満足感
を与えるというところに主たる意味
がある。」といい、また、「診察し
たり、診断したり、処方したり、治
療したりという医師の活動は、直接
的には患者に満足を与えない。患者
はこれらの活動が回復にとって必要
であるとは理解しているが、それ自
体は、困惑させる、痛みのある、不
安を引き起こすものであると、感じ
ている。」とある。(川島みどり著 
「チーム医療と看護」看護の科学
社)
(*M.ジョンソン&マーチン 稲
田八重子他訳「看護婦の役割につい
ての社会的分析ー看護の本質、現代
社1981.)
つまり、医師という職種は診断・
治療における専門職であって、全体
を見て、場をコーディネイトするとい
うのに必要なGeneralな視点は持ち合
わせていないということになる。
そういった意味において、医師は
治療の指示をだす「コマンダー」に
はなり得ても「チームリーダー」には
決して適任とは言えない。
チームリーダーは場面により、変
化、時には看護師が、時にはケアマ
ネーシャーが、また患者自身がリー
ダー(在宅療養などの場合)とさえな
り得るのである。
今後、それぞれの職種の「信念対
立」を解明することによって「医師
中心のチーム医療からの脱却」「異
質性を前提としたチームの構築」に
つなげていきたい。
今後の展開
「信念対立解明アプローチ」@チー
ム医療推進協議会
2012年2月6日にチーム推進医療
協議会主催で行われた京極真先生の
講演を聴いてきました。今回は特に
「チーム医療における信念対立」に
ついて講演頂き、京極先生ともお話
しする機会も持つことができ、今
後、我々の活動のなかでご指導頂こ
うと思っております。
『チーム医療」における信念対
立
チーム医療を行うにあたって信念
対立が生じる場面は、
①患者と専門職中心という相反する
信念の衝突
②チーム医療のリーダー的役割を巡る
信念の衝突
③コミュニケーションの価値を巡る
信念の衝突
などである。
信念対立解明
京極氏は「解決よりも解明を重
視」と強調する。
解明とは、「問題が発生する条件
を変えることによって、問題が問題
化しないように終わらせること」
で、時として問題をさらに強化させて
しまう解決とは異なるものである。
信念対立解明アプローチ
Episode 1
チーム医療における信念対立の
問題点
我々は、ついつい「チーム医療の
実践方法」という方法論から学習し
ていく。そうすると「正しい実践」
(実際には、実践はやってみなけれ
ば分からない)があるという確信に
ため、信念対立が起こりやすくな
る。
チーム医療における信念対立解
明アプローチ
重要なのは、「方法論」でなく、
「目的」から入り、それを共有する
ことである。つまり、「きっかけは
何?」「状況は?」「何の為に?」
「目的は?」といった問いかけか
ら、共通の目的・状況を共有するこ
とが重要。
次に、そこから「さしあたり(実
際には確実な実践は存在しないの
で)有効なやり方は?」と方法を探
っていく。
「誰がリーダーか?」「患者中心?
専門職中心?」
チーム医療において最も信念対立
が起こりやすい問題だが、この回答
は、状況と目的によって変わる。
つまり、「状況と目的」
によってチーム医療のやり
方を変える必要がある。
一方、このやり方は多様性を保証
できる反面、チームを突き動かすド
ライバーに欠けるとも言える。そこ
で、重要なのが共通の状況・目
的の共有である。実際には、
「我々(私)の今の状況は、〇〇〇
だけど、、、」などと、言語化し、
強調していく行為が重要である。こ
れが、京極氏の言う「回路を繋いで
いく」作業となる。
京極氏は著書の中で、信念対立解
明アプローチを「解明術壱号」「解
明術弐号」「解明術参号」に分け
(次ページスライド参照)、解明術
壱号は「契機と志向性を意識化す
る」行為で、解明術参号は「人々の
回路を繋ぐ(共通の状況・目的の共
有)」行為であると説明している。
今後のチーム医療のあり方
京極氏の主張のように、チーム医療
のやり方は、状況と目的によって変わる
べきと思われる。(例1:「超急性期」
なのか?「慢性期」なのか?)(例2:
心肺蘇生においてはACLSのような一人
