[AWS Expert Online for JAWS-UG #17 20211006] ノーコード、ローコード開発ってなに？ Amazon Honeycode で何ができるの？

ENTER OPTIONAL DOCUMENT TITLE
© 2021, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates.
AWS Expert Online JAWS-UG
ノーコード、ローコード開発ってなに？
Amazon Honeycode で何ができるの？
Solutions Architect
Ken Sakai
2021/10/06
アマゾンウェブサービスジャパン株式会社

酒井賢（さかいけん）
⾃⼰紹介
好きなAWSのサービス
• Amazon Honeycode
• Amazon QuickSight
• Amazon AppFlow
好きなもの
• バイク
• キャンプ
Solutions Architect
これから Amazon Web Services (AWS) を
本格的に活⽤されるエンタープライズ企業をご⽀援

1. ノーコード、ローコード開発とは
2. Amazon Honeycode とは
3. Amazon Honeycode の始め⽅と使い所
アジェンダ
ゴール
• ノーコード、ローコード開発の特性をご理解いただく
• ノーコード、ローコード開発において、Amazon Honeycode
が価値を発揮する局⾯をご理解いただく

ノーコード、ローコード開発とは

• 新しい概念ではなく、旧来から存在するプログラムコードを書かずに
開発を⾏う “アプリケーション開発の⾼速化” ⼿法の延⻑線上に位置する
• 2014 年にフォレスター・リサーチがローコード開発を命名したとされる
ノーコード、ローコード開発とは
ノーコード
ローコード
RAD
(Rapid
Application
Development)
IDE
(統合開発環境)
4GL
(第4世代言語)

• 開発ツールに画⾯構成や業務
ロジック、データ構造といった
アプリケーションの設計情報を
⼊⼒することでツールがアプリ
ケーションを⾃動的に⽣成する
• ⼊⼒作業の⼤部分は、GUIでの
アプリケーション部品の組み合
わせ、およびプロパティや数式
など設定情報の定義
• プログラミングが必要な場⾯が
限定的であり、⼈的エラーが
混⼊しにくい
ノーコード、ローコード開発の特徴

ドラッグ＆ドロップなどマウス操作が中⼼、GUI上での開発作業
ü プログラミング作業不要
ü グラフィカルなワークフロー定義によるビジネスロジック作成
独⾃のデータストアを持つ
ü データエンティティ間でのリレーション定義
ü データ起点でのモデル駆動開発
API、コネクタを介した外部サービスとの連携
ü 認証は外部 Identity Provider (IdP)とのフェデレーションによるシングルサインオン
マルチデバイス向けエクスペリエンス提供
ü Webブラウザ、タブレット・モバイル端末対応
ü iOS、Android デバイス向けネイティブアプリ
迅速なデプロイ
ü 開発したアプリケーションを即時利⽤可能
ノーコード、ローコード開発ツールの主な機能

ユーザー数に対する課⾦
ü アプリケーション開発者および利⽤者数に応じた課⾦
Ø Pros コスト試算が単純、利⽤者数が限定されるケースでコスト負担が少ない
Ø Cons 利⽤者数が増える⼤規模利⽤時にコスト負担が増加
公開アプリケーションなど不特定多数での利⽤に対応していない
プラットフォームに対する課⾦
ü 性能指標やストレージ容量、作成可能なアプリケーション数に応じた課⾦
Ø Pros 公開アプリケーションなど利⽤者数が想定できない状況に対応可能
利⽤者数の増加と正⽐例しないコスト負担
Ø Cons コスト試算が複雑
確保したキャパシティと負荷状況の監視運⽤が必要
ノーコード、ローコード開発ツールの料⾦体系

• アプリケーション開発期間の短縮、開発⽣産性の向上
ü 重厚⻑⼤なシステム開発計画から、短サイクルでの継続的な開発にシフト
• 開発者に求めるITスキルレベル低下
ü プログラミングスキルが無くとも開発可能、開発者の裾野が広がる
ü ビジネス部⾨での開発者育成、市⺠開発者の誕⽣
• 最⼩の⼿間で要件をおさえる
ü Minimum Viable Product (MVP) の提供
ノーコード、ローコード開発の利点
要件定義基本設計詳細設計プログラミング単体テスト結合テスト総合テスト運用・保守
要件定義開発総合テスト運用・保守
従来型
開発
ノーコード
ローコード
開発
開発サイクルの短縮

