TensorFlowのチュートリアルコードをいじってカーリングの得点予測をしました。

1. カーリングの局面評価関数を学習
WITH “TENSOR FLOW”
KATSUKI OHTO
2016/2/10

2. 自己紹介
大渡 勝己 (Katsuki Ohto)
今は学生です
分野…ゲームAI

3. LT内容
TensorFlow使ったことないけど
軽い気持ちでLT立候補したら
いつの間にか人数増えてて
会場Googleで
穴があったら入りたい

4. カーリング
氷上で石を投げ合って得点を競うゲーム
オリンピックの時には全国的に騒がれる
複雑な要素を排除すると、
ゲーム的には
二人零和完全情報不確定ゲーム

5. カーリングのルール
円の中心に近い方が得点をもらえる
← 黄色が3点

6. カーリングAI
電気通信大学の研究室が
設計した戦略シミュレータ
「デジタルカーリング」
http://minerva.cs.uec.ac.jp/c
urling/wiki.cgi
を利用

7. 評価関数
局面の良し悪しを点数化
例）私の評価関数
connpassを見たらいつの間にか人数相当増えていた
→ −300
実際話している今 → +500
（緊張で気分が高揚）

8. カーリング評価関数
カーリングの各エンド
（テニスにおけるセットのようなもの）の得点
−8 ~ +8 点
これを繰り返す
→局面の情報から、−8 ~ +8のうち
どの得点になるかを予測できれば良い！

9. カーリング+TENSORFLOW
INPUT 局面情報(石の配置)
OUTPUT 予測される得点（の確率分布）
石の配置は画像として扱えるので、
TensorFlowのチュートリアルコード(MNIST)を
(ほぼ)そのまま使ってみよう！

10. 局面の画像化
先後の石の情報を強引に1枚の白黒にする
𝑝 画素 𝑠# 盤上にある石α,
𝛽係数
𝑑(𝑝, 𝑠#) = 𝑑𝑖𝑠𝑡𝑎𝑛𝑐𝑒(𝑝, 𝑠#)
𝑐𝑜𝑙𝑜𝑟5 = ∑ α𝑒789 5,:;
<
:;(先)
− ∑ α𝑒789(5,:;)<
:;(後)
石の影響をガウシアン(正規分布)で加算

11. 線形関数による予測
線形関数による近似
𝑦 = 𝑊𝑥 + 𝑏
y = tf.nn.softmax(tf.matmul(x_placeholder, W) + b)
得点予測率 41%(ランダムだと6%程度)

12. 出力クラス数
W = tf.Variable(tf.zeros([784, 17])) # 行列
b = tf.Variable(tf.zeros([17])) # ベクトル
MNISTでは出力クラス数10だったところを
変えるだけでOK

13. 突っ込み
そもそも棋譜のうち、
「後手1点」の割合が41%
<得点の分布(x100)>
←後手 [ 0 0 2 8 32 97 239 415 15 139 32 9 3 1 0 0 0 ]先手→
𝑦 = 𝑊𝑥 + 𝑏
バイアス項が発散しているだけ…

14. CNNによる予測
画像認識に強いCNN
(Convolutional Neural Network)ならば
もっともまともな特徴抽出ができるのでは

15. CNNによる予測
画像認識に強いCNN
(Convolutional Neural Network)ならば
もっともまともな特徴抽出ができるのでは
… （チュートリアルをコピペ中）
得点予測率 53%!!

16. 突っ込み(その2)
実はトレーニングデータとテストデータに
同じエンドの別局面が入っている
石が
1個増えた

17. 突っ込み(その2)
・連続値が完全一致することはほとんどないので、
完全一致した場合は得点も同じ
→石の位置を丸暗記しているだけかも

18. 評価関数の出来
隠れた石を叩こうとしたらガードに引っかかった→相手有利に
[0, 0, 0, 2, 2, 4, 13, 58,
1, 13, 1, 2, 0, 0, 0, 0, 0]
[0, 0, 0, 0, 2, 9, 34, 35,
7, 7, 1, 1, 0, 0, 0, 0, 0]

19. 突っ込み(その3)
そもそもCNNは平行移動に強いのが持ち味
カーリングの石の配置は平行移動可能なのか…
部分的には可能かもしれない
扱う対象をよく考えた方が良い

20. 感想
・TensorFlowチュートリアルの内容だけでも
すぐに応用できるので、入門としては豪華
・モデル保存が簡単にできる。
特に複数の予測器をつなげても楽々
（先手と後手で分けたり）
・いろいろ罠にはまらないよう注意…

21. モデル保存
運命の出会いは突然にやってくる
saver = tf.train.Saver() # 保存(読込)準備
saver.save(sess, “model.ckpt”) #保存
saver.restore(sess, “model.ckpt”)) #読込

22. 感想
・カーリングはとりあえず機械学習を試すに
はちょうどいい！
・機械学習の標準問題として
カーリングを！

23. 今後のゲームAI大会
2016/3/9 Game AI Tournament@電通大
人狼
カーリング
…etc
2016/3/19 – 20 コンピュータ囲碁大会
2016/5/3 – 5 コンピュータ将棋選手権
他 ぷよぷよAI など