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デザイン思考による
政策形成の新しいアプローチ
2017年5月24日
東京大学公共政策大学院
奥村 裕一
NAS
1
将来
仮説形成
共感
人間観察
英国政策ラボ
市民とともに
今日の進め方
前半:デザイン思考とは
1. デザインとデザイン思考
2. デザイン思考のルーツ
3. その基盤(仮説形成:人間観
察:ループバック:ともに、、す
る)
4. プロセス多様 本質共通
5. その特質と攻め方
6. デザイン思考による政策形成
後半:デザイン思考ワークショップ
• 各テーブルごとに以下の作業です
• 徹底したユーザー目線がポイントです
• 座り方はのちほどくじ引きで決めます
1. テーマを決める 10分
2. 現状の問題のまとめ 10分
3. どうあって欲しいか 10分
4. 解決のアイデア 10分
2
デザインとデザイン思考
• 「モノ」を作るとき、われわれは伝統的に「モノ」の出来上がった姿を描いて
から作ってきた。
• 「モノ」=建物、都市、飛行機、自動車、服装、ポスター、ウェブサイト
• その典型の手法が設計図や模型と繰り返し。
• この設計図や模型を見て繰り返し、機能、使い勝手や見た目の印象を判
断して、使う人にとってより受け入れられる「モノ」を作ろうとしてきた。
• このデザインの考え方を「モノ」に限らず、サービスに生かして、より人にとっ
て共感の得られるサービスを考案する際の考え方として「デザイン思考」と
いう言葉が普及した。(後述)
3
「デザイン思考」の言葉の普及者David Kelley
• 1982年にApple Computerの最初のマウスを作成したDavid Kelley Designと同
年に初めてのラップトップコンピュータを設計したID Twoが合併して、1991年に
デザイン会社IDEOが結成されました。
• 最初IDEOは、歯ブラシ、スチールケースチェアのような製品デザインをおこなって
いましたが、ヘルスケア財団の組織改革、大学の代替学習環境を作成を支援す
るうちに、IDEOは消費者製品のデザインから消費者の経験のデザインに至りまし
た。この新しいタイプのデザイン作業を区別するために、それを「小さなデザイン」
と言い始めました。そして、、、。
• スタンフォード大学のHasso Plattner Institute of Design(SAPが寄付「d.school」
とも呼ばれる)の創設者にもなるKelleyは、デザインについて尋ねられるたびに、
それはデザイナーがしていることだと説明する際に「考える」という言葉を挿入する
ことに気づき、結局「デザイン思考」の用語に固執しました。
4
デザイン思考のルーツ
• ハーバート・サイモン(1916年 - 2001年)
• チューリング賞 1975年
• ノーベル経済学賞 1978年
• 人工知能、情報処理、意思決定、問題解決、組織理論、複雑
系システム、科学的発見のコンピュータシミュレーションなど、今
日の重要な科学分野のいくつかのパイオニア。
• 限定合理性と充分満足(satisfice=satisfy+suffice)という造
語を編み出し、複雑系アーキテクチャーを分析し、べき乗則の分
布を説明するための優先的な取り付けメカニズムを提案。
• 共同受賞者のAllen Newellとともに、人工知能、人間の認知の
心理学、およびリスト処理についての基本的な貢献で1975年
にチューリング賞。
• 大組織の経営行動と意思決定に関する生涯にわたる研究で、
1978年にノーベル経済学賞。
5
The Sciences of the Artificial
デザイン思考の原点の本
主にAIにフォーカス
⇒人の行動を観察
⇒プロトタイピング
サイモンのデザインの考え方
