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1 de 35
臨床試験における欠測発生の予防法
専修大学人間科学部心理学科
国里愛彦
1
臨床疫学研究における報告の質向上のための統計学の研究会
第14研究集会
2014/3/16
欠測は頭の痛い問題・・・
• 多くの場合、データ収集中か収集後に欠測値の多さ
に頭を悩ますことが多い(「データをとってみたら、えらい欠測して
いる・・・どうやって処理しよう・・・」)。
• データ収集後では、手遅れなケースも多い(「たくさん欠測
してしまった・・・」、「禁酒日数をアウトカムにしたアルコール依存の介入研
究でかなり欠測した。欠測した者は再発している可能性があり、測定できて
ない再発がアウトカムに影響している。→非ランダム欠測なので欠測理由も
考慮できないと・・・」)
• 重要なのは、データ収集後になってから対処するので
はなくて、データ収集前に”予防する”という考え方!
2
欠測予防に関する各種ガイドライン
• National Research Councilが2010年にまとめたガイドライン(左)、Mallinckrodtが
NRCのガイドラインを元に2013年にまとめたもの(中)、Li et al.が各種ガイドライン
を整理して2014年に作成したミニマムスタンダード(右)
• Li et al.のミニマムスタンダードを発表の大枠にして、NRCのガイドラインを中心に
欠測値の予防法について説明します。 3
欠測はどこで予防できるか?
<研究デザインと実施上の工夫>
① リサーチクエスチョン(特にアウトカム)
を明確にする
② 欠測値を最小限にするためにデザイン
と実施上の対策を講じる
③ 欠測値を扱うための統計的手法を予め
決めておく
<研究実施中の工夫>
① 重要なアウトカムの情報収集を継続す
る
② 欠測値をモニターする
臨床的疑問の定式化
(PICO,PECO)と先行研究調査
研究デザイン・アウトカム測
定方法の決定
倫理審査など
研究の実施とデータの収集
データ解析
Li et al.,2014,Journal of Clinical Epidemiology:欠測値の予防と処理法
についての各種ガイドラインを整理して,デルファイ法によってミニマ
ムスタンダードを抽出した論文から。以降、Li論文をベースに欠測予防
をまとめた。 4
欠測はどこで予防できるか?
臨床的疑問の定式化
(PICO,PECO)と先行研究調査
研究デザイン・アウトカム測
定方法の決定
倫理審査など
研究の実施とデータの収集
データ解析
Li et al.,2014,Journal of Clinical Epidemiology:欠測値の予防と処理法
についての各種ガイドラインを整理して,デルファイ法によってミニマ
ムスタンダードを抽出した論文から。以降、Li論文をベースに欠測予防
をまとめた。
<研究デザインと実施上の工夫>
① リサーチクエスチョン(特にアウトカム)
を明確にする
② 欠測値を最小限にするためにデザイン
と実施上の対策を講じる
③ 欠測値を扱うための統計的手法を予め
決めておく
<研究実施中の工夫>
① 重要なアウトカムの情報収集を継続す
る
② 欠測値をモニターする
5
☆リサーチクエスチョンを明確にする(特にアウトカ
ム)
• 研究プロトコルでは以下を明確にすべき
①研究目的
②関心のある介入
③介入の影響を定量化する主なアウトカム
④誰が、いつ、どのようにアウトカムを測定するか
⑤潜在的な交絡因子
⑥介入効果の測度(関心のある介入の因果関係を捉え
る推定値(Estimand))
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The Prevention and Treatment
of Missing Data in Clinical trials”, 2010
6
アウトカムとデザイン・実施・欠測
• アウトカムや効果の測度を明確かつ正確に定義す
ることが重要
→アウトカムや効果の測度の選択は、研究デザイン、
実施、予想される欠測の理由や量に関係
例) 新規抗うつ薬とプラセボとを比較する場合、どちらかの治療に割り付け
た時のアウトカム改善を知りたい時(副作用などでの中止を含む)と、認容性
があり治療遵守する患者のアウトカム改善を知りたい時では、デザイン(実
施)も欠測の捉え方も異なる。
• アウトカムは、研究参加者全てにとって意味がなく
てはならない(死亡者のQOLは無意味)
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The Prevention and Treatment
of Missing Data in Clinical trials”, 2010
7
推定値(Estimand)とは
• 臨床試験の推定値(Estimand)には、①母数(平均値
変化の群間差など)、②時点・治療期間、③アウトカ
ム、④対象集団、⑤治療非継続時のフォローアップ
データの適格・除外などを含む。
• 介入研究における推定値について考える上で、有
効と有用を分ける
→有効(efficacy):治療を継続的に受けた時に、エンド
ポイントで期待される効果