のコマンダーをリーダーとしたアルゴリ
ズム的が適しているが、慢性期疾患で
は、Ns中心のチームが適しているかも
しれない)
つまり、チームの方法論を一定化す
るのでなく、多様性に富んだチーム医療
(その部分においては認知プロセスの強
化が重要かもしれない)
そして、チームの多様性を保証する
一方で、今まで以上に共通した状況・目
的の共有を図ることが重要となる。
今後、今までのようなアルゴリズム
をなぞるようなシナリオベースのシミュ
レーション訓練だけでは不十分で、その
ための方法も再度検討していく必要があ
ると感じた。
今後、様々な方々の意見を伺いなが
ら、より良い方向性が見いだせればと思
います。
チームビルディングワークショップ
チーム医療プロジェクト
真のチーム医療構築のために、ま
ず第一歩として「信念対立解明アプ
ローチ」ワークショップの開発に着
手したが、もちろんそれだけでは不
十分である。
今回、我々は「チーム医療プロジ
ェクト」の構成要素として、多職種
や立場の違いによって生じる信念対
立を解明する①「信念対立解明アプ
ローチ」ワークショップ。異質性を前
提としたチームビルディングに重点を
おいた②「チームビルディング」ワー
クショップ。また、「真のチーム医療
構築」のためには、個々の変化だけ
では不十分であり、「組織をどう、
変革・成長させていくか?」に趣を
おいた③「ホールシステムアプローチ
(学習する組織)」ワークショップ
(仮)を3本柱として考えた。
「チームビルディング」ワ
ークショップ開発
「チームビルディング」ワークシ
ョップを企画するのあたり、理想の
チームビルディングの姿、および、現
状とのGapを埋めるための方略をブレ
インストーミングした。
コンセプト:
「異質性を前提としたチーム医
療」というコンセプト。そのために
は、「信念の多様性を保証」では、
片手落ちで、チームとして協働的に動
くために、より強い「目的・状況の
共有」が重要となる。「尊重」「共
感」「対話」というキーワードが考
えられ、特にディベートではない「対
話(ダイアローグ)」が重要と考えら
れた。一方で、「目的・情報の共有
手段」は具体的にどうするかが検討
課題となった。
コース目標:
下記の項目をコース目標として挙
げた。
①病態変化(の予兆)に気づくこと
が出来る。
②適切な初期対応(処置・報告・招
集)ができる。
③Communicationと適切な役割分担
ができる。
④リスクを最小限にする場のコン
トロールが出来る。
この目標を大きく分けると2つの状
況確認と安定化すなわち
①患者の状況確認・安定化
②場の状況確認・安定化
であり、特に②については今までの
既存のコースでは、あまり触れられな
かった部分であり、今回重要視する
部分である。
①患者の状況確認と安定化
患者の急変の予兆を早期に認識する
いわゆる「気付き」からはじまり、
適切にACDAサイクルをまわすのは、
既存コースでも示されてきたが、今回
のワークショップでは、チームリーダ
ーは医師以外を想定しているため、
「Decision Making」を重要視した。
医師以外の職種(おもにNs)が
Decision Makingをする際には、様々
な障壁が存在する。
今回のワークショップでは、この部
分をいかに克服するかがkeyの1つと
言える。
Episode 2
②場の状況確認と安定化
今回の構想の特徴でもあるが、今ま
では医療的指示を出す「コマンダ
ー」が「チームリーダー」であった。
しかし、医療的指示が適切であって
も「チーム医療」はうまく機能しな
い。コマンダー=リーダーで必ずしも
ある必要はなく、上手く場をコント
ロールする能力がリーダーには求めら
れる。そのために、
①Task Management
②Situation Awareness
③Communication
という能力が必要であり、これらを
コース内にどう埋め込み、評価してい
くかが課題である。
Decision Making
コース方略
従来の超急性期病態のコースにあ
るようなアルゴリズムをなぞるよう
な方法はとらない。
なぜなら、今回の目指すべきチー
ムとは、病態や経過によって臨機応