The Sciences of the Artificial
• デザインは、目標を達成するために、人工物を考案して物事をどのよ
うにすべきかに関係しています。
• 自然科学にふさわしい推論の形式がデザインにも適しているかどうか
問うことになります。
• 演繹法(deduction)と帰納法(induction)
• 動詞 “should”の導入には、これまでの推論の規則への追加、つまり
宣言的論理にすでに組み込まれている規則の変更が必要な場合が
あります。
科学では動詞 “should”がない世界(奥村)
アブダクション(仮説形成)の追加(奥村)
6
デザイン思考の基盤
1.将来(仮説形成)
2.共感(人間観察)
3.ループバック(繰り返し)
4.ともに、、する(CO-)
7
デザイン思考の基盤1:仮説形成
ロジャー・マーティン、トロント大学経営学部
•デザイン思考の特徴はアイデアを生みだす仮説形成
の推論を組み入れること。
•デザイン思考は信頼性と妥当性の間、芸術と科学と
の間、直感と分析の間、そして探究と利用の間の実り
あるバランスを常に求める。
8
基盤1:仮説形成
<これまでの論理は以下の二つ>
• 演繹的論理 一般的なものから特定のものの理由づけ
• 一般的なルールはすべてのカラスは黒。
• 茶色の鳥がいれば、この鳥がカラスではないことを演繹的に宣言。
• 帰納的論理 具体的なものから一般化していく理由づけ
• 1000の店舗で1平方フィートあたりの売上高を調べ、小さな町の店舗が都市
の店舗よりも平方フィート当たりの売上高が非常に高いことを発見。
• 小都市がより価値ある市場であることを帰納的に宣言。
9
基盤1:仮説形成
<仮説形成の論理の誕生>
• 19世紀プラグマティストのPeirceは、演繹または帰納では新しいアイ
デアは証明できないと主張した。
• 既存​​のモデルに適合しないデータ(または単一のデータポイント)を観
察し、疑問を感じると、新しいアイデアが生まれる。
• この推論を仮説形成と名付けた。
• その目的は、真実か否かの結論を宣言することではなく、おそらく真
実であるかもしれないものを仮定することで、これは将来の次元に関
わること。
10
デザイン思考の基盤2:人間観察
~デザインによるチェンジ(ティム・ブラウン)
• 人々がモノを実際にどのように使うかについての洞察は、デザイン思
考の中心です。
• この洞察は、実際に人々が何をしているか観察し、自分がしていない
ことに気づき、自分が説明できないことを理解することからうまれます。
• デザイン思考は人類学からの民族学的観測手法(エスノグラフィー)を
借用し、実用的な解決策を生み出すために再適用する思考方法です。
これは共感を必要とします。
11
デザイン思考の最大の障害
• デザイン思考を採用する上での最大の障害は失敗の恐怖というが、、。
• 実はこれまでのやり方も結構失敗しているが、染みついた習慣は恐ろしい。
• デザイン思考はむしろ早い段階から失敗を奨める。
• 最後はプロトタイピングでの失敗です。失敗は当たり前。
• だから、失敗の拡大をとどめるループバック→次へ
12
デザイン思考の基盤3:ループバック
• 一直線に物事を進めていくことのリスクを避ける
デザインの完成に至るには取られていた道筋 作ってしまってダメは大ごと
• システム開発のウォーターフォール型からアジャイル型への移行と同じ
13
<アジャイル開発マニフェスト>2001年
1. プロセスやツールよりも個人と対話
2. 包括的なドキュメントよりも動くソフトウェア
3. 契約交渉よりも顧客との協調
4. 計画に従うことよりも変化への対応
デザイン思考の基盤4:ともに、、する(CO-)
• 顧客とともに作る製品やサービスのデザイン
• co-design, co-production, co-llaboration, ,,,.