→有用(effectiveness):実際に治療を受けた時(中断す
る人もいる状況)の治療効果(有効だが有用ではない
治療もありえる)。
Mallinckridt(2013)”Preventing and Treating Missing Data in Longitudinal Clinical Trials”
8
推定値(Estimand)の種類
1. 計画されたエンドポイントにおける無作為割付した全参加者の
アウトカム改善の差:ITT分析を行い、治療継続しない者も解析
に含める<有用性>
2. 認容性のある患者におけるアウトカム改善の差:ランダム化治
療中止試験(後述)などにより、認容性のある患者(治療の副
作用に強くでない患者)を対象とする<有効性>
3. 全参加者が治療遵守した時のアウトカム改善の差:参加した
患者全てが脱落せず治療遵守することは、ほぼないので、あ
まり使用しない<有効性>
4. 治療遵守中のアウトカムの曲線下面積の差
5. 治療遵守中のアウトカム改善の差
→試験開始から試験終了or遵守終了までのアウトカムの差や曲
線下面積を検討する。アウトカムと参加者の遵守した期間の両方
を治療効果として扱える<有用性>
*Mallinckrodtは、6つ目の推定値も提案しているが、今回は省略
Mallinckridt”Preventing and Treating Missing Data in Longitudinal Clinical Trials”,2013; Panel on Handling Missing Data in
Clinical Trials; National Research Council, “The Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical trials”, 2010
9
推定値(Estimand)の種類と属性
• 介入研究における推定値の選択は、研究デザインの選
択、得られた知見の適用範囲、欠測値の出現と処理に関
係してくる。
推定値 仮説 推定 対象集団 エンドポイント 割り付けられた研究治療
の中止後のデータ利用
1 有用
effectiveness
治療方針 全患者 計画されたエ
ンドポイント
主な解析に含む
2 有効
efficacy
最初に無作
為化する治療
認容性の
ある患者
計画されたエ
ンドポイント
主な解析に含まない
3 有効
efficacy
最初に無作
為化する治療
全患者 計画されたエ
ンドポイント
主な解析に含まない
4 有用
effectiveness
最初に無作
為化する治療
全患者 未定義 主な解析に含まない
5 有用
effectiveness
最初に無作
為化する治療
全患者 未定義 主な解析に含まない
Mallinckridt”Preventing and Treating Missing Data in Longitudinal Clinical Trials”,2013; Panel on Handling Missing Data in
Clinical Trials; National Research Council, “The Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical trials”, 2010
10
欠測はどこで予防できるか?
臨床的疑問の定式化
(PICO,PECO)と先行研究調査
研究デザイン・アウトカム測
定方法の決定
倫理審査など
研究の実施とデータの収集
データ解析
Li et al.,2014,Journal of Clinical Epidemiology:欠測値の予防と処理法
についての各種ガイドラインを整理して,デルファイ法によってミニマ
ムスタンダードを抽出した論文から。以降、Li論文をベースに欠測予防
をまとめた。
<研究デザインと実施上の工夫>
① リサーチクエスチョン(特にアウトカム)
を明確にする
② 欠測値を最小限にするためにデザイン
と実施上の対策を講じる
③ 欠測値を扱うための統計的手法を予め
決めておく
<研究実施中の工夫>
① 重要なアウトカムの情報収集を継続す
る
② 欠測値をモニターする
11
欠測値を最小化するための
デザイン上の工夫の具体的指針
• 現在の治療が十分に役に立っておらず、研究に残るインセン
ティブのある集団を対象とする
• 主要なアウトカムにおけるフォローアップ期間を短くする
• 無作為割付前に導入期間を設ける
• 長期効果のアセスメントのために、ランダム化治療中止試験
を考慮する。
• 効果と副作用における個人差を調整するような柔軟な治療計
画を許容する
• 研究プロトコル内の治療計画の構成要素として示されたレス
キュー薬の使用を許容する
• 上乗せ試験を考慮する
• 実質的に欠測値を引き起こす傾向のあるアウトカムは避ける。
Little et al.(2012) N Engl J Med
12
☆現在の治療が十分に役に立っておらず、研究に残るイン
センティブのある集団を対象とする
• 現在行っている治療がかなり効いている患者が臨
床試験に参加しても効果を感じられずに脱落しやす
い。試験参加することがインセンティブになる集団を
そもそもの対象にする。