変に変化していくチームであり、それ
は、施設によっても(組織体系・マ
ンパワー・地域性など)目指すべき形
態が変化するものであり、それは画
一化されたアルゴリズム至上主義の
コースでは達成出来ないからである。
(部分的にはアルゴリズムを用いる
部分もあるかもしれない)
実際には、
①ある場面(従来のコースよりは時間
的に余裕があるような病態から導入
を考えている)を想定したストーリ
ー(DVDなどで提示)を導入として
用いる。
②①の提示ストーリーを題材として
「異質性を前提としたチームビルディ
ング」について話し合う。(以下)
a)「それぞれの職種の立場で発揮でき
る力(処置・報告・処置)はなにだ
ったか?」(自身・他者の役割)につ
いて話し合う。
b)「この場の共通した目標は何だった
か?」を話し合う。
c)「協働するとは何か?」を話し合
う。
③提示ストーリーについて、気付き
→Categorize→Decision Making→報
告(患者の評価・安定化だけでな
く、場を評価し、安定化することも
同時に行う)の流れをNsをリーダー
としてやってみる。
方法としては、
a)マネキンを使ったシミュレーション
b)机上訓練:災害医療訓練(例:
Hospital MIMMS)のように、それぞれ
の施設にあったマンパワー・組織形
態・急変時対応体制に沿って、(Dr
がすぐに来ない場合やDrが専門医の
場合、研修医の場合など、その施設
毎によくあるケースを設定)話し合
う。時間軸によってチーム形態も変
化(災害医療時の「折りたたみ可能
な組織」のように)
c)チームビルディングのロールプレ
イ:それぞれが医師役・Ns役などを
演じる。(それぞれの職種・職歴・
性格などの背景を設定)その後、お
互いに気づいた点をディスカッショ
ン。
今後の課題
今後、試作コースを展開しなが
ら、改善点を見いだしていくことに
なるが、現時点での問題点は、「チ
ームビルディング」ワークショップの
評価方法をどうするかという点。
また、この「チーム医療構想」に
は、組織側の変革も必須であり、現
在、「ホールシステムアプローチ(学
習する組織)」ワークショップも企
画中である。
毎日のように繰り返される不毛な会議。
医療関係者は対話・問題解決が苦手。と
かく方法論の議論に陥りやすい
信念対立解明アプローチ入門編
として
職種毎の信念の違いを明らかに
し、理解した上で、真のチーム医療を
構築するには信念対立解明が必要とな
る。しかし、我々、医療関係者は対話
や問題解決が苦手であり、結論の出な
い(結論が出ても全員の総意でなく、
意見の強い者の意見が押し通る場面な
ど多々みられる)不毛な会議など、そ
の典型例である。
医療者どおしの議論はとかく方法
論に陥りやすい。
問題とは、「望まれた事柄と認
識された事柄の相違」であり、問題
解決には「目標」と「現状」の把握が
先決であり重要となる。しかし、医療
者どおしの議論は、とかく方法論に陥
りやすく、これはチーム医療における
信念対立においても同様である。そこ
で、まず「信念対立」に限らず、問題が
生じた際の問題解決アプローチを学ぶ
ことから始めてみた。
組織ファシリテーションとして
既存のコースや教材は、大部分が
個人それぞれのスキル(認知・運動ス
キルやコミュニケーションスキルな
ど)を向上させるのが目的であり、草
木(人材)一本一本を対象にしたもの
と言える。一方、今回の問題解決アプ
ローチの改善は、いわゆる組織の
「場」(Social Field)を耕す行為と言え
る。「真のチーム医療」を実現するに
は、個々のスキルアップも重要だが、
問題(望まれた事柄と認識された事柄
の相違)が生じた際に、対話がしやす
い「場」であることが重要で、そのよう
な「場」でなければ、多職種のスキル
の総和以上のものを生み出すことは難
しい。今回の「問題解決アプローチ」
を組織毎に行うことが、真のチーム医
療を構築する組織づくりに有効と考え
た。
コース方略の転換
Social Fieldを耕す
Episode 3
ワークショップ方略
思考ツールの利用
1.MIND MAP
1-1 Mind Mapとは?