開発ツールの機能制約
ü MVP 提供により、要件適合を早い段階で確認
ü ノーコード、ローコード開発にこだわりすぎない
市⺠開発者の広がりに伴う教育コスト増
ü 基本的な機能を備えたアプリケーションをテンプレート化し、
すぐに “動作する” 教材を⽤意
ü 事例共有やコンテストで開発者間のナレッジ共有機会を増やす
シャドーITの助⻑
ü 先⾏して統⼀プラットフォームを提供し、ツールの乱⽴を防⽌
ノーコード、ローコード開発への懸念と対処⽅針例

• アプリケーション開発における、ソースコードの有無による分別が⼀例
Ø ノーコード開発：ソースコードを必要としない
Ø ローコード開発：ソースコード量を抑制
• 複数の視点を持つことで双⽅の特性や違いを理解できる
ノーコード開発とローコード開発の違い
成果物開発者⽤途や⽬的開発環境や⼿法

Amazon Honeycode とは

• 2020年6⽉に BETA リリース
• プログラミング無しで Web およびモバイルアプリの開発が可能な
フルマネージドサービス
• アプリケーションの実⾏環境に加え、データストアやユーザーマスタなど
のアプリケーションに関連する機能も包含
• 開発したアプリは Web ブラウザ、 iOS および Android ⽤の
ネイティブアプリから利⽤可能
• 利⽤に際しては AWS アカウントとは別に Honeycode アカウント (Team)
を作成
ü 作成に必要なものはメールアドレスのみ
ü クレジットカード登録など⽀払いの考慮は不要
Amazon Honeycode とは

Amazon Honeycode アプリケーション例
アプリケーション
⼀覧
申請⼀覧申請⼊⼒
メール通知
申請承認
申請ワークフロー

データストアである Table、アプリケーション開発を⾏う Builder、
通知やイベント起点の処理を担う Automations、それらを包含する workbook
Amazon Honeycode の主要概念
workbook

• ⾏と列で構成される、構造型データストア
• CSVまたはTSVファイルのインポート、もしくはスプレッドシートから
コピー＆ペーストによってデータ追加可能
• ⽇付や数値、⾦額など列ごとにデータ書式を指定
• 他テーブルの列を参照する書式（Rowlink & picklist）を⽤いてテーブル間の
相関関係を定義し、マスタ参照や集計などを実施可能
Amazon Honeycode Table

• アプリケーション開発ツール
• 画⾯上に⼊⼒欄やボタン、リストなどのデータ⼊出⼒のための部品を配置
• 画⾯定義内容を元にアプリケーションを⽣成
ü ソースコードを意識する必要はない（認識できない）
ü 定義変更は即時アプリケーションに反映される
• 開発⼿法
ü blank 画⾯に対する開発
ü アプリケーションテンプレートの利⽤
ü Table からモデル駆動によって
アプリケーションを⽣成
Amazon Honeycode Builder

• Table のデータに対する変更やアプリケーションでの操作を起点に処理を実⾏
• Table データの追加、変更、削除やメール通知が可能
• Webhook の実⾏による外部システムとの連携が可能
Amazon Honeycode Automations

• Table、アプリケーション、Automation を包含する枠組み
• workbook 内に複数の Table、アプリケーション、Automation を持つ
• 開発者や利⽤者に対し、workbook もしくはアプリケーション単位に
“Share” を⾏い、権限を付与
Amazon Honeycode workbook

Amazon Honeycode の全体像
アプリ利用者
(申請者)
アプリ利用者
(承認者)
申請
アプリ
承認
アプリ
リレーション
メール通知
開発者
Team
Share
Share
workbook
Table
Builder
Automation
開発
Share
利用
利用