• 人間観察(エスノグラフィー)の対象としての顧客から
• 一緒になって製品やサービスを作るパートナーとしての顧客に転換
14
いろいろあるデザイン思考プロセス
でも本質は共通です
15
デザイン思考プロセス各種
16
デザインプロセス
ウィキペディア/ハー
バート・サイモン
IDEOツール
キット
ティムブラウン
(IDEO)
d.school / D-
School(HPI)
d.schoolの
Bootcamp Bootleg
(HPI) - モード
Baeck&Gremett(
2011)
Mark Dziersk(ファ
ストカンパニー)
Open Policy
Making toolkit, UK
問題を理解する 定義する
発見
インスピレー
ション
理解する
共感する:観察し、
関わり、浸る
解決する問題を定
義する
(1)問題を定義する
1.診断:政策問題を
発見する
ユーザーを観察する
リサーチ
観察する
インスピレーションを
探求する
2.ディスカバリー:
ユーザーのニーズを
理解する結果を解釈する 解釈 視点を定義
定義する(問題宣
言)
-
アイデアを生成する
(Ideate)
アイデア生成
アイデア生
成
アイデア生成 アイデア生成 アイデア生成
複数のアイデアを
生成する
(2)多くのオプショ
ンを作成し、検討す
る
3.開発:アイデアを
生み出す
プロトタイプ、実験 プロトタイプ 実験
実装
プロトタイプ プロトタイプ
プロトタイプを生成
する
(3)選択した方向を
絞り込む(3.5)繰り
返し(オプション手
順2と3)
4.納品:プロトタイピ
ングとアイデアの改
善をする
テスト、実装、改善 目標/
選択する、実装する、
学ぶ
進化 テスト
テスト(洗練された
ソリューションを含
む)
ユーザーのフィード
バックを求める
(4)勝者を選び、実
行する
デザイン思考の三つのスペース
ティム・ブラウン
• デザイン思考プロセスは、一連の秩序立ったステップではなく、重なり
合った3つのスペースで考えられます。
• インスピレーション: 解決策探索の動機となる問題または機会
• ニーズを探ります。ニーズを探るためにユーザーになりきります
• アイデア: アイデアの生成、開発、テストのプロセス
• できるだけ多くのアイデアを出します。絞らないでください。
• 実装: プロジェクトの段階から人々の生活につなげる道筋
• プロトタイプで試していきます。
17
Inspiration
Ideation
Implementation
Design Thinking, HBR,
2008, Tim Brown
Look at the world: Observe what people
do, how they think, what they need and
want
Put customers in the midst of everything;
describe their journeys
Prototype some more, test with users,
test internally
18
5段階デザイン思考プロセス
19
デザイン思考はループバックです
共感する
問題を
定義する
アイデア
づくり
プロトタ
イプ
テスト
20
Denmark
5段階の要点
1共感 あなたのユーザーと同じ立場に立つ
2定義 ユーザーのニーズ、問題、洞察をまとめる
3アイデア
挑戦的な前提と革新的なソリューションのた
めのアイデアの創造
4プロトタイプ ソリューションの作成を開始する
5テスト ソリューションに至る
21
インスピレーション
アイディア
実装
デザイン思考の特質と攻め方
22
デザイン思考の特質
1 あいまいさが好き 不明なことがあるときや答えがわからないときは快適
2 協働 分野間の協働が好き
3 建設的 古いアイデアに基づいた新しいアイデアの作成
4 好奇心 理解していないことや新鮮な目で物事を知ることに興味を持つ
5 共感 顧客の視点からものを見て理解する
6
ホリスティック
(Holistic)
ユーザーのより大きな文脈を見ていく
7 反復 段階に関係なくソリューションやアイデアを改善する循環的プロセス
8 決めつけない アイデア・クリエーターやアイデアにとらわれずにアイデアを作成する
“Design Thinking: Expanding UX Methods Beyond Designers” by Aline Baeck and Peter Gremett Intuit®
23
デザイン思考の攻め方
• 本を読むだけではダメ。体を動かして身につける。
• 習慣化した自分にとって気持ちの良いゾーンから出るには体で覚えるのが一番。
• 相手の立場に徹底して立つ。
• 共感、自分の箱から出る、エスノグラフィー、などいい方は様々。
• 様々な専門の背景の人のいる方がよい。
• 絵に描いてみる。
• コーチは十人十色の世界。
• 本質をつかむことが大事。
24
デザイン思考による政策形成
1.市民と一緒の政策作りでお金の節約
2.その推進母体としてのラボ
25
1.既存の政策過程・政策手段との関係
• 人間行動の視点から政策手法を改善しお金の節約になる
• 市民と一緒になって政策を作っていく(オープンデータ・オープンガバナンスになじむ)
• まずはユーザーに徹底して課題をあぶりだす
• ユーザーがより使ってくれる政策、要らなくなったときに出て行ける政策を作れる
• つくる人はソリューションの段階で考えていく
• 既存制度への挑戦、技術の限界への挑戦
• 政治的妥協からの歪みを減らせる
• 規制(法律)、補助金、税、情報共有 手段をこれまでより有効に使う
• エビデンスに基づく政策立案 この考えにデータ活用でなじむ
• PDCAサイクル(Plan Do Check Act この考えにプロセスでなじむ
26
伝統行政思考とデザイン思考
~融合へ
伝統行政思考 デザイン思考
分業的 協働的
分析 統合
合理性重視 エモーション重視
ロジカル 直観的
演繹的帰納的 仮説形成的
ソリューション パラダイムシフト
法律/経済アプローチ 人間総合アプローチ
27
2.政策デザインラボ
政策デザイン推進の組織
ラボ名 国 ブリーフ
•Mind Lab デンマーク
2002年設立 世界で最も古いラボの一つ。
三省で設立。中立の場の提供。市民・企業との接点。
18-20人のスタッフ。 デザイン思考中心。
•Policy Lab 英国
2014年設立。
行政改革の一環として財政節約で内閣に設立。3Dに特徴。
7人のスタッフ。
•The Lab@OPM 米国
2012年設立。
農務省食糧栄養局などと連携。
中立の場の提供。(奥村調査中)
28
実はこんなにある政策ラボ!