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The Prevention and Treatment
of Missing Data in Clinical trials”, 2010
☆主要なアウトカムにおけるフォローアップ期間を短くする
• フォローアップ期間が長いと、参加者の転居、副作
用の出現、施設に行く回数や負担が増す可能性が
増えるので、期間短縮は脱落を防ぐ
→治療によっては、短期では治療効果を測定できない
場合もあるので、先行する試験から期間を設定する
13
☆無作為割付前に導入期間を設ける
• 導入期間(run-in period)とは、無作為割付前に研究
治療以外の治療(通常治療or他の治療)orプラセボ
治療を行う期間のこと。
→導入期間を使用することで、そもそも治療の継続が
難しい患者が脱落するので、割り付け後は欠測の少
ないデータ収集ができる。
→一方、結果を適用する対象を限定してしまう欠点も
ある(有用性ではなく有効性)。
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The
Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical trials”, 2010
研究治療以外の治療or
プラセボ(導入期間)
治療orプラセボ
の継続
脱落、中止
無作
為化
研究治療群
コントロール群
14
☆長期効果のアセスメントのために、ランダム化治療中止試
験を考慮する。
• ランダム化治療中止試験(randomized withdrawal
design)とは、研究治療を一定期間受けた参加者を、
治療継続orプラセボ(実薬治療の中止)のいす゚れ
かに無作為割付するデザイン。
→認容性のない患者は除外されるので、試験の参加
者が濃縮される。
→長期効果のアセスメントを行うと脱落しやすくなるが、
ランダム化治療中止試験なら長期効果も検討可能
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The
Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical trials”, 2010
治療反応(高)or
副作用(低)
脱落、中止
無作
為化
研究治療群
コントロール群
・研究治療
(ランダム化治療中止)
15
☆効果と副作用における個人差を調整するような柔軟な治
療計画を許容する
☆研究プロトコル内の治療計画の構成要素として示されたレ
スキュー薬の使用を許容する
• 研究治療に反応しない場合に、レスキュー治療を許容
するデザインにしておけば脱落を減らすことができる
→この場合、レスキュー治療の使用を治療の失敗と見な
すなど、アウトカムの定義が必要になるし、切り替えにつ
いて明確な基準も必要である。
• 参加者の認容性の個人差を調整できるため、副作
用や効果が低いことを回避でき、脱落を減らす事が
でき、割り付けられた治療をより継続できる。
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The Prevention and Treatment
of Missing Data in Clinical trials”, 2010
16
☆上乗せ試験を考慮する
• 効果があるとされる既存の標準治療に、関心のある
治療(+プラセボ)を追加する上乗せ試験(add-on)を
使うことで、効果が低いために生じる脱落を防ぐこと
ができる。
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The Prevention and Treatment
of Missing Data in Clinical trials”, 2010
☆実質的に欠測値を引き起こす傾向のあるアウトカムは避
ける。
• 多くの(全ての)参加者において確認可能なアウトカ
ムを定義する
→死亡やレスキュー治療の実施なども組み込んだ複
合アウトカムを使用することで欠測は減る(ただ、複合
アウトカムは解釈が難しい点が欠点)
17
欠測値を最小化するための
実施上の工夫の具体的指針
• 優れた実績のある調査者を選択し、訓練する
• 完全データの収集に関し、調査者と参加者に対してインセンティブを
提供する
• 試験後に有効な治療を受け続けられるようにする
• 治療を受け続けているかに関わらず、参加者が終わりまで試験に参
加することの重要性を調査者や研究スタッフに教育する
• 参加者のデータ収集における重荷や不便を減らし、出来るかぎり研
究での経験をポジティブなものにする
• 参加者から脱落する傾向についての情報を収集し、脱落を減らすた
めにこの情報を使用する
• 参加者についての最新の連絡先情報を得ておく
Little et al.(2012) N Engl J Med
18
☆優れた実績のある調査者を選択し、訓練する
☆完全データの収集に関し、調査者と参加者に対してインセ
ンティブを提供する
• 過去の研究で、参加者の登録・追跡・完全データの
収集に関して優れていた調査者を選び、訓練する。
• 調査者の賃金の支払い方法を工夫して完全データ
収集にかかるインセンティブを高める
→登録数に対してだけでなく、フォローアップに対して