ワークショップツール
今回、我々は受講生の深層の意識にアプローチするために様々なツールを利用した。
具体的には
1)MindMap(職種毎の信念対立を明らかにする)
2)デザイン思考(問題解決)
3)U理論(深層心理・思考へのアプローチ)
などのいくつかのツールを組み合わせて利用した。
Mind Mapについて
マインドマップは、英国の教育者トニー・ブザンが開発した自然な形で脳の力を引き出す思考
技術です。
それはまさに自然を模倣したかのように放射状にノートを取る方法で、思考が整理され、記憶
力が高まり、発想力が飛躍的に向上するなど、さまざまな能力を高めることができます。
ビル・ゲイツ、アル・ゴアをはじめとするグローバルリーダーが活用していることでも有名
で、また、IBM、ディズニー、BMW、ナイキなどの国際企業では研修が行われ、マインドマッ
プで会議が行われることもしばしばです。
1-2 Mind Map活用の利点
Mind Map活用の利点
Mind Mapは複雑に同時進行する思考・行動を
表すのに適していると言えます。
また、MindMapは、右脳も活用することから、
行動に表れない水面下のスキルや思考経路を表現で
きることから、本人達も気づかない各職種毎の思考
経路・視点の違いなどを表出するのに適しており、
今回、自分達も気づかない信念対立を明らかにする
のに有効なツールであった。
2.問題解明ツール
デザイン思考・U理論の応用
今回、信念対立を解明する第一歩として、問題解決
のアプローチ法を学ぶワークをまず取り入れた。
我々、医療者どおしの議論は、とかく方法論に終始し
がちになる。今回のワークでは、例題を通して表面的
な問題の捉え方でなく、「問題を抱えているのは誰
か?」「あなたの問題の本質は何か?」という問いを
突き詰めることにより、それぞれの固定観念の枠組み
を越えた問題の本質を捉える事が出来た。
また、信念対立を「解決でなく解明」するために
は、お互い、「行動→態度→価値観」さらには、本人
さえも自覚していない深層心理まで掘り下げることが
必要である。これには「U理論」および「デザイン思
考」のツールが効果的であると考えた。とくにデザイ
ン思考で使われる「共感マップ」は対立相手側が「何
を見て」「何を感じて」「何を考え」「何を聞いて」
「何の行動をとるか?」という事を相手(時に自分)の
立場に立って、表出するツールであり、コレが京極氏
の言うところの「諸志向」「諸契機」の掘り下げ、
「連携可能性の確保」(共通認識・共通目標の確認)
に有用であると思われた。
共感マップ
U理論
デザイン思考
職種による視点の違いを
MIndMapで描出
今回は、NST研修の一環でもある
ことから、NSTの症例呈示を行い、
それぞれの職種のグループ毎で、気に
なる点(重視したい点)をMindMap
で抽出。それぞれMIndMapを全員で
鑑賞(ただ、字面だけ追うのでな
く、まるで草花を観賞するかのよう
にMindMapのブランチの分かれ方・
伸び方まで五感で感じるように)
し、その後お互い感じた事をシェア
した。それぞれが職種毎の視点の違
いを感じたようだった。(相対可能
性の確保)
共感マップを用いた対立解明
次に、個人個人で信念対立のケー
スを挙げてもらい、その中からグル
ープで一例ずつ選んでもらった。
「NST導入したいNsと抵抗する
Nsの対立」や「上司と部下の対立」
「プライベートでの同性どおしの対
立」に至までテーマは多岐にわたっ
た。
それぞれのケースについて、グル
ープ毎に対立相手が「何を見て」「何
を感じて」「何を考え」「何を聞い
て」その結果「どういう行動をとっ
てるのか?」という項目毎に、相手の
立場になって「共感マップ」上に展
開。その上で、自分の「共感出来る
部分と出来ない部分」を洗い出し、
それぞれを深層心理まで掘り起こ
すようにファシリテーション(U理論
やNLPの技法を利用)することで、そ
の場(他のグループ含めて)(時には
自ずから)から、解明策が発現し
た。(連携可能性の確保)
共感マップの今後の活用展開
職場での学習、また職場の組織・
環境改善をするためには、デブリーフ
ィングで、気づいたこと、疑問、発
見、学びを安心してグループで話し合
える事である
ワークショップ開催
「チーム医療と信念対立」ワークショップ開催
 今回、我々は当院で行われた「NST専門療法士研修」のカ
リキュラムの中で「チーム医療と信念対立」ワークショップ
を開催した。参加者は、医師・看護師・薬剤師・検査技師・
栄養士・事務職と職種は多岐に及んだ。
MindMap
共感マップ
Episode 4
デブリーフィングの方法について
は、いくつかあるが2008年ピッツバ
ーグ大学医学部のWISERシミュレー
ションセンターでは、AHA(アメリ
心臓協会)と共同開発し、デブリーフ
ィングの方法を3つの段階に分けた
「G.A.Sメソッド」(別表)を提唱し
ている。
このG(情報収集)の段階で共感マ
ップを使用することで、表面的な情報
にとどまらず、思考経路の深い部分ま
で掘り下げ事ができ、より効果的な
デブリーフィングが出来ると考えら
れ、今後活用予定である。