アジアには?
政策形成の3D
デザイン思考
データ活用 デジタル技術
出典:英国政府ポリシーラボ資料より奥村翻訳修正
英国政府
ポリシーラボ
30
3D(design, data and digital)
(デザイン) お金の節約になる
• 人の反応や意識を深く観察する
• Empathy(共感)
• 「なぜ」を知ることができる
• 試行を繰り返して完成させる
• Prototyping and iteration
• サービスの受け手も参加して政策
をつくる(CO-)
• Co-llaboration, Co-design, Co-
creation through workshop etc.
• ⇒結果的にユーザーも喜び、少な
い財源でできる政策が打ち出せる
(データ) エビデンス(事実を知る)
• 統計+文章+位置+図表や音+人
間行動の厚いデータ+ビッグデータ
(デジタル) 思考や行動のサポート
• 見える化(視覚)の利用
• 自動化・シミュレーション・データ分
析力の活用 31
英国政府
ポリシーラボ
政策形成の3D(接点)
デザイン思考
データ活用 デジタル技術
「ビッグ」データと
人間の観察から
の「厚い」データ
を結合する
・つまり客観的
事実と人間の動
機を融合する
デジタルサービ
スを生かして行
政のてこ(規制、
誘導など)を設
計する
データを見える化
して、何が起こっ
ているのかを理解
する
理想のプロ
ジェクトは、す
べての3つが
交わるところ
にある
出典:英国政府ポリシーラボ資料より奥村翻訳修正
英国政府
ポリシーラボ
英国ポリシーラボの特徴
~デザイン学者 ルーシー・キンベルの発見
• 発見1 新しい政策形成手法に取り組む
• 発見2 仮説形成を導入する
• これまでの政策立案についての議論は合理性と意思決定を正当化するため
の帰納と演繹によって生み出される証拠の妥当性に根ざしています。 これと
は対照的に、ポリシーラボでは、もっともらしいが暫定的な新しい洞察や考え
方を生み出す仮説形成のアプローチを可能にしています。
• 発見3 人間中心主義で考える⇒次の34ページのスライド
• 発見4 市民参加型の政策デザイン⇒36ページのスライド
33
英国政府
ポリシーラボ
発見3 人間中心主義で考える=
デザイン思考の基盤3:人間観察(エスノグラフィー)
• 企業の製品やサービスの開発と違って、、、。
• 行政としては、
• 個人の市民にとって好ましくないこといやなことでも政策としてはやる
必要のあることもあります。
• そういう政策でもその政策の受け手の市民にきちんと理解してスムー
ズに受け取ってもらう必要があります。
• その際にも人間観察(エスノグラフィー)は有効です。
• どういうふうに働きかければ、理解され受けいれられやすいか、です。
34
奥村補足
人間観察の典型例:
このような人間心理を読んで政策の打ち出し方を考えるのが政策デザイン思考
• 「無駄をなくせば解決する の嘘」 与謝野馨 大熊由紀子さんから
• 無駄を削除すれば問題は解決するっていうんです。そんなはずはないんです。日本は大化の改新のころから
無駄の削除をやってきてまだ終わんないんですから(会場笑い)、ね。いつも無駄を削除しよう、無駄を削除し
ようって、ね。それは大事なんですよ。無駄の概念というのも非常に微妙なんですよ、皆さん。
• ある男の人は会社の帰りに、家に帰る前に 1 杯飲み屋で焼酎を 1 杯ひっかけて、それからうちへ帰る。奥
さんにしてみりゃあ、「あんた、なぜうちで飲まないんだ。おんなじ焼酎じゃないか」って(会場笑い)。だんなさ
んにしてみりゃあ、会社に行って上役にぐちぐち言われて、家に帰ると女房にまたいじめられて(会場笑い)、