暗号化
ü 保管時および転送中暗号化に対応
ü AWS管理の暗号化キーを利⽤
認証・認可
ü ユーザーIDはメールアドレス
ü 管理者が利⽤者のユーザーアカウントを⼿動で管理するStandardチーム
もしくは AWS SSO を利⽤可能
Ø Standardチーム：管理者がユーザーを個別に招待する。社外ドメインを持つ
外部ユーザーも招待可能
Ø AWS SSO ： AWS SSO がサポートする Okta、Azure AD、OneLogin などの
IdP と連携可能
ü 管理者、開発者、アプリケーション利⽤者の3段階にわけて権限を付与
ü workbook やアプリケーションごとの共有でアクセス可能範囲を限定
Amazon Honeycode のセキュリティ

Amazon Honeycode との連携・統合
API
ü Table データの CRUD（Create/Read/Update/Delete）に加え、
Table や列の情報などのメタデータも取得可能
ü API へのアクセスは IAM にて制御
Amazon AppFlow
ü S3 やサポートされる SaaSから Honeycode へのデータ追加が可能
ü データ更新や Honeycode からのデータ抽出は未対応
Zapier
ü Zapier で作成するワークフローである Zap において、Honeycode を
トリガとする、もしくは Honeycode に対するアクションを定義可能
Webhook
ü 任意のURLに対して Honeycode データをペイロードとして送信可能
ü Automation のアクションとして呼び出す

Amazon Honeycode との連携・統合例
1. S3 にタスクデータを CSV ファイルとしてアップロード
2. AppFlow で Honeycode へタスクデータを連携
3. タスクの担当者が Honeycode アプリからタスクの完了操作を⾏う
4. Honeycode Automation の Webhook によって、Slack の特定チャンネルに
タスクの完了通知を投稿
サービス連携実装例
タスク処理アプリケーション

• データ量とユーザー数に応じた⽉額課⾦
• BASIC、PLUS、PROの三段階
• workbook 当たり2,500⾏以下のデータ量、かつユーザーが20名以内であれば
無料で利⽤可能 (BASICプラン)
Amazon Honeycode の料⾦
• 有償のプラン (PLUS、PRO) を利⽤する
場合は AWS アカウントとの接続が必要
• Honeycode 利⽤料⾦は接続した AWS
アカウントで⽀払う
• ⼀つのAWSアカウントに複数の
Honeycode Team を接続し、請求の集約
や利⽤状況の把握が可能

ロケーション
ü Honeycode を利⽤可能なリージョンは⽶国⻄部(オレゴン / us-west-2)
ユーザー
ü Honeycode にアクセスする全てのユーザーは認証が必要
ü 公開Webサイトなど、不特定多数からのアプリケーション利⽤には未対応
AWS SSO 連携
ü PLUS もしくは PRO プランで利⽤可能
ü Honeycode が利⽤可能なオレゴンリージョンでの AWS SSO
セットアップが必要
アプリケーション移⾏
ü アプリケーションへ加えた変更を他のアプリケーションに反映するには
⼿作業が必要
Amazon Honeycode の制限・制約

Amazon Honeycode の始め⽅と使い所

Amazon Honeycode 利⽤の流れ
アプリケーション利用
展開
利用環境準備
アプリケーション開発
チームメンバー登録
Honeycode Team 作成以下いずれかに該当する場合はAWS アカウントとの
接続を⾏う
• API や AppFlow を⽤いたデータ連携を⾏う
• ユーザー認証に AWS SSO を⽤いる
• PLUS もしくは PRO プランが必要なデータ量、
もしくはユーザー数
Standard チームの利⽤、もしくは AWS SSOとの連携
ブラウザやモバイルアプリのインストール
workbook もしくはアプリケーション単位でチーム
メンバーに Share
※ 次のスライドでご紹介

blank 画⾯に対する開発
ü アプリケーションの画⾯ (Screen) 上にボタンやテキストボックスなど
の部品 (objects) を配置していく
Table データからのモデル駆動
ü App Wizard を⽤いて Table データスキーマに応じたアプリケーション
を⾃動⽣成
ü 作成されるアプリケーションは⼀覧画⾯、単⼀データ参照画⾯、
⼊⼒フォーム画⾯で構成され、画⾯や部品の過不⾜を修正する
アプリケーションテンプレートの利⽤
ü タスク管理やアンケートなど、19種類が⽤意されているテンプレートの
中から要件に近いものを選択し、Table データスキーマおよび画⾯や
部品の過不⾜を修正する
Amazon Honeycode アプリケーション開発⽅法