今後の展開
今回は「信念対立解明アプローチ」入門
編という位置づけで、解明術のまえに「問題
解明アプローチ」 を学ぶワークショップを
展開した。
今後は、この入門編の続編として実際の
臨床現場における信念対立ケースを題材に
「解明アプローチ」ワークショップを検討中
である。
具体的には、
①まずは良くある信念対立場面のDVDを
上映し、これを題材に解明アプローチの方法
を学ぶ。
②次に、それぞれが抱えている信念対立
ケースにたいして解明を行っていく。
このワークショップ個人個人がOff the
Job Trainingとして学ぶというよりも、施設
毎で開催することにより、組織ファシリテー
ションともなり有効であると感じており、今
後、施設毎の開催を検討中である。
また、このような「信念対立解明アプローチ」
ワークショップ受講後に、Episode2で触れ
た「チームビルディング」ワークショップを
経験することで、ワークショップが効果的と
なり、より活発な対話が期待でき、実臨床に
も役立つものと思われる。
真のニーズへのアプローチ
「信念対立解明アプローチ」を行
うに当たって、共通の目的を掘り下
げていくことが重要であることは前
述した。今まで、対立相手の人物象
を掘り下げニーズを探るために「共感
マップ」などのツールを活用してき
た。このツールは人物象を掘り下げ
ていくのに有用であるが、対立相手
の深層心理の臨み(ニーズ)に り着
き対立解明に至るまでには、使いこ
なしの慣れが必要で、ファシリテー
ターの介入が必要であった。
氷山モデル
オランダの教育学者F.コルトハー
ヘンは「教師教育学」の中で「氷山
モデル」というものを用いて説明して
いる。どうしても、我々は目に見え
る行動のみに注目しがちだが、その
深層には、思考があり、その深層に
感情・(意識下・無意識下の)望み
(ニーズ)が存在する。
信念対立を解明する上で、この表
面の行動ばかりに注目してしまう
と、対立は解明されない。逆に言え
ば、自分(実は対立を起こしている
のは、自分に向き合ってない事が問
題で、それにより事実を歪めている
事が多々ある)と相手の思考・感情
と掘り下げていく事で、お互いのニ
ーズへ り着く事が出来る。
意外なことに、対立する相手と自
分のニーズは一致している(実は自分
の真のニーズに向き合っていないため
に、同じニーズをもった相手に過剰に
反応してしまう。)場合が多い。
同じようなモデルはピーターセン
ゲの「学習する組織」の中でも述べ
られており、氷山の一角である「出
来事」だけに目を向けるだけでな
く、その深層を掘り下げていくのが
重要であり、「メンタルモデル」への
アクセスの重要性を述べており、こ
れはオットーシャマーの「U理論」に
通ずる。
コース改訂(リアリスティックアプローチの応用)
Episode 5
F.Korthagen
氷山モデル
PDCAサイクル
ALACTモデル
また、コルトハーヘンはこの氷山
モデルをALACTモデルを提唱する中
で用いている。ALACTモデルとは、
「経験における理想プロセス」とし
て、提唱されている。
よく医療現場で用いられている
PDCAサイクルとの違いは「省察」と
いう部分を強調し、踏み込んでいる
点である。(従来のPDCAサイクルで
は、CHECK(監査)の質が保証されな
い)
コルトハーヘンは、「経験による
学びの理想的プロセスとは、行為と
省察が代わる代わる行われるもので
ある。」とし、経験による学びのプ
ロセスを5つの局面に分けた。第1段
階の「行為(action)」に始まり、第2段
階の「行為の振り返り(looking back
on action)」、第3段階の「本質的な
諸相への気付き(awareness of
essential aspects)」、第4段階の「行
為の選択肢の拡大(creating alternative
methods of actions)」、第5段階の
「試行(trial)」へと続く。このモデル
の特徴は、第3段階の「本質的な諸相
への気付き」の後に「行為の選択肢
の拡大」が続く点であり、これによ
り、第5段階の「試行」は第1段階の
「行為」と異なり、ALACTモデルの
次の円の第1段階の「行為」となる。
つまり、理想的な省察は、延々と続
くスパイラルのようにALACTモデル
上を動き続ける。省察を促すことの
最終的な目標は、学習者がALACTモ
デルのサイクルを自立的に れるこよ
うになることである。つまり、自ら
成長する能力を身につける事にな
る。この理想的な省察により経験に
よる学びのスパイラルを延々と動かす
事が、複雑さと不安定さをもった医
療現場において「省察的実践家」を
育成するのに適していると考える。
(*D.ショーンは、建築デザイナー、
精神療法家(医師)、自然科学者、
都市プランナー、企業のマネジャー
の仕事を観察し、専門職が現実に直
面する問題状況においてはその複雑
さと不安定さによって把握そのもの
が困難であり、しかもさらにその把
握には価値観の 藤も避けがたいと
述べている。その上で、この既存の
知の「適応」に対して、より複雑な状
況の中で新しい状況把握のフレーム