屋台で飲むっていうこのことが人生の喜びで、明日への活力なんです。
• だんなにしたって文句がある。なんかうちの女房は、テレビの通信販売で高い化粧品を買ってるっていう(会
場笑い)。無駄だと思うんだけど、それを言ったらおしまい。だから、言えないって(会場大笑い)。
• そういう無駄かどうかっていうのは、相対的なものなんです。絶対的な無駄って言うのは非常に少ないんです。
だから無駄を排除すればいいとか、どっかにお金が埋まってるとか、それはみんな嘘ですから(会場笑い)。
35
参考
発見4 市民参加型の政策デザイン=
デザイン思考の基盤4:ともに、、する(CO-)
• 市民参加型の政策デザイン
• ↓
• 市民とともに政策を作る
• 人間観察(エスノグラフィー)の対象としての市民から
• 一緒になって政策を作るパートナーとしての市民に転換していきます
オープンデータ・オープンガバナンスの発想と同じ
36
奥村補足
デザイン思考
ワークショップ
37
デザイン思考の攻め方
• 本を読むだけではダメ。体を動かして身につける。
• 習慣化した自分にとって気持ちの良いゾーンから出るには体で覚えるのが一番。
• 徹底して相手の立場に立つ。
• 共感、自分の箱から出る、エスノグラフィー、などいい方は様々。
• 様々な専門の背景の人のいる方がよい。
• 絵に描いてみる。
• コーチは十人十色の世界。
• 本質をつかむことが大事。
38
ワークショップの作業
(オプション) 各グループで取り上げるテーマを決める 10分
1. 各自取り上げたいテーマをポストイットに書く
2. それをグループ内で披露し、グループで取り上げるテーマを決める
1. テーマが抱える問題を見極め(現状の問題のまとめ) 10分
1. 問題を各自ポストイットに書く
2. それをグループ内で披露しあい、整理する
2. どうなるべきかを描く(理想:Whatの将来) 10分
1. どうなりたいかをポストイットに書く
2. それをグループ内で披露しあい、整理する
3. 現状と理想のギャップを埋める対策(アイデア:Howを含む) 10分
1. 対策を考えてポストイットに書く
2. それをグループ内で披露しあい、分類する 無理に絞らない
39
ユーザー目線で!
理想を阻むものは何か
制約にも挑戦!
インスピレーション
アイディア
自分の経験分野
• 包み隠さず正確に実態を教えてください
• ここで言ったことは後で皆さん忘れてください
• 外部に持ち出さないでください
• 他人の反応が自分の考えと違っていても優しく受け入れてください
40
自分の非経験分野
• 自分が相手の立場になりきってください
• 大いに想像力を発揮してください
• 感じたインスピレーションをとても大事にしてください
• 他人の見方が自分の考えと違っていてもそれを楽しんでください
41
共に考えてみたいテーマの例
• 行政にデザイン思考を取り入れるための課題と対策を考えてみる
– 課題は? スライドP39ワークショップの流れの1です。
– 理想は? デザイン思考での政策作りが日常となっている状態です
– 対策は? スライドP39ワークショップの流れの3です。
• デザイン思考で政策イノベーション(政策作り)を体験してみる
– 課題は?
– 理想は?
– 対策は?
42
(参考)チャレンジ!!オープンガバナンス
市民/学生のアイデア形成にもデザイン思考
43
44
主催:東京大学公共政策大学院「情報通信技術と行政」研究プログラム(PadIT)
共催:東京大学グローバル・クリエイティブ・リーダーシップ育成プログラム(GCL)
連携:ハーバード大学 ケネディスクール アッシュセンター
COG2017 スタート!!