も賃金を支払う。完全データが得られた時には追加的
に支払いをする(しかし、これにより調査者に利益相反
が生じるので注意が必要)。
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The Prevention and Treatment
of Missing Data in Clinical trials”, 2010
19
☆完全データの収集に関し、調査者と参加者に対してインセ
ンティブを提供する
☆試験後に有効な治療を受け続けられるようにする
• 非金銭的なインセンティブ:試験後に参加者に効果
的な治療を提供する(認可されるまで効果的な研究
治療を受け続けられる) 、研究のロゴがはいった贈
り物など
• 金銭的なインセンティブ:強制力があったり、過度な
影響を及ぼすレベルでない報酬は倫理的とされる
(参加者の完了度合いに応じて支払うが一般的な
脱落予防法)
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The Prevention and Treatment
of Missing Data in Clinical trials”, 2010
20
☆治療を受け続けているかに関わらず、参加者が終
わりまで試験に参加することの重要性を調査者や研
究スタッフに教育する
• 調査者やスタッフの訓練では以下を強調する
①完全データの重要性
②研究治療の非継続とデータ収集の非継続の違い
③研究治療非継続後のデータ収集の重要性
④インフォームドコンセントの重要性: 研究治療後もデータを収
集する重要性を説明したり、それを認識しやすいような同意撤
回書を利用する(例、1.研究治療は中止するがデータ収集は継続;2.研究
治療もデータ収集も中止するが医療記録は利用可能,3.研究治療もデータ収
集も中止し医療記録も利用不可)
⑤欠測値を減らすために患者と協力する方法
⑥試験参加の中止は参加者の決定で決まること
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The
Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical trials”, 2010
21
☆参加者のデータ収集における重荷や不便を減らし、
出来るかぎり研究での経験をポジティブなものにする
① 研究参加とアセスメントの回数を最小限に
② 必要な情報のみ収集
③ 使いやすい症例報告書の使用
④ 病院への来訪を求めない直接的なデータ収集の
使用(電話やメールの使用など)
⑤ 比較的大きな猶予期間を設定したフォローアップア
セスメント
⑥ 参加者が楽しいと感じれるように工夫: 友好的な環
境の形成、友好的なスタッフの雇用、参加者の時
間とスケジュールを尊重する、小さな子どものため
に遊ぶものがあるなど
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The Prevention and Treatment
of Missing Data in Clinical trials”, 2010
22
☆参加者から脱落する傾向についての情報を収集
し、脱落を減らすためにこの情報を使用する
• 参加者が脱落するリスクと理由に関する情報を集め
る:参加の意図を尋ねて脱落のリスクを確認し、リ
スクがある場合はその理由を特定する。理由は後
の欠測値処理に利用できる(Intent to attend questionnaire
などを使用:どのくらい研究を完遂するつもりか、どのくらい次回の
アセスメントに参加するつもりか、0~10で回答する質問紙, Leon et
al., Clinical Trials,2007)。
• 参加者の脱落影響する要因:①参加する時刻とか
かる時間②移動に援助が必要or子どもの世話があ
る③リマインダーがない④スタッフとの関係に問題
⑤採血や他の手続きの問題⑥副作用⑦治療効果
の気づき
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The
Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical trials”, 2010
23
☆参加者についての最新の連絡先情報を得ておく
• 来訪ごとに参加者の連絡先情報を更新(場合によっ
ては、自宅訪問も必要)。
☆その他
• 科学への貢献のために継続参加することの重要性
を伝える:ニューズレターの作成、参加者のための
ウェブサイトを日々更新する、暫定的な報告書・研
究進捗・結果を閲覧可能にする。
• 参加者の研究への関与と継続を高める:研究名の
入った贈り物、日常的に口頭や文書で感謝を示す、
SNSの利用、研究上の問題のヒアリング、来訪前に
リマンダーを送り、来訪されない時は参加を勧める。
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The
Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical trials”, 2010
24
欠測はどこで予防できるか?