を求めるプロセスが重要であると
し、これを「行為の中の省察」と呼
び、これを実践する人々を「省察的
実践家(reflective practitioner)」と呼ん
だ。)このALACTモデルにおける第2
段階 (行為の振り返り(looking back
on action) )から、第3段階 (本質的
な諸相への気付き(awareness of
essential aspects))を適切に行う為
に、感情・ニーズの描出は非常に重要
である。
言い換えると、感情・ニーズの描出を
含めた省察は、このALACTモデルの
を推進し、「自ら学習し成長する組
織」形成へ繋がると言える。
実際、現場での日々の振り返りツー
ルとしても、自己省察能力を上げる
為に非常に有効であり、今までの目
に見える行動ばかり重視しがちな振
り返りに較べて、有効であり、今ま
での振り返りと違って個人で省察を
行うのにも適している。
ALACTモデルの利用(経験学習・組織成長の面から)
ALACTモデル
信念対立解明の実際
リアリスティックアプロー
チの応用
では、実際に「信念対立解
明」において、コルトハーヘンのリ
アリスティクアプローチを応用してい
くか述べていこう。前述したよう
に、「信念対立解明」においてお互
いの共通のニーズにまで り着くのは
重要である。この際、「氷山モデ
ル」の各層即ち、「行動」→「思
考」→「感情」と表出させていくこ
とが、「ニーズ」に り着く上で重要
となる。
NVC(Non-violent
Communication)
しかし、実生活において我々は、
「感情」を現すことが実に下手であ
る。「感情」のボキャブラリーが少
ないのだ。マーシャル.B.ローゼンバ
ーグは著書「NVC∼∼人と人との関
係にいのちを吹き込む法∼」の中
で、現代人の感情について表記してい
る。
∼我々は、生きていく上で、どん
な瞬間も身体を使って、何らかのニー
ズを満たそうとしている。そのニーズ
は当然、満たされる場合もあれば、
満たされない場合もある。そして、
本来、満たされれば祝うし、満たさ
れなければ悼むのである。それが、
次なるエネルギーの循環を生み出
す。」しかし、実際には我々は感情
より先に、「∼すべき。」とか「∼
した方が良い。」という評価のほう
を優先させ、自分の感情に蓋をして
しまう。そうしてしまうと、祝う事
をしないので、満たされない場合だ
けにフォーカスがあたるばかりか、
その場合の「悼む」という感情にさ
えも蓋をして、「イライラしている自
分」や「相手」を攻撃するのであ
る。∼(いわゆるViolent
Communication)
感情の再学習
このようなViolent
Communicationは、「価値観」どお
しの争い(正確には、その人の価値
観に基づいた「判断の声」によ
る争い)となり、信念対立解明には
結びつかない。しかし、われわれ
は、自分の「判断の声」に支配され
て生活していることが多い。自分の
感情と向き合う機会が少ないし、感
情を表すボキャブラリーが実に少な
い。そのため、自分の感情と向き合
うトレーニングが必要となる。
感情再学習トレーニング
では、実際に、感情の再学習トレー
ニングをどう行うかみていきたい。
1)信念対立シナリオを用いた練習:
実際によくある「信念対立の場面シナ
リオ」を用いた練習。
①まずは、練習として、よくある
「信念対立の場面シナリオ」を用意す
る。このシナリオには、対立の当事者
の会話だけでなく、「行動」「思考」
「感情」などが、それぞれの立場で日
記のように綴られている。(つまり
は、登場人物の人数の数だけ、非腟の
場面についてシナリオが存在する)こ
のシナリオに、氷山モデルの層に従っ
て「行動」「思考」「感情」とマーカ
ーなどを使って色分けする。その上
で、登場人物それぞれの深層のニーズは
何かについて話し合う。
②次に、また、「信念対立の場面シ
ナリオ」を使用するが、①との違い
は、このシナリオには、目に見える行
動と会話以外は描かれていない。学習
者は、それぞれの登場人物の会話の行
間を埋めるが如く、「思考」「感情」
を挿入していく。その上で、登場人物
それぞれのニーズにアクセスする練習を
行う。
2)ロールプレイによる信念対立解明
1)-②と同様のシナリオを用いて、
今度は、それぞれの登場人物の役をロ
ールプレイで演じてみる。この際、演
じながら、自分の中に湧き上がってく
る感情に注意し、向き合い、味わい尽
くすことが重要。そうしながら、役を
演じきった後で、自分の中から沸いて
くるニーズを捕らえる。次に役割を交代
して、同様に演ずる。そして、それぞ
れの役を演じた時に沸いてきたニーズ
について話し合う。(深刻な対立ほ
ど、そのニーズは共通している場合が多
い。)
そして、対立解明の方法について対
話する。
実際にやってみると「自分の感情と
向き合う」ということ、そして、それ
を表現する難しさを感じる。そのた
め、最初は、感情の表現のリストなど
を用いて練習すると良い。
感情リスト
エンパシーサークル(ニーズカード)
Uプロセスを用いた信念対立解明
Episode 6
なぜ、信念対立は解明が難し
いのか?