App Wizard
Amazon Honeycode アプリケーション開発⽅法
アプリケーション
テンプレート
⼀覧画⾯設定
単⼀データ参照画⾯設定⼊⼒フォーム画⾯設定
Table 選択

Amazon Honeycode の利⽤例
システム化検討フェーズでの利⽤
ü 紙媒体やFAXなどを⽤いた、IT化されていない業務に対する
代替可能性の検証
業務効率化での利⽤
ü スプレッドシートやメールを⽤いた、⼈的作業が中⼼の業務に対する
作業効率の向上、および作業ミスの低減
ビジネス部⾨主導での利⽤
ü 情報システム部⾨を持たない、もしくはリソースが限られる組織での
市⺠開発者によるアプリケーション開発

World Wide Technology (WWT) 様における
⾒積り作成ワークフロー開発
ü WWT様は社員数約7,000名の
テクノロジーサービスプロバイダー
ü ITインフラの導⼊、実装サービスで
パートナーを活⽤
ü パートナーと連携して作成する⾒積り
管理アプリケーションを数週間で開発
ü 旧来はパートナーへの要件伝達と
パートナーが作成する⾒積りの授受に
スプレッドシートと電⼦メールを利⽤
ü ⾒積りプロセスの短縮、正確性の向上
に寄与
Amazon Honeycode 事例
https://www.honeycode.aws/customers/wwt-
improves-operational-efficiency

Amazon Honeycode 学習リソース
Honeycode Community
ü QA だけでなくリリースノートの公開や学習コースなど、
Honeycode に関する情報が最も集まる
ü 英語コンテンツ
AWS Blog
ü Honeycode や連携する AppFlow など、AWSサービス全般に対する
アップデートや利⽤⽅法、事例などをご紹介
ü 英語コンテンツと⽇本語コンテンツが混在
builders.flash
ü Honeycode でのアプリケーション開発の流れをハンズオン形式でご紹介
ü ⽇本語コンテンツ

Amazon Honeycode ⽇本語ハンズオンコンテンツ
App Wizard を⽤いたモデル駆動による
アプリケーション開発から、モバイル
デバイスでの利⽤までの流れをご紹介
https://aws.amazon.com/jp/builders-flash/202008/honeycode-
attendance-management/
https://aws.amazon.com/jp/builders-
flash/202102/honeycode-slack-integration
AppFlow を⽤いた S3 との連携、
Webhook を⽤いた Slack との連携
⽅法をご紹介

まとめ
• プログラミング技術を持たない市⺠開発者による開発が可能との
開発者視点、ソースコードを認識すること無くアプリケーションが
⽣成されるとの成果物視点において、Amazon Honeycode は
ノーコード開発に分類される
• ユーザー数に応じた料⾦体系、アプリケーション開発者および利⽤者に
認証を求めることから、企業やコミニュティなどの組織での利⽤に
適している
• モデル駆動やアプリケーションテンプレートの利⽤により、ビジネス課題
解決に寄与する MVP を迅速に構築。以後は要件の変化に合わせて
機能改善を進める

Thank you!
アマゾンウェブサービスジャパン株式会社

[AWS Expert Online for JAWS-UG #17 20211006] ノーコード、ローコード開発ってなに？ Amazon Honeycode で何ができるの？

Recomendados

Recomendados

Más contenido relacionado

Más de Amazon Web Services Japan

Más de Amazon Web Services Japan (20)

[AWS Expert Online for JAWS-UG #17 20211006] ノーコード、ローコード開発ってなに？ Amazon Honeycode で何ができるの？