臨床的疑問の定式化
(PICO,PECO)と先行研究調査
研究デザイン・アウトカム測
定方法の決定
倫理審査など
研究の実施とデータの収集
データ解析
Li et al.,2014,Journal of Clinical Epidemiology:欠測値の予防と処理法
についての各種ガイドラインを整理して,デルファイ法によってミニマ
ムスタンダードを抽出した論文から。以降、Li論文をベースに欠測予防
をまとめた。
<研究デザインと実施上の工夫>
① リサーチクエスチョン(特にアウトカム)
を明確にする
② 欠測値を最小限にするためにデザイン
と実施上の対策を講じる
③ 欠測値を扱うための統計的手法を予め
決めておく
<研究実施中の工夫>
① 重要なアウトカムの情報収集を継続す
る
② 欠測値をモニターする
25
☆欠測値を扱うための統計的手法を予め決めておく
• 欠測値を統計的に補完する場合には、欠測に関す
る仮定が必要になる。これは、事後的にデータのみ
からは仮定することが難しいので、予めプロトコルに
記載し、介入や調査に関わる者も欠測の仮定に
沿った理解をできるようにしておく。
→プロトコルの段階で欠測値についての仮定と処理法
の決定をしておくことが重要
→予想される欠測値が事前に決まっていれば、欠測
の理由などの情報が収集されたり、予防するための工
夫が動機づけられることが期待できる
Li et al.,2014,Journal of Clinical Epidemiology
26
欠測値を考慮した例数設計
① 先行研究から欠測確率を予想し、欠測しても検定
力が低くならないようにサンプルサイズを増やす
→完全ランダム欠測では良いが、そうではない場合、
脱落によるバイアスを考慮できてない可能性がある。
② 脱落による無回答バイアスを調整した効果量で例
数設計をする(ITT分析を想定)。
→先行する臨床試験の感度分析などから無回答バイ
アス(Nonresponse bias)を推定できる場合は、バイアス
の分だけ効果量を調整して、例数設計を行う。
N2 = N1 *
1
1- pdropout
N2: 調整されたサンプルサイズ
N1:元々の例数設計で計算されたサンプルサイズ
p dropout:予想される欠測の出現確率
27
欠測はどこで予防できるか?
臨床的疑問の定式化
(PICO,PECO)と先行研究調査
研究デザイン・アウトカム測
定方法の決定
倫理審査など
研究の実施とデータの収集
データ解析
Li et al.,2014,Journal of Clinical Epidemiology:欠測値の予防と処理法
についての各種ガイドラインを整理して,デルファイ法によってミニマ
ムスタンダードを抽出した論文から。以降、Li論文をベースに欠測予防
をまとめた。
<研究デザインと実施上の工夫>
① リサーチクエスチョン(特にアウトカム)
を明確にする
② 欠測値を最小限にするためにデザイン
と実施上の対策を講じる
③ 欠測値を扱うための統計的手法を予め
決めておく
<研究実施中の工夫>
① 重要なアウトカムの情報収集を継続す
る
② 欠測値をモニターする
28
☆重要なアウトカムにおける情報収集を継続する
• 参加者が研究治療を継続しているかにかかわらず、
重要なアウトカムや関連した治療・共変量の情報を
継続的に収集し、記録し、分析に利用すべき
→欠測値処理のために「研究参加を継続しない理由」、
「継続しないと決めたのは誰か」、「継続しないのは研
究の全てか一部か」についても収集する
→一方で、副作用などにより脱落した患者から情報収
集するのは結構難しいため、欲しい推定値(推定値1
の場合は必要)を明確にした上で収集するかどうか判
断するのでも良い(Mallinckrodt, 2013)
Li et al.,2014,Journal of Clinical Epidemiology
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The
Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical trials”, 2010
29
欠測はどこで予防できるか?
臨床的疑問の定式化
(PICO,PECO)と先行研究調査
研究デザイン・アウトカム測
定方法の決定
倫理審査など
研究の実施とデータの収集
データ解析
Li et al.,2014,Journal of Clinical Epidemiology:欠測値の予防と処理法
についての各種ガイドラインを整理して,デルファイ法によってミニマ
ムスタンダードを抽出した論文から。以降、Li論文をベースに欠測予防
をまとめた。
<研究デザインと実施上の工夫>
① リサーチクエスチョン(特にアウトカム)
を明確にする
② 欠測値を最小限にするためにデザイン
と実施上の対策を講じる
③ 欠測値を扱うための統計的手法を予め
決めておく
<研究実施中の工夫>
① 重要なアウトカムの情報収集を継続す
る
② 欠測値をモニターする
30
☆欠測値に関して許容可能な目標の確率を決めて、
この目標に関して試験の進展をモニターする(Little et
al.(2012) N Engl J Med)。
• プロトコルの段階で、許容可能な欠測確率を決める。試験
中に欠測値をモニターして、「データおよび安全性モニタリ
ング委員会(Data and Safety Monitoring Board)」に送る。
*許容可能な欠測確率を決定する標準的な方法はまだない
が、先行する試験から可能な目標を設定する、感度分析を考
慮して結論に影響しない欠測確率を推定するなどがある。
• データ収集後ではなく、リアルタイムで測定して、問題があ