・COG総合賞
・アイデア賞
・連携体制賞
・学生賞
・受賞チームの
フォローアップ
・1年後
・2年後
市民も変わる、行政も変わる!!
オープンガバナンス
市民参加による社会課題のオープンな解決
市民⇒:社会課題の解決に自ら取組む市民に変化
・自立した市民の地域的拡がり○○○
・TECの社会的活用○ ・デモクラシーの研磨
○
行政⇒:市民参加型社会のプラットフォームに変化
・オープンデータ
・オープンポリシーデザイン○ ・オープンデジタルサービス
協働 協働
2017/5/26 45
COGのステップ
STEP1
• 全国の地方自治体から、市民/学
生に解決してほしい地域課題を募
集します。
• データを活用した新しい課題の分析
や解決策に期待を寄せている自治
体の方はぜひご応募ください。
• 2016実績
• 応募自治体31、課題数53
・オープンガバナンス総合賞(アイデア+連携体制)
・アイデア賞 (市民/学生)
・連携体制賞(自治体) ・HVDイノベーション賞
・Accenture Citizen First Youth 賞(学生)
自治体からの課題募集
(2017年6月~8月)
STEP2 STEP3
市民/学生の解決アイデア募集
(2017年9月~12月)
審査と改善アドバイス
(2018年1月~4月)
• 市民/学生の方々から、自治体か
らの課題に対する解決アイデアを募
集します。
• データを活用して課題を掘り下げ、
自分たちで解決策に取り組みたい
方のご応募をお待ちしております。
• 応募アイデア数 68
– 市民26、学生25、混成17
• 応募アイデアそのものに加え、市民
/学生と自治体の連携体制も加味
して審査します。
• 最終公開審査(3月)まで残ったチー
ムには、委員会からの改善アドバイ
スがあります。
• 最終公開審査13
• ミニプレゼン 7
• ポスター 27
• 原則全てアイデア公開
来年3月4日公開審査イベント
2017/5/26 46
COGの思考プロセス
• 地域課題と関連データ(オープンデータに限定せず) 自治体
• ↓
• アイデア生成 市民/学生
• アイデア ①内容、②理由(データ1で裏付け)、③実現プロセス
• 自治体連携状況 ①データ2提供、②知識提供、③コミュニケーション
• 応募 〃
• ↓
• 公開審査
47
データの注
1:Thick Data と Thin Data
2:Thin Dataが多い が限定されない
<定義>
Thick Data: 人間の行動のなぜを知る
Thin Data: 人間に限らず事実を知る
COGアイデアづくりのプロセス
内容・理由・実現プロセス整理
ストーリーに仕上げる
実現性チェック 48
データによる
事実の発見
応募案完成
共感
問題を定義
アイデア考案
人間観察によ
るなぜの発見
デ
ザ
イ
ン
思
考
分
析
思
考
・仮説を立てる
・行き詰まったら
ループバック
・行き詰まったら
ループバック
両Dataで理由を語る
(Thick Data) (Thin Data)
チャレンジ!!オープンガバナンス 2017に向けて
~COG2016の受賞チームから学ぶ~
1.日時:2017年6月10日(土)
13:30~17:00
2.場所:東京大学本郷キャンパス
工学部二号館 4階 241号室
3. 主催:東京大学公共政策大学院PADIT研究PM
共催:東京大学ソーシャルICT・GCL育成PM
連携:Harvard Kennedy School, ASH CENTER for
Democratic Governance and Innovation
4. テーマ:
チャレンジ!!オープンガバナンスの実践、課題、意
義、将来について、COG2016の受賞チームと審査
委員有志によるトークを交えながら、市民参加型社
会のオープンガバナンスの定着をさぐります。
5. スケジュール
(第一部)COG2016の受賞チー
ムと審査委員有志とのダイアログ
13:30~16:00
☆受賞チーム
中野、宮前区、新潟、室蘭
★審査委員
坂井、川島、庄司、林委員ら
(第二部)COG2017説明会
16:00~17:00
49
皆さんもぜひ実践してください!
小さいことからまずどうぞ!
Bon Voyage avec Design Thinking!
Hirokazu Okumura
GrasPP, Tokyo U
Visiting Professor
hokumura@gmail.com
50

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