信念対立は医療現場に限らず起こり
得る。そして、「信念対立解明」に対し
ていくつかのワークショップを開催して
きたが、実際に臨床現場において解明す
るのは難しい。それは、何故だろうか?
以下の要素を考えてみた。
1)問題の複雑性
2)歪曲レンズの存在
3)メンタルモデルの存在
1)問題の複雑性
問題は、その性質によって、①ジグ
ソーパズル型問題と②ルービックキュー
ブ型問題に分けられる(実際には、両者
が混在している)
①ジグソーパズル型問題(技術的な
問題(煩雑な問題):課題解決に高い技
能が求められても対象だけにフォーカス
し問題解決出来る。(例:ロケットを月
に飛ばす)*PDCAサイクルを回すことで
解決が可能。
②ルービックキューブ型問題(複雑
な問題)(適応を要する課題):自分自
身が、問題の原因の一部として組み込ま
れていたり、問題の全貌が解らない為
に、「認知の死角」にも原因が存在す
る。(例:子育て、人間関係)
医療現場における問題(信念対立含
む)は、一見同一な問題に見えても実は
複雑さと不安定さによって把握そのもの
が困難であり、しかもその把握には価値
観の 藤も避けがたい。(D.ショーン
「省察的実践とは何か」)
そして、その複雑さ故に、自分が問
題の当事者という事を忘れて部外者の仮
面をかぶりやすく、これが信念対立解明
を難しくする。
「実は皆が当事者」
2)歪曲レンズの存在
誰もが生活している中で、ある一言
でカチンときたり、ある相手の言動に
は、なぜかイライラしたりするといった
経験はないだろうか?
そんな時、我々は事実をありのまま
に観ているのだろうか?
実は、我々はすべての現象(見える
もの、見えないもの含めて)を認知でき
るわけではない。特に、自分の行動(表
面的なものだけでなく、雰囲気など含
む)と相手の認知は「自分では認知出来
ない領域」となる。相手も同様であり、
我々はお互い盲点を持った状態でコミュ
ニケーションを取ってるのである。この
Gapは、コミュニケーションの量だけで
は埋められない。(フォローしようとす
ればするほど、悪循環にはまっていく経
験は誰にもあるだろう)
煩雑な問題と複雑な問題
認知に限らず、我々の脳は全てを捉
えている訳ではない。音声にしても、
聴きたい音だけを増幅したり、実際に
見えていない部分を補完する機能を持
つ。認知の部分について我々は、相手
の言動を「ありのまま」に受け取らず
に歪曲したレンズ(以降、深層歪曲レ
ンズ)を通して捉える場合がある。
これは、決して悪い作用ばかりで
なく、医療においては批判的吟味など
有用である場合もある。
それでは、先程述べた我々が「カ
チン」と来る場合はどんなレンズを通
っているのだろうか?
この場合の深層歪曲レンズは以下
のようなレンズを通るとされる。
「私は相手に…
①攻撃されている。
②見下されている。
③否定されている。
④解ってもらえていない。
⑤避けられてる。
このような場合、我々は、批判・
侮辱・自己弁護・逃避などの反応的態
度を取るとされる。(ジョン.M.ゴッド
マン)これは、自己防衛のための反応
の一つでもあるのだが、時として人間
関係をより複雑にしてしまう。まさ
に、自分も問題の片棒を担いでいると
言える。
3)メンタルモデルの存在
我々は目に見える行動のみで問題
を捉えがち(しかも、歪曲レンズを通
して)だが、それは、氷山の一角に過
ぎず、その深層には思い込みや固定概
念といった意識・無意識の前提(メン
タル・モデル)が存在する。
このメンタルモデルの存在が対立を
深める原因になっており、この深層に
アクセスする事が信念対立解明におい
て重要である。
Uプロセスを用いたワークシ
ョップデザイン
今回、我々は、ワークショップをリ
デザインするのにあたり、O.シャーマー
の提唱する「U理論」を基に組み立て
た。
Uプロセスの活用
今回は、ワークショップ全体のデザ
インとしてUプロセスを使用した。
Uプロセスとは、まずありのままを
観る事から始まる。通常、我々は物事を
観察したり、人の意見を聞くときには、
自分の価値観などと照らし合わせなが
ら、「評価・判断の声(VOJ)」を持ちな
がら観ている。このVOJや「あきらめの
声(VOC)」を保留(Co-intiating)する事
によって、「あるがままを観て感じる」
事が出来る。そして、「個々が十分に感
じ、それを共有する」(Co-Sensing)。そ