る場合はすぐにミーティングを行う(特定の施設に欠測が
多い場合は、対処方法を決め、訓練を行う or 中止を判断
する)。
Panel on Handling Missing Data in Clinical Trials; National Research Council, “The
Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical trials”, 2010
31
観察研究の場合
• 紹介したガイドラインは、臨床試験を中心に作成さ
れたものだが、臨床試験以外のデザインでの縦断
データ収集に関して上記のガイドラインは利用可能
(Li et al.,2014,Journal of Clinical Epidemiology)。
• 一方、クロスセクショナル研究(特に郵送調査)に関
しては、上記のガイドライン以外の工夫点も存在す
る(主に調査への反応率を高める工夫)。
→郵送-電子メール調査への反応率に関するRCTをメタ
分析した研究の知見を紹介する(Edwards et al., 2002,
BMJで発表され、その後コクランライブラリでのアップ
デートされた2009年版)
32
観察研究の場合:
郵送によるクロスセクショナル研究
<反応率のオッズが1.76~3.08倍UP>
①金銭的インセンティブをつける、②書留配達便の使用、③ティー
ザー封筒(封筒をあけたくなるようなコピーをつける)、④興味深い調
査項目の使用(参加者に特に関連する質問をする)
<反応率のオッズが1.32~1.64倍UP>
①調査票を送る前に連絡する、②最初に送った時に返事がない場合
に再度連絡する(フォローアップ)、③フォローアップ時に調査票のコ
ピーも送る、④条件付きのないインセンティブの利用(返信したらイン
センティブでなくて、調査票がきた時点でインセンティブを提供)、⑤短
い調査票、⑥反応する義務を伝える、⑦大学がスポンサー
<反応率のオッズが1.14~1.33倍UP>
①非金銭的インセンティブ(キーリング、くじ、結果の提供など)、②個
人向けアプローチ(手書き署名や添え状など)、③住所を手書きする、
④前払い返信封筒よりも切手の貼った返信封筒の使用、⑤機密性の
保証、⑥第1種郵便の使用(速達みたいなもの)
*機密性の高い質問の入った調査票の時は回収率が下がる
Edwards et al., 2002, BMJ(コクランライブラリでのアップデート版、2009年)
33
観察研究の場合:
電子メールによるクロスセクショナル研究
<反応率のオッズが3.05倍UP>
電子メールに写真を含める(研究数は少ない)
<反応率のオッズが1.52~1.85倍UP>
①非金銭的インセンティブ(アマゾンギフトカード、くじ、携帯情報端末、即時
フィードバック)、②短い電子調査票、③他の人が回答していることを述べる、
④興味深い調査項目の使用(参加者に特に関連する質問をする)
<反応率のオッズが1.31~1.37倍UP>
①すぐに結果が示されるくじの使用、②調査結果の提供、③白い背景を使
用する
<反応率のオッズが1.18~1.24倍UP>
①個人向けのアプローチ(質問票の添え状に親しいあいさつを述べる、個別
化したカバーレターを送る)、②メールのヘッダーをシンプルにする(組織名
称だけにして、URLなど色々書かない)、③写真や絵をいれた選択肢よりも文
字による選択肢を使用、④デッドラインを決める
*メールの件名に調査(Survey)と入っていたり、男性の署名がはいったメー
ルの場合は、反応率が下がる。
Edwards et al., 2002, BMJ(コクランライブラリでのアップデート版、2009年)
34
参考・引用文献
<主な教科書>
• “The Prevention and Treatment of Missing Data in Clinical Trials” , National
Research Council, 2011,The National Academies Press
• “Preventing and Treating Missing Data in Longitudinal Clinical Trials”
Mallinckrodt, 2013, Cambridge university press
→NRC本は重要教科書、Mallinckrodt本は分かりやすくまとまっている
<主な論文>
• Li et al. (2014). Standards should be applied in the prevention and handling of
missing data for patient-centered outcomes research: a systematic review and
expert consensus. Journal of Clinical Epidemiology, 67(1), 15–32.
• Little et al. (2012). The prevention and treatment of missing data in clinical
trials. The New England Journal of Medicine, 367(14), 1355–60.
→Li論文は、欠測値予防・処理に関する各種ガイドラインをまとめたミニマルスタ
ンダードの論文。Appendixには各種ガイドラインとページなどの情報が掲載され
ている(元のガイドラインにあたることが容易だった)。Li論文では、少し手薄だっ
たデザインや実施上の工夫については、Little論文のまとめが非常に有用だった。35

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