の際に、お互いの固定概念・思い込みと
いったメンタルモデルを手放し、そこか
ら現れるものを具現化・実体化していく
(Co-Creating)。
今回のワークショップでは、Uプロ
セスの各段階を踏むのに適したワークを
配置するとともに、各々のワークの構成
も「話す・聴く→感じる・共有する→一
緒に創り出す」という「小さなUプロセ
ス」を踏むように構成した。
ワークショップのリ・デザイン
Uプロセス
リニューアルワークショップ開催
Uプロセスを用いたリニューアルワークショップ
NVC
(Non-Violent Communication)
「ありのままを観て、感じる」ため
には、「感情・ニーズへのアクセス」が
重要である。我々は、目に見える行動の
深層に思考・感情・ニーズがある。しか
し、我々は幼少期から感情を抑えること
を教えられ育ってきた。そのため、「∼
せねば」とか「こうあらねば」という
「評価・判断の声(VOJ)」が先立ち、自
分の感情と向き合うことを阻んでいる。
今回は、NVC(Non Violent
Communication)で使われるエンパシー
サークルという手法を用いた。これは、
3~4人一組となり、それぞれが、ストー
リーテリングを行う。その上で、見えて
くる感情・ニーズを表出するのをグルー
プのメンバーがサポートする手法で、内
省に対して慣れていない参加者でもサポ
ートを得ることで、比較的容易に自分の
感情・ニーズにアクセスしやすい。
ワークショップ構成
リアリスティック・アプローチの
応用
オランダの教育学者F.コルトハーヘ
ンは「教師教育学」の中で「氷山モデ
ル」というものを用いて説明している。
どうしても、我々は目に見える行動のみ
に注目しがちだが、その深層には、思考
があり、その深層に感情・(意識下・無
意識下の)望み(ニーズ)が存在する。
信念対立を解明する上で、この表面
の行動ばかりに注目してしまうと、対立
は解明されない。逆に言えば、自分(実
は対立を起こしているのは、自分に向き
合ってない事が問題で、それにより事実
を歪めている事が多々ある)と相手の思
考・感情と掘り下げていく事で、お互い
のニーズへ り着く事が出来る。
今回のワークでは、お互いの実際に
あった信念対立の場面のシナリオを持ち
寄ってもらい、実際の目に見える言動の
行間の思考・感情を埋めていく作業を行
った。
その上で、お互いのロールを取るワーク
を行いながら、その中で新たに出てくる
感情・ニーズと向き合い、解明策を探し
ていく。対立が深刻なほど、実はお互い
同じニーズから発生している事が多く、
この作業を深く掘り下げる事が重要とな
る。
氷山モデル
F.Korthagen
メンタルモデルへのアプロー
チ(ITC MAPの利用)
実際にこの「信念対立解明」を
行っていくと、最後の障壁となる
のは、お互いの思い込みや固定概
念などのメンタルモデルの存在であ
る。これには、ちょっとした思い
込みから、幼少期のトラウマから
生じるものなど、多種多彩であ
る。
今回は、メンタルモデルに比較
的容易にアクセスできるImmunity
to Change(ITC) MAPを用いてワー
クを行った。
ITC MAP
ITC MAPとは、発達心理学の権
威ロバート・ギーガンの提唱する
もので、プラットフォームを用い
て、比較的容易にメンタルモデルに
アクセスできる。
①まず、各々の困っている問題
を呈示し、その改善目標を抽出す
る。
②その改善目標を阻害している
自らの行動を抽出。
③②の阻害行動を取らないとし
たら、不安や怖れになることを抽
出し、そこから、自分の意識下に
ある裏の目標を導き出す。
④③の裏の目標から、メンタル
モデルを読み取る。
急に、全ての人がメンタルモデ
ルに り着くわけではないが、少
しのサポートで り着く事が出
来、自己トレーニングが出来る利
点がある。
Uプロセスの応用
医療現場への応用
このUプロセスは、「信念対立解明」だけでなく、医療現場での
様々な問題解決に応用可能である。
深刻な対立場面だけでなく、「ありのままを観て、感じる」だけで
も、患者さんとの共感や日々の会議に今までにない変化を及ぼし、医療
者自身も自分で歪曲して作り上げたストーリーに苦しむ事から解放され
るのではないだろうか?

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